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日経平均は続伸、ハイテク集中買いがけん引する構図はどこまで続くか

2023/5/26 12:08 FISCO
*12:08JST 日経平均は続伸、ハイテク集中買いがけん引する構図はどこまで続くか  日経平均は続伸。300.47円高の31101.60円(出来高概算5億7402万株)で前場の取引を終えている。  25日の米株式市場でダウ平均は35.27ドル安(-0.10%)と5日続落。債務上限交渉を巡る先行き不透明感が重しになったほか、経済指標が軒並み予想を上振れたことで追加利上げが織り込まれたことも売り圧力となった。一方、前日引け後に発表されたエヌビディアの強い決算を受け、半導体株を中心にハイテクに買いが入り、ナスダック総合指数は+1.71%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+6.80%と3日ぶり反発。エヌビディアの決算は前日の東京時間においてすでに一部織り込み済みではあったが、SOX指数の上昇に刺激を受けたハイテク株高が続き、日経平均は108.48円高からスタート。一時140円台に乗せた円安・ドル高も支援材料となり、その後は31000円を挟んだ一進一退が続いた。  個別では、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、スクリン<7735>をはじめとした半導体株が軒並み大幅に上昇し、芝浦メカトロニクス<6590>は連日の急伸。TDK<6762>、太陽誘電<6976>のハイテク関連も全般高い。丸紅<8002>、三菱商事<8058>、伊藤忠<8001>の商社が強い動きを見せ、JR東海<9022>、JAL<9201>、エアトリ<6191>、寿スピリッツ<2222>などのインバウンド関連には買い直しが入っている。レーティングの格上げが観測されたイビデン<4062>、新光電工<6967>、三菱重<7011>、川崎重<7012>は大きく上昇。メキシコでの新拠点開設を発表した三井ハイテック<6966>は大幅高。国内証券が目標株価を引き上げた凸版印刷<7911>も高い。ユーグレナ<2931>は、経済産業省が日本の空港で国際線に給油する燃料の1割を再生航空燃料にすることを義務付けるとの報道を受け、大幅高となっている。  一方、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>の銀行、日本製鉄<5401>、JFE<5411>の鉄鋼、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業など、景気敏感やバリュー(割安)系が軟調。また、第一三共<4568>、武田薬<4502>の医薬品、NTT <9432>、KDDI<9433>の通信、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産、東京電力HD<9501>、関西電力<9503>の電力など、ディフェンシブ系のセクターが冴えない。  セクターでは空運、陸運、精密機器が上昇率上位に並んだ一方、鉱業、石油・石炭製品、電気・ガスが下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の42%、対して値下がり銘柄は52%となっている。  日経平均はハイテク株高がけん引する形で続伸、再び31000円を捉えている。ただ、東証プライム市場の値上がり銘柄と値下がり銘柄の割合が拮抗する日が多くなっており、本日は値下がり銘柄の割合の方が高い。マザーズ指数や東証グロース市場指数の低迷ぶりからも一目瞭然のように、新興市場を中心とした中小型株は「蚊帳の外」状態が続いている。 米国でもナスダック指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)の強い動きが続いているが、一方でダウ平均は4月以降の保ち合いを下放れてきている。生成AI(人工知能)ツールの普及を背景にハイテクブームが巻き起こっていることは悪いことではないが、ハイテクに一極集中しているような今の相場は心もとない。  東京証券取引所が発表する投資部門別売買動向によると、海外投資家は5月第3週(15-19日)も現物・先物合算(ミニ除く)で1兆3434億円と大幅な買い越しを見せ、現物だけでは7167億円の買い越しだった。足元ではロングオンリー、いわゆる買い持ち高しか作らない長期目線の海外投資家も日本株買いに動きはじめたとの指摘が聞かれている。投資委員会などで承認を得た後に動くプロセスを踏まえると、これら実需筋の買い越しはまだ続く可能性が高く、日本株の底堅さは続きそうだ。  一方、投資部門別売買状況によると、個人投資家や年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行の売り越しは続いており、国内勢はほとんど足元の上昇相場に追随する動きを見せていない。日本株への期待が高まっているとはいえ、期待だけでどこまで海外勢が買い越しを続けるのかも未知数だ。  一部外資証券が、日本での近々の解散総選挙および日本維新の会の伸長と連立政権入りの可能性を示唆するレポートを発行している。海外勢の日本株買いの背景にはこうした政治への期待もあるようだ。しかし、候補者の擁立を巡って自民党と公明党による亀裂が生じているために解散へ踏み切ることは不可能との指摘もある。また、25日に開かれた7&iHD<3382>の株主総会では対立する米ファンドの提案が退けられた。これから株主総会が本格化していくが、海外勢への日本企業への変革期待が尻すぼみに終わる可能性も頭の片隅に置いておきたい。  午後の日経平均は堅調な動きが想定されるものの、上値追いには慎重になるべきか。来週は中国で購買担当者景気指数(PMI)、米国ではISM製造業景気指数、雇用統計など重要指標が発表される。米債務上限問題も合意に近づいていると報じられているが、最後まで予断を許さない。海外動向を見極めたいとの思惑も働くなか、国内勢の追随買いは引き続き期待しづらく、海外勢の買いがどこまで続くかを見極める局面に入ったといえよう。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 35件
1605 東証プライム
2,005
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
1662 東証プライム
1,090
11/22 15:30
+20(%)
時価総額 280,130百万円
石油開発最大手。日本政府が筆頭株主。北海道、秋田県、山形県、新潟県に油ガス田を保有。海外はイラク・ガラフ油田など。E&P事業は売上伸長。北米、中東における原油販売量の増加が寄与。人件費増が重し。 記:2024/09/04
2222 東証プライム
1,963
11/22 15:30
-12.5(%)
時価総額 305,557百万円
全国各地の菓子製造販売等を手掛ける。シュクレイ、ケイシイシイが中核。地域事業会社、複数の販売子会社により構成。プレミアム・ギフトスイーツの育成図る。足元のインバウンド売上が好調。沖縄に新拠点開設へ。 記:2024/10/07
2931 東証プライム
433
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 59,023百万円
ミドリムシ等を活用した健康食品、化粧品の開発・製造・販売等を行うヘルスケア事業が主力。バイオ燃料の開発・製造・販売等も。青汁のキューサイを傘下に持つ。次世代エイジングケアブランド「CONC」に積極投資。 記:2024/09/02
2,556.5
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 6,658,547百万円
国内流通グループ最大手。セブン-イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、セブン銀行等を傘下に収める持株会社。海外コンビニ事業の売上構成比率が高い。海外コンビニ事業は店舗網の拡大、オリジナル商品の強化等に注力。 記:2024/10/24
4062 東証プライム
4,888
11/22 15:30
+125(%)
時価総額 688,529百万円
ICパッケージ基板で世界トップシェア。1912年に揖斐川電力として創業。岐阜県大垣市に本社。自動車排気系部品等のセラミック事業も。電子事業は生成AI用サーバー向けが順調。28.3期売上6500億円目標。 記:2024/06/15
4502 東証プライム
4,113
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 6,543,528百万円
国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
4568 東証プライム
4,435
11/22 15:30
-48(%)
時価総額 8,635,096百万円
大手製薬会社。抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」、抗凝固剤「リクシアナ」などが主力品。かぜ薬「ルル」、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」などで知名度高い。米メルクと戦略的提携。がん事業への集中的な資源投入を図る。 記:2024/08/26
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
6191 東証プライム
1,130
11/22 15:30
+27(%)
時価総額 25,302百万円
総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営。Wi-Fiレンタル事業、地方創生事業、ITオフショア開発事業等も。メルマガのまぐまぐ等を傘下に持つ。M&Aによる成長投資を行う。エアトリ経済圏の構築・強化図る。 記:2024/10/09
6590 東証プライム
8,310
11/22 15:30
-240(%)
時価総額 116,107百万円
半導体製造装置やFPD製造装置、真空応用装置等を手掛ける製造装置メーカー。研磨後洗浄装置、高温リン酸エッチング装置などで高シェア。配当性向35%目途。次世代・先端半導体対応装置の開発・販売などに注力。 記:2024/07/28
6762 東証プライム
1,875.5
11/22 15:30
-6.5(%)
時価総額 3,645,709百万円
大手電子部品メーカー。1935年創業。二次電池などエナジー応用製品が主力。スマホ内臓バッテリーで世界トップシェア。海外売上高比率は9割超。高収益事業の強化図る。中計では27.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/08/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6966 東証プライム
763
11/22 15:30
-7(%)
時価総額 150,566百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
6967 東証プライム
5,255
11/22 15:30
-22(%)
時価総額 710,329百万円
半導体パッケージメーカー。フリップチップタイプパッケージが主力。長野県長野市に本社。海外売上比率が高い。セラミック静電チャック等も。プラスチックBGA基板は生産能力増強図る。光電融合デバイスの開発に注力。 記:2024/09/02
6976 東証プライム
2,149
11/22 15:30
-60.5(%)
時価総額 279,838百万円
電子部品メーカー。積層セラミックコンデンサ等のコンデンサが主力。インダクタや通信用デバイス、アルミニウム電解コンデンサ等も。自動車、情報インフラ・産業機器が注力市場。インダクタや複合デバイスは売上順調。 記:2024/06/11
7011 東証プライム
2,309
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 7,789,753百万円
総合重機国内最大手。1884年創立。各種発電システムや航空機用エンジン、物流機器、製鉄機械、特殊車両等を手掛ける。ガスタービンで世界トップシェア。中期経営計画では27.3期売上高5.7兆円以上目標。 記:2024/09/03
7012 東証プライム
6,282
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 1,054,886百万円
総合重機大手。二輪車や航空機、鉄道車両、造船、各種発電設備プラント、油圧機器・油圧装置等を手掛ける。ウェハ搬送ロボットで世界トップシェア。1878年創業。エネルギー・環境ソリューション分野などに注力。 記:2024/10/20
9,067
11/22 15:30
-31(%)
時価総額 921,117百万円
半導体機器の製造、販売等を行うSCREENセミコンダクターソリューションズが中核の持株会社。バッチ式洗浄装置やスピンスクラバーなどで世界トップシェア。配当性向30%以上目安。DX推進による生産性向上図る。 記:2024/08/22
7911 東証プライム
4,026
11/22 15:30
+22(%)
時価総額 1,283,110百万円
大手印刷会社。印刷で2強。マーケティングやコンテンツ等の情報関連、包装資材や建装材、ディスプレイ、半導体関連も手掛ける。DXや半導体関連が堅調。海外のパッケージや建装材も回復傾向。アフリカにも進出。 記:2024/07/28
8001 東証プライム
7,581
11/22 15:30
-4(%)
時価総額 12,015,051百万円
1858年創業の大手総合商社。繊維、金属、食料、機械、エネルギー・化学品、住生活分野などで事業展開。伊藤忠エネクス、伊藤忠食品などを傘下に持つ。総還元性向50%目途。川下ビジネスの開拓・進化等に取り組む。 記:2024/08/30
8002 東証プライム
2,395.5
11/22 15:30
+6.5(%)
時価総額 4,015,766百万円
大手総合商社。芙蓉グループ。生活産業、食料・アグリ、素材産業、エナジー・インフラソリューション、社会産業・金融分野などで事業展開。みずほリースと資本業務提携。総還元性向は30%~35%程度が目安。 記:2024/08/30
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8058 東証プライム
2,646.5
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 11,059,771百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,663
11/22 15:30
+64(%)
時価総額 14,375,561百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
8801 東証プライム
1,257
11/22 15:30
+11.5(%)
時価総額 3,534,336百万円
大手総合デベロッパー。オフィスビル、商業施設等の賃貸が主力。連結子会社に三井不動産レジデンシャル、三井不動産リアルティ、東京ドームなど。データセンター事業の強化図る。27.3期純利益2700億円以上目標。 記:2024/08/30
8802 東証プライム
2,108.5
11/22 15:30
+18(%)
時価総額 2,680,485百万円
総合不動産大手。三菱グループ。新丸の内ビルディングなど東京・丸の内エリアでオフィスビルを多数保有。住宅事業や投資マネジメント事業等も。配当性向30%程度目処。再開発プロジェクトの推進、事業化等に取り組む。 記:2024/07/07
9022 東証プライム
3,104
11/22 15:30
+10(%)
時価総額 3,197,120百万円
国鉄民営化で誕生した東海地盤の鉄道会社。東海道新幹線が収益の柱。ジェイアール名古屋タカシマヤ等の流通業、不動産業、ホテル業等も。東海道新幹線は個室を導入予定。台湾高鐵から技術コンサルティングを受託。 記:2024/06/04
9201 東証プライム
2,413
11/22 15:30
+23(%)
時価総額 1,054,828百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9432 東証プライム
156
11/22 15:30
-0.9(%)
時価総額 14,125,849百万円
国内最大の通信会社。NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータグループなどを傘下に持つ。研究開発部門を有する点が特徴。データセンターを拡張。コンシューマ通信事業では顧客基盤の強化を推進。 記:2024/10/10
9433 東証プライム
5,030
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 11,024,985百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。ローソンへのTOBは成立。au PAYカードの会員数が944万人を突破するなど金融事業は順調。 記:2024/06/04
558.8
11/22 15:30
-2.2(%)
時価総額 898,002百万円
電力事業を行う東京電力グループの事業持株会社。福島第一原発の廃炉作業や賠償・除染事業に重点。電気代の値上げは寄与するが、原油高や節電進み環境厳しい。柏崎刈羽原子力発電所7号機は再稼働の時期を見通せず不透明。 記:2024/07/13
9503 東証プライム
1,850
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,736,656百万円
関西地盤の電力会社。国内電力業界2位。発電量に占める原発依存度が高い。情報通信事業、総合不動産事業等も手掛ける。高浜原発3、4号機は運転期間延長認可。中計では26.3期経常利益3600億円以上目標。 記:2024/06/17