マーケット
11/1 15:15
38,053.67
-1,027.58
42,052.19
+288.73
暗号資産
FISCO BTC Index
11/2 7:31:51
10,605,658
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

サイオス Research Memo(2):OSS、クラウドサービス領域における先進的な製品・サービスを提供するIT企業

2023/3/14 15:22 FISCO
*15:22JST サイオス Research Memo(2):OSS、クラウドサービス領域における先進的な製品・サービスを提供するIT企業 ■会社概要 1. 会社沿革 サイオス<3744>はLinuxに代表されるOSSを活用したITシステム開発領域での事業展開を目的に1997年に設立され、その後、国内外でM&Aを活用しながら事業領域を拡大してきた。2006年には米国でIT企業(現 SIOS Technology Corp.)の株式を取得し、海外への進出を果たしたほか、2008年にクラウドサービスの開発販売を行う(株)グルージェント(以下、GLU)を子会社化、また、2015年には金融業界への事業展開を目的に(株)キーポート・ソリューションズ(以下、KPS)とProfit Cube(株)(以下、PCI)を子会社化した。 2017年10月には持株会社体制に移行し、国内事業については新たに設立したサイオステクノロジー(株)(以下、STI)へ段階的に集約し、経営体制の強化を図ってきた。具体的には、2020年10月にKPSとGLUを、2021年4月にPCIをそれぞれSTIに吸収合併した。2022年12月末時点の主な連結子会社は、STIと米国で「LifeKeeper」の開発・販売を行うSIOS Technology Corp.、持分法適用関連会社は2社となる。また、2022年12月末時点の連結従業員数は525名(前期末比36名増)で、エンジニアを中心に人員の増強を進めている。 2. 事業内容 事業セグメントは、オープンシステム基盤事業とアプリケーション事業に区分されている。各事業の概要については以下のとおり。 (1) オープンシステム基盤事業 ITシステムの障害時のシステムダウンを回避するソフトウェア「LifeKeeper」やRed Hat, Inc.関連商品をはじめとするOSS関連商品の販売、OSS技術に関するサポートサービス、各種情報システム向けのコンサルティングサービス等を展開している。「LifeKeeper」は国内外で販売されており、大企業や公共機関などでの導入実績も多く、同社の主力製品となっている。 (2) アプリケーション事業 MFP向けソフトウェア製品や、企業の業務効率化等を支援するクラウドサービス「Gluegentシリーズ」、金融機関や文教向けシステム開発・構築支援、金融機関向け経営支援システム「ALM」※の開発、導入・運用支援サービス、その他システム受託開発及びコンサルティングサービス等を展開している。このほかにも、HR Techソリューションとして、従業員のモチベーションを「見える化」するITツール「Willysm(ウィリズム)」や、オフィスのフリーアドレス化に対応した座席管理システム「YourDesk(ユアデスク)」、従業員エンゲージメントを定量化できる「OurEngage」を提供している。また、Med Tech領域では、2022年に精神科病院向け電子カルテサービス「INDIGO NOTE」をリリースした。 ※Asset Liability Managementの略で、銀行の資産・負債を総合的に管理するソフトウェア製品のこと。同社の製品は地方銀行向けの導入実績が豊富。同市場に関しては同社のほか3社(日鉄ソリューションズ<2327>、データ・フォアビジョン(株)、BIPROGY<8056>)で寡占状態となっている。 3. 特徴と強み 同社の特徴と強みとしては、国内で先駆してOSSをベースとした事業展開をしてきたことで、OSSに関する技術や運用ノウハウなどの知見が深いことが挙げられる。OSSに携わる技術者のレベルや運用サポート体制は顧客企業からも高く評価されており、日本電信電話<9432>(NTT)グループやトヨタ自動車<7203>など日本を代表する大企業も顧客となっている。競合は日本電気<6701>(NEC)や富士通<6702>など大手SIerとなるが、これら企業は自社開発製品が主力でOSS関連製品は傍流となるため、同社にとって大きな脅威とはなっていない。OSS分野を専門にサポートしている競合も少なく、同分野では競争優位性を保っていると言える。 Linuxディストリビューター(商用Linuxの配布・サポートを行うことに特化した企業)として世界最大のRed Hat, Inc.とは創業時より緊密な連携関係にあり、「Red Hat Enterprise Linux」をはじめとする関連商品の販売・サポートで国内最大規模の代理店となっている。また、Javaを使ったシステム開発も設立当初より手掛けており、その技術基盤をベースとして、リコー<7752>のMFP向けソフトウェア製品を2009年に開発、事業化している。 なお、同社の商流はOSSのシステム開発やサポートサービス、金融業界向け製品・サービスを除けば、間接販売が大半を占めており、主に大塚商会<4768>などのSIerを経由して最終顧客に販売されている。2022年12月期の売上構成比は、大塚商会向けが全体の27.0%、(株)ネットワールド向けが11.2%であった。また、海外売上比は5.5%で、そのうち北米向け売上が6割強を占めている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SI》
関連銘柄 9件
2327 東証プライム
3,890
11/1 15:00
+20(%)
時価総額 711,878百万円
日本製鉄傘下のシステムインテグレーター大手。産業・鉄鋼向けなどのビジネスソリューション、コンサルティング&デジタルサービス等を手掛ける。仮想デスクトップサービスなど各種ソリューションの拡販に取り組む。 記:2024/08/02
3744 東証スタンダード
395
11/1 15:00
-6(%)
時価総額 3,505百万円
HAクラスターソフトウェア「LifeKeeper」等を手掛けるオープンシステム基盤事業、システム開発・構築支援等を行うアプリケーション事業を展開。SaaS・サブスク事業の拡大、新規事業領域の取組みを強化。 記:2024/06/24
4768 東証プライム
3,532
11/1 15:00
+96(%)
時価総額 1,342,174百万円
独立系SI大手。システム設計や開発、ネットワーク構築等を手掛ける。中小企業向けに強み。オフィスサプライ通信販売事業「たのめーる」等も。たのめーる、サポート事業「たよれーる」などのストックビジネスに注力。 記:2024/06/03
6701 東証プライム
12,655
11/1 15:00
-580(%)
時価総額 3,452,917百万円
大手ITサービス会社。1899年設立。システム構築等のITサービス事業、ネットワークインフラ等の社会インフラ事業が柱。顔・虹彩などの生体認証に強み。クラウド、モダナイゼーション、生成AIなどの強化図る。 記:2024/08/10
6702 東証プライム
2,695
11/1 15:00
-268(%)
時価総額 5,581,636百万円
国内最大のITサービス企業。通信インフラやストレージ、サーバー、電子デバイスを展開。官公庁、金融向けに強み。事業ポートフォリオの変革は順調。サービスソリューションが成長領域。26.3期売上4.2兆円目標。 記:2024/04/30
7203 東証プライム
2,615.5
11/1 15:00
-67(%)
時価総額 42,671,848百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7752 東証プライム
1,640
11/1 15:00
-32.5(%)
時価総額 1,045,448百万円
大手複合機メーカー。1936年創業。プリンターやオフィス機器消耗品、電子黒板、ITインフラ、ヘルスケア関連システム等も。海外売上高比率は6割超。25.3期はオフィスサービス事業の堅実な成長などを見込む。 記:2024/06/18
8056 東証プライム
4,738
11/1 15:00
-110(%)
時価総額 519,588百万円
大手システムインテグレーター。旧社名は日本ユニシス。大日本印刷の持分法適用会社。金融向けに強み。配当性向40%目処。金融分野はフルバンキングシステム等の売上が拡大。27.3期売上高4200億円目標。 記:2024/06/13
9432 東証プライム
147.4
11/1 15:00
-0.3(%)
時価総額 13,347,117百万円
国内最大の通信会社。NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータグループなどを傘下に持つ。研究開発部門を有する点が特徴。データセンターを拡張。コンシューマ通信事業では顧客基盤の強化を推進。 記:2024/10/10