マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/24 10:13:01
15,227,385
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は3日続伸、「リフレトレードの反動の反動」どこまで持続?

2021/8/10 12:11 FISCO
*12:11JST 日経平均は3日続伸、「リフレトレードの反動の反動」どこまで持続?  日経平均は3日続伸。85.69円高の27905.73円(出来高概算5億6000万株)で前場の取引を終えている。  日本の3連休中、米国では6日発表された7月雇用統計で雇用者数が市場予想を上回る大きな伸びを示した。新型コロナウイルス・デルタ型の感染拡大が懸念され、NYダウは6日と9日の2日間で計37ドル高とやや伸び悩んだが、10年物国債利回りは労働市場の回復を好感して1.3%台まで上昇(債券価格は低下)。連休明けの東京市場では金融株や好業績銘柄を中心に買いが先行し、日経平均は66円高からスタートした。寄り付き後も上げ幅を広げ、前場中ごろには一時28128.61円(308.57円高)まで上昇したが、その後急失速して前場を折り返した。  個別では、米長期金利の上昇を受けて三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といったメガバンク株が買われ、ソフトバンクG<9984>やトヨタ自<7203>は小じっかり。新型コロナの飲み薬について年内に100万人分以上の供給体制を整える方針と伝わった塩野義<4507>は4%近く上昇した。決算発表銘柄では自社株買い実施が好感されたNTT<9432>などに買いが入り、業績上方修正の三井金<5706>は急伸。チャームケア<6062>はストップ高水準での買い気配が続いている。一方、レーザーテック<6920>が売買代金トップで4%超の下落。今期は増益率が鈍化する見通しとなっており、ネガティブ視した売りが出た。任天堂<7974>やソニーG<6758>も軟調で、郵船<9101>は小安い。住友鉱<5713>は決算発表による材料出尽くし感から売りがかさみ、りらいあ<4708>などが東証1部下落率上位に顔を出している。  セクターでは、空運業、陸運業、医薬品などが上昇率。一方、その他製品、非鉄金属、金属製品などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の70%、対して値下がり銘柄は25%となっている。  連休明けの日経平均は上げ幅を300円超に広げる場面もあったが、その後急失速する格好となった。米長期金利の上昇に伴い金融株が堅調で、好業績銘柄にも買いが入っている。一方、商品市況の弱含みにより関連銘柄が軟調となっており、このところ賑わっている海運株もやや利益確定売り優勢。個人・機関投資家ともに積極売買していたレーザーテックの下落は市場センチメントにも影響を与えそうだ。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまり。新興市場ではマザーズ指数が+0.40%と続伸。年初来安値(1040.58pt、取引時間中)に迫る1050pt近辺では下げ渋っているが、下降する5日移動平均線に上値を抑えられる形での下落トレンドを脱しきれていない。  米7月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比94.3万人増(市場予想は87万人程度の増加)、失業率が5.4%(市場予想5.7%、前回5.9%)、平均時給が前月比0.4%増(市場予想0.3%増)という内容だった。また、6月の雇用者数も85万人増から93.8万人増に上方修正され、市場関係者からは労働市場の順調な回復を好感する声が多く聞かれた。  もっとも、例年なら夏季休暇に入る教育分野はコロナ禍によりサマースクールに参加する学生が多く、雇用者数の増加に寄与したという。「通常の季節的な増員・解雇パターンが歪められた」ことから、8月分も見極めたいなどといった慎重な見方も少なくないようで、統計発表後のNYダウ伸び悩みにつながっていると考えられる。  また、9日発表の米6月雇用動態調査(JOLTS)でも求人数は高水準となっているが、雇用統計における労働参加率は61.7%(前回61.6%)と伸び悩んでいる。「求職者サイドは時給15ドル未満の仕事に見向きもしなくなっている」などといった話が伝わっており、失業給付の上乗せが順次失効すれば労働市場に復帰してくるとの見方が市場では大勢。しかし、度々当欄で指摘しているとおり、失業長期化やコロナ禍による産業シフトは構造的な労働需給ギャップの要因として残りそうだ。実際、先行して失業給付の上乗せが失効した州でも労働参加率の改善は限られるとの報告がある。今のところ「回復ペース」に焦点が当たっているが、「頭打ちライン」が意識されてきたときの市場反応は気掛かりである。  とはいえ、先週末の当欄でも述べたが、2~3月ごろまでの「リフレトレード」の反動が既に5~6カ月に及び、先週あたりから日本株の株価指数先物に短期筋とみられる買い戻しがそろり入るなど、「反動の反動」の兆しも見え始めていた。米10年物国債利回りが6日、9日と続伸したのを見ると、堅調な米雇用が「リフレトレードの反動の反動」を後押しした面もあるだろう。しかし、米10年物国債利回りは1.3%前後がトレンド転換なるかどうかの節目とみられており、この水準を上抜けてくるかどうか見極めたいといった声がある。軟調な商品市況を見ると、景気の先行き期待が高まっているようにも思えない。  東京株式市場でも上値を抑える要因はなお多い。かねて指摘しているとおり、市場全体の信用買い残や日経レバETF<1570>の純資産総額はヒストリカルで見てかなりの高水準になっているが、裁定残はネット買い越しと昨年に比べ買い戻し余地に乏しい。また、先週1週間でジャスダックのシンバイオ<4582>が-40.7%、マザーズのサーキュ<7379>が-28.1%となるなど、従前賑わっていた新興株が相次ぎ急落し、個人投資家の資金余力を低下させているようだ。さらに、ヘッジファンドや商品投資顧問(CTA)といった海外短期筋の先物買い戻しは、このところ先物売買が全体として低調だけに、影響がやや強めに出ていると考えた方がいいだろう。本日の日経平均の乱高下もそれを裏付ける。  これらを考慮すると、「リフレトレードの反動の反動」が日本株の戻りを一段と後押しするかどうか、慎重に見極める必要があるだろう。さて、アジア市場では中国・上海株や香港株が小動き。今週も11日の米7月消費者物価指数(CPI)など重要な経済指標の発表があり、国内企業の決算発表もなお多い。後場の日経平均は上値の重い展開になるとみておきたい。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 16件
4507 東証プライム
2,094.5
11/22 15:30
+35.5(%)
時価総額 1,863,334百万円
製薬会社大手。1878年創業。抗HIV薬、抗インフル薬など感染症分野に強み。自社創薬比率が高い。HIVフランチャイズなどロイヤリティー収入が収益源。国内における急性呼吸器感染症薬の販売拡大などを図る。 記:2024/08/06
4582 東証グロース
255
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 11,709百万円
がん、血液、ウイルス感染症分野がターゲットのバイオベンチャー。抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」が主力。トレアキシンの処方患者数は3.7万人超。アデノウイルス感染症など抗ウイルス薬BCVのグローバル開発推進。 記:2024/08/19
1,463
7/26 15:00
±0(%)
時価総額 94,858百万円
コールセンター大手。コールセンターやメールを通して、顧客企業にカスタマーサービス、マーケティング支援、市場調査、販促活動などを提供。公益関連や官公庁と取引実績。バックオフィス事業好調で、23.3期は増収。 記:2023/05/26
5706 東証プライム
4,772
11/22 15:30
+57(%)
時価総額 273,827百万円
1874年創業の非鉄金属大手。機能材料部門、金属部門が柱。亜鉛に強み。半導体パッケージ基板向け極薄銅箔、二輪用触媒などで世界トップシェア。機能材料部門では既存分野の深耕、環境貢献製品の創出等に取り組む。 記:2024/08/10
5713 東証プライム
3,823
11/22 15:30
-41(%)
時価総額 1,111,782百万円
総合非鉄素材メーカー。1590年創業。住友グループの源流。資源開発、銅など非鉄金属の製錬、機能性材料の製造・販売等を行う。材料事業では車載用電池材料の需要が底堅い。資源部門では菱刈鉱山が順調な操業継続。 記:2024/07/02
1,238
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 40,497百万円
介護付有料老人ホームの運営等を行う介護事業が主力。首都圏、近畿圏で展開。不動産事業、人材派遣、人材紹介等も。居室数は5900室超。既存ホームは高い入居率維持。中計では26.6期売上高650億円目指す。 記:2024/06/24
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7379 東証グロース
648
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 5,472百万円
経営課題解決支援のプロシェアリングコンサルティングサービス、プロ人材によるDX支援等のFLEXYサービスが主力。クラウドワークスと資本業務提携。クロスセルの強化によるDX領域の案件獲得などに注力。 記:2024/09/03
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,663
11/22 15:30
+64(%)
時価総額 14,375,561百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9432 東証プライム
156
11/22 15:30
-0.9(%)
時価総額 14,125,849百万円
国内最大の通信会社。NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータグループなどを傘下に持つ。研究開発部門を有する点が特徴。データセンターを拡張。コンシューマ通信事業では顧客基盤の強化を推進。 記:2024/10/10
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17