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後場に注目すべき3つのポイント~景気後退・円高が重荷、利上げ減速期待を裏切りそうな材料も

2022/7/29 12:20 FISCO
*12:20JST 後場に注目すべき3つのポイント~景気後退・円高が重荷、利上げ減速期待を裏切りそうな材料も 29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日続伸、景気後退・円高が重荷、利上げ減速期待を裏切りそうな材料も ・ドル・円は上げ渋り、買い一巡後は失速 ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は3日続伸、景気後退・円高が重荷、利上げ減速期待を裏切りそうな材料も 日経平均は3日続伸。129.07円高の27944.55円(出来高概算5億6644万株)で前場の取引を終えている。 28日の米株式市場でダウ平均は332.04ドル高(+1.03%)と大幅続伸。4-6月期国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となったことで景気後退を警戒した売りが先行したが、大幅な利上げを回避できるとの期待から買い戻しも目立ち、上昇に転じた。下院が半導体業界支援法案を可決したほか、政府の環境問題支援策を巡る進展なども好感され、引けにかけて上げ幅を拡大した。ナスダック総合指数は+1.08%と続伸。米国株の続伸を受けて日経平均は99.74円高からスタート。しかし、前日同様、寄り付き直後に28001.80円まで上昇した後は戻り待ちの売りから失速し、28000円割れ。ただ、決算を発表したアップルとアマゾン・ドット・コムが揃って良好な内容から時間外取引で株価が大幅に上昇していたこともあり、日経平均は下落に転じることはなく、その後はもみ合いとなった。 個別では、通期計画を上方修正したアドバンテスト<6857>が大幅に上昇し、レーザーテック<6920>なども上昇。エムスリー<2413>は前日の急伸に続いて大幅高。ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>、リクルートHD<6098>、メルカリ<4385>、ベイカレント<6532>など値がさ株、グロース(成長)株が総じて高い。アンリツ<6754>は決算を手掛かりに急伸、OLC<4661>も決算が安心感に繋がって上昇。一方、決算を発表したところで、ルネサス<6723>が急落し、村田製<6981>やキーエンス<6861>も下落。東邦チタニウム<5727>は上半期計画を上方修正も出尽くし感から急落、大阪チタ<5726>も連れ安へ。ほか、日産自<7201>も決算を材料に大幅安で、円高・ドル安が進むなかマツダ<7261>、SUBARU<7270>なども安い。 セクターではサービス、鉱業、石油・石炭が上昇率上位となった一方、医薬品、食料品、ゴム製品が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体40%、対して値下がり銘柄は56%となっている。 本日も日経平均は心理的な節目の28000円を手前に上値の重い展開。米連邦公開市場委員会(FOMC)直後に上昇しても翌日以降に失速することが多かった米株式市場は、今回は2日目の前日もしっかりと続伸した。また、GAFAM決算で最後に残っていたアップルとアマゾンが共に予想を上回る決算を発表したことで、時間外取引のナスダック100先物も大きく上昇している。そうした追い風がある中でも、日経平均が28000円を明確に超えられないのは気になる動きだ。 また、気掛かりな要素は他にもある。米4-6月期GDPは2四半期連続でマイナス成長となった。欧州や米国での経済指標の下振れが相次いでおり、悪化ペースも速い。一段と景気後退懸念が強まっていることで、米10年債利回りの低下基調も続いている。グローバル景気敏感株とも称される日本株が、これだけ景気後退懸念が強まるなか、そしてこれから欧米諸国が景気後退を迎えようとする中、買われづらくなるのは当然なのかもしれない。 日本株の底上げに繋がってきた為替も、一時1ドル=139円まで進んだドル・円は足元で134円台にまで下落してきている。貿易赤字を通じた実需筋による円売り・ドル買いもあるため、大幅な円高・ドル安は想定しにくいが、投機筋による売買も多いため、ポジション調整が続けば、節目の130円くらいまでは下落余地があると考えられる。少なくとも、これまで独自の日本株高の背景として挙げられてきた円安・ドル高に明確なピークアウト感が見られていることは懸念材料で、欧米対比での日本株の底堅さが見られることはなくなっていく可能性が高いだろう。 力強い動きが続いている米国株も、主要株価3指数は前日時点で遂に100日移動平均線近辺まで戻してきた。今年前半のリバウンド局面ではいずれもこの100日線が戻り一服の目処になってきたことで、そろそろ売り方の買い戻しも一巡してくる頃合いと考えられる。FOMC結果公表があった当日には買い戻しだけでなく、軽い新規買いも入っていたとの声も聞かれたが、当日の株式取引量は過去3回のFOMC当日の取引量と比較して25~35%程少なかった。決算発表が本格化する中でのFOMCとしてはかなり少ないといえる。株式市場は上に行きたがっている様子が窺えるものの、そのエネルギーは余力に乏しそうだ。 企業決算もテクノロジー株が底堅い一方、日本株全体との連動性が高い景気敏感株については軟調なものが多い印象。特に上値の重いのが半導体を中心とした電子部品周り。米インテルの4-6月期決算は市場予想を大きく下回り、通期計画も下方修正された。東京市場でも、ルネサスが好調な決算ながらも需要ピークアウトへの警戒感から本日、株価が急落している。鉱工業生産の動向から代わりに自動車の挽回生産なども期待されるが、指数インパクトの大きい銘柄は電気機器セクターに多いため、こうした点も、日本株全体の重荷になる。 また、気掛かりなのはやはり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速への期待感を高めつつある市場の動向だ。パウエルFRB議長が今後の利上げ幅は「経済データ次第」としたことで、市場は足元の景気指標の下振れを利上げペース減速の根拠として捉えているが、経済データは景気指標だけでない。むしろ、FRBは依然としてインフレ抑制を最優先事項として掲げているわけであるから、物価指標の影響の方が大きいだろう。 その物価指標では、今晩、米6月個人消費支出(PCE)コアデフレータが発表される。投資家の物価指標の注目は既に7月分に移っているため、波乱材料にはならないだろう。しかし、一方でその次回7月分を巡っては懸念要素が出てきている。前日に発表されたドイツの7月消費者物価指数(CPI)は欧州連合(EU)基準で前年同月比+8.5%となり、前月(+8.2%)から加速、低下を見込んでいた市場予想(+8.1%)に反して大幅に上昇した。 欧州ではロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプラインの稼働問題などを背景に天然ガスの価格が急騰していることもあるが、米国でも猛暑に伴う冷房需要を背景に天然ガスの価格は大幅に上昇している。さらに、強気派が挙げていた資源価格の下落も、その後ほとんど進んでいない。むしろ、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト、9月物)原油先物価格は14日に一時1バレル=88ドルまで下落した後は、足元で再び100ドルを窺う水準まで戻している。さらに、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、4月21日高値3.02%から7月6日安値2.29%まで大幅に低下した後、実は足元では2.48%へと大きく上昇に転じてきている。 こうしたところから、インフレピークアウトを先取りしすぎた動きには危うさが伴い、米国の7月CPIが近づく場面では、警戒が必要だろう。一方で底入れ感が強まっているマザーズ指数の構成銘柄では、メドレー<4480>やクラウドワークス<3900>など年初来高値を更新している個別株も多い。こうした銘柄群は、今後再び相場が調整した際でも、底堅さが意識され、次回のリバウンド局面では真っ先に高値を更新することが期待される。先行き慎重ながらも個別株の選別を極めていくことが重要なタイミングと言えそうだ。 ■ドル・円は上げ渋り、買い一巡後は失速 29日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り、134円台前半から半ばに上昇後、正午にかけて値を下げた。仲値にかけて国内勢のドル買いが強まり、一時134円64銭まで値を切り上げた。ただ、買い一巡後は米利上げペース鈍化の思惑から、ドル買いは縮小している。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は134円24銭から134円64銭、ユーロ・円は136円84銭から137円27銭、ユーロ・ドルは1.0185ドルから1.0204ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ドリコム<3793>、Branding Engineer<7352>など、3銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・7月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+2.3%(予想:+2.2%、6月:+2.1%) ・日・6月有効求人倍率:1.27倍(予想:1.25倍、5月:1.24倍) ・日・6月失業率:2.6%(予想:2.5%、5月:2.6%) ・日・6月鉱工業生産:前月比+8.9%(予想:+4.2%、5月:-7.5%) 【要人発言】 ・日銀金融政策決定会合・主な意見(7月20-21日開催分) 「物価安定目標の実現に向け、現在の金融緩和を継続することが適当」 「2%の物価目標は安定・継続的に達成すべきもの」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 23件
2413 東証プライム
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時価総額 952,056百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
3793 東証グロース
811
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時価総額 23,770百万円
スマホ向けゲームアプリの企画・開発・運用等を行うゲーム事業が主力。ライトノベルレーベル「DREノベルス」などのコンテンツ事業も展開。新規自社配信タイトル「悪魔王子と操り人形」を24年6月にリリース。 記:2024/08/29
3900 東証グロース
1,490
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+32(%)
時価総額 23,473百万円
国内最大級のクラウドソーシングサイト「クラウドワークス」の運営を行う。ビジネス向けSaaS事業「クラウドログ」等も手掛ける。登録クライアント数は97万社超。サーキュレーションを持分法適用関連会社化。 記:2024/06/18
4385 東証プライム
1,812
12/27 15:30
+40(%)
時価総額 297,221百万円
国内最大のフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」、スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」なども手掛ける。「メルカリ ハロ」の登録ユーザ数は800万人超。越境取引、BtoCは順調に拡大。 記:2024/11/10
4480 東証プライム
3,790
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+30(%)
時価総額 124,081百万円
人材採用システム「ジョブメドレー」など医療・介護領域に特化した人材紹介サービスを手掛ける。調剤薬局向けシステム「Pharms」等も。グッピーズを連結子会社化。ジョブメドレーは従事者会員数が順調に増加。 記:2024/10/24
4661 東証プライム
3,455
12/27 15:30
+54(%)
時価総額 6,282,748百万円
東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの運営等を行うテーマパーク事業が主力。ホテル事業や商業施設「イクスピアリ」の運営等も。テーマパーク事業は海外ゲストの回復などで順調。25.3期は2桁増収計画。 記:2024/07/02
1,881
12/27 15:30
+54(%)
時価総額 69,221百万円
スポンジチタンのトップメーカー。兵庫県尼崎市に本社。低酸素球状チタン粉末や高純度チタン等の高機能材料事業も展開。神戸製鋼所等が主要取引先。配当性向25%~35%目安。球状チタン合金粉末等の拡販図る。 記:2024/09/02
5727 東証プライム
1,072
12/27 15:30
+24(%)
時価総額 76,403百万円
チタンメーカー。スポンジチタンやチタンインゴッド、高純度チタンの提供に加え、プラスチック等の製造用触媒等を手掛ける。ENEOSホールディングスの連結子会社。金属チタンは航空機向け等堅調。中国向け製品は低調。 記:2024/10/28
11,465
12/27 15:30
+225(%)
時価総額 18,915,439百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6367 東証プライム
18,650
12/27 15:30
+335(%)
時価総額 5,466,576百万円
空調・冷凍機事業が主力。1924年創業。エアコン世界首位。フッ素化学製品等の化学事業、酸素濃縮装置の製造・販売等も。海外売上比率が高い。アプライド空調事業、業務用空調ソリューション事業の拡大に注力。 記:2024/11/09
6532 東証プライム
5,341
12/27 15:30
+46(%)
時価総額 830,050百万円
大手経営コンサルティング会社。全体戦略や事業戦略の立案など経営課題を解決するサービスを提供。24年9月に持株会社に移行、M&A推進。採用活動を積極化。コンサルタントの増加により人件費増も案件拡大で堅調。 記:2024/10/31
2,065
12/27 15:30
+39(%)
時価総額 3,862,820百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6754 東証プライム
1,439
12/27 15:30
+19(%)
時価総額 195,518百万円
通信用計測器、測定システムの製造・販売等を行う通信計測事業が主力。1895年創業。自動重量選別機、EV・電池向け試験装置等も。ネットワーク高速化向け測定需要は順調。27.3期売上高1400億円目標。 記:2024/11/26
6857 東証プライム
9,447
12/27 15:30
+352(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
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64,560
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時価総額 15,701,508百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
15,250
12/27 15:30
+200(%)
時価総額 1,437,862百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置、レーザー顕微鏡なども。1960年創業。24年9月に新製品「SiCウェハ欠陥検査/レビュー装置SICA108」を発表。 記:2024/11/11
6954 東証プライム
4,162
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時価総額 4,142,934百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6981 東証プライム
2,565.5
12/27 15:30
+78.5(%)
時価総額 5,106,918百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。京都府長岡京市に本社。積層セラミックコンデンサはスマホ向けなどが順調。 記:2024/11/09
7201 東証プライム
509.2
12/27 15:30
-43.2(%)
時価総額 2,149,188百万円
大手自動車メーカー。1933年設立。仏ルノー、三菱自動車とアライアンス形成。プロパイロットなど自動運転化技術等に強み。日本は電動車のモデルミックス向上、中国では日産ブランド車のラインナップ刷新図る。 記:2024/10/07
7261 東証プライム
1,090
12/27 15:30
+3(%)
時価総額 688,666百万円
1920年創業の自動車メーカー。広島県安芸郡府中町に本社。トヨタと資本業務提携。人気車種にクロスオーバーSUV「CX-5」など。高効率エンジン等に強み。北米市場は販売順調。25.3期は販売台数増を見込む。 記:2024/08/30
7270 東証プライム
2,823
12/27 15:30
+37.5(%)
時価総額 2,128,265百万円
1917年創業の中堅自動車メーカー。北米の販売台数比率が高い。トヨタと資本業務提携。アイサイトなどに特徴。航空機の中央翼などの製造を行う航空宇宙事業も手掛ける。28年、米国でBEV販売40万台目標。 記:2024/10/10
7352 東証グロース
865
12/27 15:30
+32(%)
時価総額 37,450百万円
フリーランスエンジニアと企業を繋ぐマッチングサービス「Midworks」が主力。マーケティングプラットフォームサービス等も手掛ける。エンジニアプラットフォームサービスでは新規案件の獲得などに注力。 記:2024/10/26
9983 東証プライム
54,690
12/27 15:30
+1,440(%)
時価総額 17,403,506百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25