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日経平均は反発、好地合いに徐々に変化の兆し

2023/6/1 12:11 FISCO
*12:11JST 日経平均は反発、好地合いに徐々に変化の兆し  日経平均は反発。88.55円高の30976.43円(出来高概算6億9193万株)で前場の取引を終えている。  5月31日の米株式市場でダウ平均は134.51ドル安(-0.40%)と続落。債務上限問題を巡り「財政責任法案」の下院採決を控えた警戒感から売りが先行。予想を上回った4月JOLTS求人件数を受けた追加利上げ観測の高まりなども重しとなった。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの発言を受けて利上げの一時停止機運が再浮上すると下げ幅が縮めた。ナスダック総合指数は-0.63%と4日ぶり反落。本日の日経平均1.87円安からスタート。月末のリバランス(資産配分の再調整)目的の売りが一巡したあく抜け感などから買いが先行し、前場中ごろには31185.05円(297.17円高)まで上昇した。しかし、米財政責任法案が下院で可決されたと伝わってからは好材料出尽くし感から売りが強まり、再び下落に転じた。その後前引けにかけては改めて買い戻しが入り、プラス圏に再浮上した。  個別では、ソフトバンクG<9984>、ソシオネクスト<6526>、ルネサス<6723>、ソニーG<6758>のハイテクの一角が大幅高。前日に大きく売られた商社株が買い戻されており、三菱商事<8058>、三井物産<8031>、伊藤忠<8001>などが大きく上昇。ダイキン<6367>は3カ年の戦略経営計画が好感されて大きく上昇。業績・配当予想を上方修正した菱洋エレク<8068>はストップ高。目標株価が引き上げられた日本CMK<6958>、自社株買いを発表したシグマクシス<6088>なども急伸。一方、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>の半導体の一角や、京セラ<6971>、ファナック<6954>、イビデン<4062>、TDK<6762>などのハイテクが軟調。為替の円高を嫌気して三菱自<7211>、マツダ<7261>、ブリヂストン<5108>など自動車関連は大きく下落。大平洋金属<5541>はレーティング格下げを受けて大幅安となっている。  セクターでは卸売、情報・通信、精密機器が上昇率上位に並んだ一方、ゴム製品、パルプ・紙、保険が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の49%、対して値下がり銘柄は45%となっている。  前場の日経平均は乱高下する荒い展開となった。前日は久々の大幅安となったが、これまでの上昇相場のけん引役だった商社株が特に大きく崩れたあたりから、あくまで月末のリバランス(資産配分の再調整)目的の売りが主因だったのではないかとの指摘があった。実際、本日はリバランス売り一巡に伴う需給改善やそれを見越した売り方の買い戻しが入ったか、日経平均は寄り付きからするすると値を切り上げ、あっさりと31000円を一時回復した。  一方、日本時間午前7時前から米下院での採決プロセスに入っていた「財政責任法案」が可決されたと伝わってからは好材料出尽くし感からか、急速に値を崩し、日経平均はマイナス圏にまで落ちる場面がみられた。米債務上限問題については、前日に共和党の強硬派議員らから、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長の合意に対して報復宣言が出されるなど、無事に可決されるかやや懸念されていた。このため、特に難航が予想されていた下院で可決されれば素直に買いで反応するかと思われたが、実際には出尽くし感で売りが強まったもよう。  その後、日経平均は再度31000円を回復する場面もあるなど底堅さも見せているが、好材料に素直に反応できなくなっているあたり、これまでの強気一辺倒だった状況からはややムードが変わってきている印象を受ける。  為替も米国時間に一時1ドル=140円台を回復したが、同水準を再び割り込むとさらに円高方向に動いてきている。これまで日米金利差拡大に加えて、海外投資家が日本株を買う際にヘッジ目的で同時に円を売っていたことが円安・ドル高の要因となってきたが、円安が一服し、円高に傾いてきているあたりから、海外勢の買いが一服してきた感が窺える。  米債務上限問題がほぼ解決したことで米国債を巡る先行き不透明感が後退し、再び米国債の需要が高まることも想定される。加えて、日本経済新聞社の5月31日付けの記事「米社債市場が急回復、ファイザーが4兆円の超大型起債」によると、足元では米企業による投資適格債の発行額が5月1日から18日で約800億ドル(約11兆2000億円)と、既に4月月間を4割上回る規模にまで増加し、米国の社債発行市場が急回復しているもよう。  米銀行の経営破綻など金融システムの危機に対して、米連邦準備制度理事会(FRB)らが大規模な流動性供給で対応したことが、これまでのマーケットにおける一時的な弛緩ムードを作り出していた。しかし、米債務上限問題後の米債務短期証券(TB)の大量発行や企業の起債の増加、そしてFRBの金融引き締め継続により、市場に一時的にだぶついていたマネーは吸い上げられ、マーケット環境は再び引き締まってくることが考えられる。  需給面では先物手口をみると、商品投資顧問(CTA)との連動性の高いドイツ証券は先週まで日経225先物とTOPIX先物で買い越し傾向を続けていたが、今週に入ってからは売り越しに転じており、昨日も両先物で売り方に上位に入っていた。需給面に関する追い風も止んできたとみられる。  今週末の米雇用統計や来週末の株価指数先物・オプション6月限の特別清算指数(SQ)算出を控えるなか、まだ上方向も含めて荒い展開となる局面は残されているだろうが、徐々に調整モード入りに注意を払った方がよいタイミングがきたと考える。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 21件
4062 東証プライム
4,888
11/22 15:30
+125(%)
時価総額 688,529百万円
ICパッケージ基板で世界トップシェア。1912年に揖斐川電力として創業。岐阜県大垣市に本社。自動車排気系部品等のセラミック事業も。電子事業は生成AI用サーバー向けが順調。28.3期売上6500億円目標。 記:2024/06/15
5108 東証プライム
5,395
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 3,850,401百万円
世界的なタイヤメーカー。1931年創業。生産拠点数は国内外で100超。化工品事業、スポーツ・サイクル事業等も手掛ける。海外売上比率は7割超。乗用車用プレミアムタイヤの拡販などで販売ミックスの改善図る。 記:2024/08/10
5541 東証プライム
1,415
11/22 15:30
-22(%)
時価総額 27,701百万円
ステンレス鋼の主原料であるフェロニッケルの製造で国内トップ。日本曹達の鉄鋼部門から分離独立して1949年に誕生。現在は日本製鉄系列。ガス類の製造等も。LIB材料向け原料の製造販売事業の推進等に取り組む。 記:2024/10/22
1,909
11/22 15:30
+46(%)
時価総額 84,951百万円
DX支援等のコンサルティングサービスの提供を行うシグマクシスが中核の持株会社。投資事業を手掛けるシグマクシス・インベストメントも傘下に持つ。コンサルタント数は600名超。SaaS化支援などは順調。 記:2024/08/27
6146 東証プライム
42,590
11/22 15:30
+210(%)
時価総額 4,613,221百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6367 東証プライム
18,295
11/22 15:30
-90(%)
時価総額 5,362,521百万円
空調・冷凍機事業が主力。エアコン世界首位。フッ素化学製品等の化学事業、酸素濃縮装置の製造・販売等も。海外売上比率が高い。差別化新商品の投入、増産投資等に取り組む。26.3期営業利益5000億円目標。 記:2024/06/07
6526 東証プライム
2,360
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 423,382百万円
半導体ファブレスメーカー。富士通、パナソニックのシステムLSI事業の統合により誕生。SoCの設計・開発、販売を行う。オートモーティブ、データセンターなどが注力分野。注力分野中心に多くの大型商談を獲得。 記:2024/07/28
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6762 東証プライム
1,875.5
11/22 15:30
-6.5(%)
時価総額 3,645,709百万円
大手電子部品メーカー。1935年創業。二次電池などエナジー応用製品が主力。スマホ内臓バッテリーで世界トップシェア。海外売上高比率は9割超。高収益事業の強化図る。中計では27.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/08/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6954 東証プライム
4,114
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6958 東証プライム
449
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 31,994百万円
プリント配線板専業メーカー。車載向けビルドアップ配線板で世界トップシェア。車載用売上高比率が高い。デンソーなどが主要取引先。配当性向30%程度目安。パワートレイン・走行安全系を注力分野に位置付け。 記:2024/06/29
6971 東証プライム
1,468
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 2,217,376百万円
大手電子部品メーカー。セラミック技術に強み。セラミックパッケージや半導体製造装置向けセラミック部品等で高シェア商品多数。京都府京都市に本社。事業の選択と集中を推進。中計では26.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/10/20
7211 東証プライム
439.3
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 654,681百万円
SUV・4WD技術に強みを持つ自動車メーカー。仏ルノー及び日産自動車と提携。海外売上高比率は7割超。アセアンの販売台数比率が高い。26.3期営業利益2200億円目標。アセアンで新商品の連続投入計画。 記:2024/06/17
7261 東証プライム
1,003
11/22 15:30
-2.5(%)
時価総額 633,699百万円
1920年創業の自動車メーカー。広島県安芸郡府中町に本社。トヨタと資本業務提携。人気車種にクロスオーバーSUV「CX-5」など。高効率エンジン等に強み。北米市場は販売順調。25.3期は販売台数増を見込む。 記:2024/08/30
8001 東証プライム
7,581
11/22 15:30
-4(%)
時価総額 12,015,051百万円
1858年創業の大手総合商社。繊維、金属、食料、機械、エネルギー・化学品、住生活分野などで事業展開。伊藤忠エネクス、伊藤忠食品などを傘下に持つ。総還元性向50%目途。川下ビジネスの開拓・進化等に取り組む。 記:2024/08/30
8031 東証プライム
3,305
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 10,005,514百万円
大手総合商社。鉄鉱石や原油・LNGなど資源分野に強み。機械・インフラ、化学品、生活産業などの事業を多角的に展開。インドネシアのパイトン発電事業の持分売却は完了。中計では26.3期当期利益9200億円目標。 記:2024/06/04
8058 東証プライム
2,646.5
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 11,059,771百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
8068 東証プライム
3,965
3/27 15:00
-20(%)
時価総額 106,262百万円
三菱電機系列の半導体商社。米インテル製半導体なども扱う。リョーサンと経営統合に伴い3月28日付で当社株は上場廃止に。代わって4月1日付で持株会社のリョーサン菱洋HDが上場へ。24.3期は14カ月変則決算。 記:2024/03/10
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17