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日経平均は4日ぶりに大幅反落、懸念材料は日本だけでなく海外にも・・・

2021/7/28 12:10 FISCO
*12:10JST 日経平均は4日ぶりに大幅反落、懸念材料は日本だけでなく海外にも・・・  日経平均は4日ぶりに大幅反落。321.45円安の27648.77円(出来高概算5億1246万株)で前場の取引を終えている。  前日27日の米株式市場でのNYダウは85.79ドル安(-0.24%)と6日ぶりに反落。6月耐久財受注速報値が予想を下回ったことで景気回復への懸念につながった。また、米疾病管理予防センター(CDC)がワクチン接種完了者に対しても一部の地域で室内でのマスク着用を推奨する方針に転じると報じられ、新型コロナ・デルタ株流行への警戒感も重しとなった。加えて、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を明日に控えた持ち高調整の売りも目立ち終日軟調推移となった。決算を控えた主要ハイテク株も売られ、ナスダックも1.21%安と6日ぶりに反落した。米株安の流れを受けて日経平均は295.23円安の27674.99円でスタート。200日移動平均線を意識した底堅さがしばらく見られたが、前場中頃からは下げ幅を300円以上に拡げ、27600円台での推移となった。  個別では、決算や業績予想の引き上げを手掛かりにシマノ<7309>、日清粉G<2002>、三菱自<7211>、メルコ<6676>などが大きく上昇。先日第1四半期業績予想の上方修正を発表していたKOA<6999>は、修正値通りの着地となった一方、上半期業績予想として新たに前年同期比7.4倍となる営業利益を示したことに加え、未定だった中間配当の実施を示したことで大幅高となった。そのほか、日本製鉄<5401>やJFE<5411>などの鉄鋼株が大きく続伸している。  一方、塩ビなど生活環境基盤材料がけん引する形で市場予想を上回る第1四半期決算となった信越化<4063>は、軟調な地合いの影響もありもみ合いの末下落。今期営業利益予想がほぼ市場予想並みにとどまったGenky DrugStores<9267>は短期的な材料出尽くしで利益確定売りに押された。上半期実績および上方修正後の通期計画値も市場予想を上回り、配当予想の増額も発表したキヤノンMJ<8060>は、先日のキヤノン<7751>の業績上方修正後に株価が上昇していたこともあり、短期的な出尽くし感から売られた。アマノ<6436>も第1四半期営業損益は黒字転換となったもののサプライズか感に乏しく、パーキングシステム事業の回復遅延を警戒視する動きから下落した。  そのほか、中国政府の規制強化の動きを受けたソフトバンクG<9984>や、SUMCO<3436>、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、ルネサス<6723>などの半導体関連株、日本電産<6594>、ファーストリテ<9983>、エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>など主力どころが大きく下落している。  セクター別では金属製品、サービス業、情報・通信業などが下落率上位に並んでいる一方、鉄鋼、石油・石炭製品、繊維製品などが上昇率上位に並んでいる。東証1部の値下がり銘柄は全体の73%、値上がり銘柄は21%となっている。  日経平均は引き続き200日移動平均線を意識したもみ合いが継続。前日の米株市場がハイテク株を中心に大きく下落したなかでも下げ渋り、同線が支持線として引き続き意識されてきているようだ。バリュエーション面でもこの水準では割安感があるため、当面はこの水準が下値メドとなりそうだ。しかし、懸念要素には事欠かず、堅調な米株市場がもう一段崩れるようなことがあると、短期的には再び下に突っ込む可能性も捨てきれないため安心できる状況でもないだろう。  中国政府はテック企業に加えて教育費高騰を抑える目的で教育産業にまで規制強化の手を伸ばし、ここ最近、中国企業の株価下落が目立ってきている。中国企業の米国預託証券(ADR)の値動きを示す米ナスダックのゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は直近3営業日の下落率が約19%と過去最大を記録し、2月中旬に付けた高値から半値近くまで下げた。米国市場での中国株だけでなく、上海総合指数や深セン総合指数、香港ハンセン指数なども足元下落ぶりが目立つ。中国に依存したビジネスを展開する日本企業は多く、今回の一連の件が直接的な影響を及ぼさずとも、中国株安が日本株安を連想させる効果は十分に働きそうだ。  また、前日に国際通貨基金(IMF)は改定した世界経済見通しで2021年の成長率見通しを発表した。全体の予想値は6.0%と前回4月の予測から据え置いているが、ワクチン接種進展の格差を反映して、先進国の多くの予想が引き上げられた一方、新興国の多くは引き下げられた。  こうした中、我が国日本はどうかというと、予想が引き上げられた多くの先進国とは反対にむしろ前回より引き下げられてしまった。地域別でみると、けん引役は米国で、21年の成長率は前回予測から0.6ポイント高い7.0%、22年も1.4ポイント上方修正されて4.9%となっている。また、ユーロ圏の成長率見通しは21年が0.2ポイント高い4.6%、22年は0.5ポイント高い4.3%と揃って上方修正された。対して、日本については、相次ぐ緊急事態宣言の影響もあり、21年の成長率見通しは0.5ポイント低い2.8%に引き下げられた。  景気敏感株の多い日本株にとって、景気見通しの引き下げは痛い。少なくとも、これでは積極的な買いは期待できないだろう。マクロ経済の見通しを基に投資戦略を立てるグローバルマクロ系のファンドなどは日本株の投資比率を引き下げる可能性があり、憂うべき事態だ。一部の外資証券では、ここ半年近い間の日本株の欧米対比での軟調ぶりを背景に、割安感が出てきたとして投資判断を「売り」から「中立」に引き上げたとも伝わっているが、指数が切り上がるほどの買いが入ってくるとは想定しにくい。  そのほか、世界での新型コロナ・デルタ株の流行も依然気懸かり。ワクチン接種が先進国の中でもいち早く進んだ英国でも、1日当たりの新型コロナ死者数が3月以来の多さになったと伝わっている。コロナ感染が米国や欧州でさらに広がるとなると、株価の大幅な調整が再び入る可能性もあろう。  また、市場予想を上回る決算を発表する企業が相次ぐ米国でも、好決算が素直に好感されているものばかりではない。四半期ベースで過去最高の売上高および最終利益を叩き出したテスラの株価は、CEOのマスク氏が世界的な供給網の混乱や半導体不足を強調したことが嫌気され、下落した。アップルも4-6月期では過去最高の売上を記録したものの、部品不足に加え、新型コロナ感染防止で部分的に残る行動制限がビジネスを年内圧迫し続けると見込まれ、株価は決算発表後に下落している。  好決算を受けて株価が素直に上昇しているものの多くは、グーグルを傘下にもつアルファベットや、ツイッター、スナップチャットなど部材不足の影響がない、広告ビジネスを展開する企業などだ。日経平均やTOPIX(東証株価指数)といった指数が上昇していくためには、比率の高い製造業の株価上昇が欠かせないが、これまでの安川電機<6506>、日本電産、信越化学などの株価反応を見ていると、今回の4-6月期決算シーズンでは、こうした展開は見込めそうにない。  全体が底上げされていくには、ワクチン接種が一段と進展することで感染拡大に歯止めがかかり、政局不透明感も払拭されていると予想される秋頃に、7-9月決算が発表され、ここで業績予想の上方修正が相次ぐことが必要と考える。そうしたシナリオを考えると、やはり日経平均の上値は当面重いと言わざるを得ないだろう。 《AK》
関連銘柄 23件
2002 東証プライム
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日清製粉、日清製粉ウェルナなどを傘下に持つ持株会社。1900年創業。国内小麦粉販売シェアトップ(重量ベース)。家庭用製品でも国内トップシェア商品多数。豪州製粉事業、インドイースト事業の業績回復施策を推進。 記:2024/07/29
2413 東証プライム
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時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
3436 東証プライム
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時価総額 438,769百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
4063 東証プライム
5,649
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+53(%)
時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
5401 東証プライム
3,125
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+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
9,824
11/22 15:30
+288(%)
時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6436 東証プライム
4,226
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 323,957百万円
就業情報システム・給与計算システム、パーキングシステム機器等の時間情報システム事業が主力。1931年創業。集塵機等の環境関連システム事業も。情報システムのソフト・クラウド事業等を成長ドライバーに位置付け。 記:2024/10/12
6506 東証プライム
4,157
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-70(%)
時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6676 東証スタンダード
2,183
11/22 15:30
+21(%)
時価総額 33,400百万円
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2,012
11/22 15:30
-3(%)
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大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
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時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
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±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6999 東証プライム
998
11/22 15:30
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7211 東証プライム
439.3
11/22 15:30
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時価総額 654,681百万円
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7309 東証プライム
21,335
11/22 15:30
+360(%)
時価総額 1,906,922百万円
自転車部品大手。スポーツ自転車向けに強く、変速機やブレーキ等で世界トップシェア。リール、ロッドなど釣具も手掛ける。1921年創業。大阪府堺市に本社。自転車部品はロードバイク向けコンポーネントの需要が堅調。 記:2024/10/21
7751 東証プライム
5,054
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時価総額 6,740,838百万円
精密機器大手。1937年設立。オフィス複合機やレンズ交換式カメラ、FPD露光装置などで世界トップシェア。バランスの取れた事業構造が強み。海外売上比率は7割超。商業印刷、産業印刷分野はラインアップ強化図る。 記:2024/10/21
8035 東証プライム
22,250
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4,720
11/22 15:30
-28(%)
時価総額 524,298百万円
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3,140
11/22 15:30
+30(%)
時価総額 97,324百万円
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9983 東証プライム
49,020
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+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
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時価総額 12,621,377百万円
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