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後場に注目すべき3つのポイント~英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり

2022/10/18 12:20 FISCO
*12:20JST 後場に注目すべき3つのポイント~英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり 18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は反発、英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり ・ドル・円は上げ渋り、日本政府の円安けん制で ・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位は第一三共<4568> ■日経平均は反発、英財政不安後退も米長期金利の4%維持が気掛かり 日経平均は反発。209.87円高の26985.66円(出来高概算5億3395万株)で前場の取引を終えている。 17日の米株式市場でダウ平均は550.99ドル高(+1.85%)と大幅反発。英政府の減税策の撤回で同国の財政悪化を契機とした世界金融市場の混乱への警戒感が緩和。また、大手銀行の予想を上回る決算も安心感を誘い、終日堅調に推移した。ナスダック総合指数も+3.43%と大幅反発。米国株の反発を受けて日経平均は391.94円高と27000円を回復してスタート。ただ、買い戻しの息は短く、寄り付き直後に27229.88円(454.09円高)の高値を付けると、戻り待ちの売りから失速。しばらく上げ幅を縮める動きが続き、前場中ごろには26910.10円(134.31円高)まで縮小した。一方、ナスダック100先物が上昇率1%を超えて推移する中、前引けにかけては下げ渋る展開となった。 個別では、JR東<9020>、JR西<9021>の陸運、JAL<9201>、ANA<9202>の空運、三越伊勢丹<3099>、高島屋<8233>の百貨店など、リオープン・インバウンド関連が総じて高い。コナミG<9766>、コーエーテクモ<3635>、セガサミーHD<6460>のゲームセクター、第一三共<4568>、エーザイ<4523>の医薬品も大きく上昇。自社株買いを発表したリクルートHD<6098>は大幅高となり、米ハイテク株高に加えて月次動向も追い風になったラクス<3923>が急伸。マネーフォワード<3994>は決算があく抜け感につながり急騰。Sansan<4443>、サイボウズ<4776>、ラクスル<4384>など中小型グロース株が全般大きく上昇している。通期計画を大幅に引き上げたSANKYO<6417>も大幅高となった。 一方、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>のハイテクの一角が下落。富士石油<5017>、INPEX<1605>、日本製鉄<5401>、東京製鐵<5423>などの市況関連株も全般軟調。前日大きく上昇した商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運は反落。日本国土開発<1887>は第1四半期の大幅減益決算を受けて大きく下落した。 セクターでは精密機器、陸運、サービスが上昇率上位になった一方、鉱業、海運、鉄鋼が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の83%、対して値下がり銘柄は14%となっている。 ナスダックの大幅反発を背景に投資家心理が改善し、本日の東京市場でも買い戻しが先行している。しかし、日経平均は寄り天井の形で大きく失速、200日移動平均線手前で陰線を形成しており、上値の重さを確認した格好だ。寄り付き直後の高値からは一時300円以上も下げた。最近は、心理的な節目の27000円を割り込んでもすぐに回復する底堅さが見られる一方、回復した割には再びあっさりと同水準を割り込むなど、非常に振れ幅の激しいボラタイルな展開が続いている。それでも200日線を超えられない状態が長期化しているあたり、大勢はやはり弱気局面が継続しているといえそうだ。 前日の米国株もハイテク株を中心に大幅反発をしたとはいえ、気掛かりな要素もある。英国のハント新財務相が減税計画の撤回を発表したことで同国の財政不安が後退し、前日の英国債利回りは低下(債券価格は上昇)、通貨ポンドは対ドルで買い戻された。これが波及する形で、前日の米国金利も低下した。しかし、米10年債利回りは低下したとはいえ、結局4%台のままだ。 前日の米国時間、米10年債利回りは一時3.92%まで低下したが、そこから急速に下げ渋って結局4.01%で終えた。米10年債利回りは9月28日に4%に乗せた後、景気後退懸念などを背景に10月上旬に一時3.5%台まで低下。この時、米国金利はピークを打ったとする声も聞かれたが、その後、再び4%を回復。このように、米10年債利回りは4%に乗せては同水準を割り込むといった動きを何度も繰り返している。英国財政を巡る懸念が大きく後退したにもかかわらず、根強く4%台を維持してくるあたり、金利の先高観の強さが窺える。実際、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は来年3月時点で政策金利が4.9%にまで上昇することを織り込んでいる。今後の金利上昇圧力は依然として残っていると推察され、株式市場への影響が懸念される。 また、企業決算も注目される。今晩の米国市場では、金融大手のゴールドマン・サックスのほか、動画配信サービスのネットフリックスなどの決算が予定されている。今のところ、金融大手の決算は堅調で、今後本格化する7-9月期決算に対する警戒感は和らいでいるが、ネットフリックスの決算がどのようなものになるかは注目だ。有料会員数が予想外に大きく減少するといった結果になると、4月のネットフリックスショックの再来となりかねないため、注意が必要だ。一方、予想を上回るものとなれば、今週末の米国でのオプション取引に係る特別清算指数算出(SQ)にかけて、全体相場におけるショートカバー(売り方)が加速しそうだ。 ■ドル・円は上げ渋り、日本政府の円安けん制で 18日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。米バイデン政権のドル高容認姿勢で、早朝には一時149円台に浮上したが、その後はやや失速。岸田首相は「過度な変動に対しては適切な対応を断固としてとっていく」と発言し、過度な円安に対するけん制を強めた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は148円66銭から149円03銭、ユーロ・円は146円23銭から146円73銭、ユーロ・ドルは0.9829ドルから0.9852ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・テックファームホールディングス<3625>、ピー・ビーシステムズ<4447>など、3銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位は第一三共<4568> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・NZ・7-9月期消費者物価指数:前年比+7.2%(予想:+6.5%、4-6月期:+7.3%) 【要人発言】 ・岸田首相 「最近の為替市場の動き、一刻一刻注視している」 「投機による過度な変動は容認できない」 「過度な変動に対しては適切な対応を断固としてとっていく」 ・黒田日銀総裁 「為替変動や商品市場の動向、先行き不確実性が高い」 「最近の円安進行、輸入物価の上昇をもたらしている」 「量的・質的緩和が失敗したというのは事実に反する。辞任するつもりはない」 ・ブロック豪準備銀行副総裁 「向こう数カ月にわたり金利をさらに引き上げる」 「小幅な利上げで他国と同様の引き締めを実現できる」 ・豪準備銀行・議事要旨 「25bpの利上げは微妙なバランス」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 30件
1605 東証プライム
2,005
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
1887 東証プライム
511
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 47,653百万円
東日本地盤のゼネコン中堅。大規模造成工事に強み。東京国際空港などで施工実績。シンガポールなど海外でも実績。再生可能エネルギー事業等も。建設現場の省人化等に取り組む。手持ち工事進捗で建築事業は売上順調。 記:2024/06/09
2,151.5
11/22 15:30
-40(%)
時価総額 839,773百万円
三越と伊勢丹の経営統合で誕生した持株会社。百貨店業、クレジット・金融・友の会業、不動産業等を展開。伊勢丹新宿本店は百貨店の店舗別売上で国内首位。24.3期は伊勢丹新宿本店、三越銀座店の総額売上が過去最高。 記:2024/06/13
612
11/22 15:30
+11(%)
時価総額 4,599百万円
ICTソリューション事業を手掛けるテックファームを中核とする持株会社。自社サービス「コネクトアジア」等のクロスボーダー流通プラットフォーム事業も。ICTソリューション事業ではブランディング強化などに注力。 記:2024/08/23
1,641
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 551,535百万円
コーエー、テクモの経営統合によって誕生した持株会社。信長の野望シリーズ、無双シリーズなどゲーム・モバイルコンテンツの開発等を行う。IP事業は三国志・戦略版が収益貢献。アミューズメント施設は売上順調。 記:2024/10/28
3923 東証プライム
2,043
11/22 15:30
+79(%)
時価総額 370,224百万円
経費精算システム「楽楽精算」が主力。電子請求書発行システム「楽楽明細」やクラウド型販売管理システム「楽楽販売」などのほか、IT人材事業も展開。楽楽精算は累計導入社数が1.7万社超。成長投資を継続。 記:2024/08/23
3994 東証プライム
4,330
11/22 15:30
-104(%)
時価総額 236,743百万円
経理・確定申告、人事労務等の「マネーフォワード クラウド」が主力。家計簿アプリや事業用プリペイドカード、企業間請求・決済代行サービスなども。課金顧客数は35万超。企業間請求・決済代行サービスは好調。 記:2024/10/28
4384 東証プライム
1,173
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 69,175百万円
印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」の運営等を行う。ラクスルの累計登録ユーザー数は274万人超。27.7期EBITDA100億円目指す。 記:2024/10/25
4443 東証プライム
2,016
11/22 15:30
+47(%)
時価総額 254,238百万円
営業DXサービス「Sansan」、インボイス管理サービス「Bill One」等を手掛ける。Sansanは契約件数が9400件超。Bill Oneの有料契約件数は2600件超。Bill Oneは高成長続く。 記:2024/06/07
4447 東証グロース
597
11/22 15:30
+9(%)
時価総額 3,931百万円
独立系SI。仮想化技術を活用したクラウド基盤構築力に強み。独自VR装置の開発も。首都圏や九州でクラウド基盤構築案件が順調に進む。VRも堅調。事業拡大に向けた費用増や人件費増こなす。初配実施へ。 記:2024/08/14
4523 東証プライム
4,650
11/22 15:30
+31(%)
時価総額 1,379,037百万円
国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」、不眠症治療剤「デエビゴ」などが主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。アルツハイマー病治療剤「レケンビ」に積極的な成長投資実施。 記:2024/10/20
4568 東証プライム
4,435
11/22 15:30
-48(%)
時価総額 8,635,096百万円
大手製薬会社。抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」、抗凝固剤「リクシアナ」などが主力品。かぜ薬「ルル」、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」などで知名度高い。米メルクと戦略的提携。がん事業への集中的な資源投入を図る。 記:2024/08/26
4776 東証プライム
2,063
11/22 15:30
+8(%)
時価総額 108,840百万円
業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」、中小企業向けグループウェア「サイボウズOffice」などを提供。クラウドサービスの契約社数は6.4万社超。新規顧客獲得、グローバル展開などに注力。 記:2024/10/13
5017 東証プライム
296
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 23,142百万円
石油開発のアラビア石油と石油精製の富士石油が統合。開発からは撤退し、現在は千葉県で精製を行う。日本航空やJERAグループなど強固な顧客基盤が強み。精製コストの削減、高付加価値製品の増産などに取り組む。 記:2024/10/21
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5423 東証プライム
1,470
11/22 15:30
+11(%)
時価総額 161,794百万円
国内最大手の電炉メーカー。1934年設立。主力製品のH形鋼は国内生産量トップ。電炉でコイル・厚板を生産できるのは同社のみ。無借金経営。引き続きコスト低減に取り組む。グリーン鋼材「ほぼゼロ」は好評。 記:2024/08/05
9,824
11/22 15:30
+288(%)
時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6417 東証プライム
2,155.5
11/22 15:30
+40.5(%)
時価総額 560,430百万円
パチンコ・パチスロ機メーカー大手。カードシステムや補給機器、喫煙ブース、内装施工等も。配当性向40%目安。パチンコ新台「Pフィーバー三国戦騎7500」の導入を開始。27.3期売上高2200億円目標。 記:2024/06/18
2,629.5
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 634,312百万円
セガ、サミーが2004年に経営統合して誕生した持株会社。ゲームコンテンツ等のエンタテインメントコンテンツ事業が主力。遊技機事業等も。総還元性向50%以上が基本方針。コンシューマ分野等への投資進める。 記:2024/06/29
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8233 東証プライム
1,201.5
11/22 15:30
-2.5(%)
時価総額 393,677百万円
大手百貨店。日本橋、新宿、大阪、京都などに大型店を有す。海外はシンガポール、ベトナム、タイなどで店舗展開。商業開発業や建装業、金融業等も。27.2期営業利益600億円目標。事業ポートフォリオの最適化図る。 記:2024/10/24
9020 東証プライム
2,780
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 3,153,665百万円
国内最大、世界でも最大級の鉄道会社。関東、甲信越、東北までの1都16県が営業エリア。流通・サービス事業、不動産・ホテル事業等も。ホテル、ショッピングセンターは売上順調。28.3期営業利益4100億円目標。 記:2024/06/04
9021 東証プライム
2,795.5
11/22 15:30
+29(%)
時価総額 1,364,212百万円
大手鉄道会社。近畿、北陸、中国、九州北部が鉄道営業エリア。山陽新幹線、北陸新幹線などを運行。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業も展開。高付加価値の不動産アセット拡充など不動産事業の拡大図る。 記:2024/08/01
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
2,155
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9201 東証プライム
2,413
11/22 15:30
+23(%)
時価総額 1,054,828百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9202 東証プライム
2,838
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 1,374,426百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
9766 東証プライム
14,675
11/22 15:30
+375(%)
時価総額 2,105,863百万円
モバイルゲーム、家庭用ゲーム等を手掛けるデジタルエンタテインメント事業が主力。スロットマシンやアミューズメントマシンの製造・販売等も行う。配当性向30%以上目処。パワフルプロ野球2024-2025を発売。 記:2024/08/12
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17