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日経平均は小幅に4日続伸、「パウエルラリーの続きを日本株で」

2021/9/2 12:25 FISCO
*12:25JST 日経平均は小幅に4日続伸、「パウエルラリーの続きを日本株で」  日経平均は小幅に4日続伸。24.99円高の28476.01円(出来高概算5億5000万株)で前場の取引を終えている。  1日の米株式市場でNYダウは小幅に3日続落し、48ドル安となった。雇用サービス会社ADPの8月雇用統計で非農業部門雇用者数(政府部門除く)が前月比37.4万人増と市場予想(60万人程度の増加)を大幅に下回ったほか、9月相場入りで利益確定売りも根強く出た。一方、10年物国債利回りの伸び悩みなどからハイテク株比率の高いナスダック総合指数は0.3%上昇し、過去最高値を更新。本日の東京市場でも値がさ株を中心に買いが先行し、日経平均は71円高からスタートすると、寄り付き直後には一時28626.20円(175.18円高)まで上昇した。ただ、前日までの3日間で既に800円あまり上昇していたことから、上値では利益確定の売りが出て、前日終値を挟みもみ合う展開となった。  個別では、東エレク<8035>などの半導体関連株が堅調で、レーザーテック<6920>は3%超、ルネサス<6723>は4%超の上昇。ルネサスの柴田英利社長が一部メディアの取材で、半導体の安定供給へ集中投資すると話したことが伝わっている。任天堂<7974>やソフトバンク<9434>も上昇。フジ<8278>はMV西日本<8287>との経営統合が好感され、東京機<6335>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、公募増資の実施を発表したJR西<9021>が15%を超える下げで東証1部下落率トップ。JR東<9020>などの他の鉄道株や、やはりコロナ禍の影響が大きいH.I.S.<9603>などの旅行関連株にも警戒した売りが波及しているようだ。JFE<5411>と日本製鉄<5401>が揃って3%超下落し、郵船<9101>や商船三井<9104>といった海運株もさえない。  セクターでは、金属製品、その他製品、情報・通信業などが上昇率上位。一方、陸運業、鉄鋼、空運業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の32%、対して値下がり銘柄は62%となっている。  本日の日経平均は4日続伸して始まったものの、買いが一巡すると伸び悩んで前場を折り返した。前日までの上昇幅の大きさに加え、日足チャート上で28300円近辺に位置する75日移動平均線を上回ってきたことなどから、目先の利益を確保する売りが出やすい局面ではあるだろう。1日先行する形で75日線水準を回復していたマザーズ指数も、その後上値の重い展開となっている。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりと前日並みの賑わい。  直近で買われる場面のあった鉄道などの経済再開関連銘柄だが、JR西の公募増資実施で累積ダメージの大きさや先行き不透明感が意識されるだろう。そもそも超長期視点で収益見通しと投資計画を組む鉄道各社には、短期的なコロナ禍の影響のみならず、中長期的な社会変化の影響が重くのしかかりそうだ。海運株なども市況下落で軟調。一方、ルネサス柴田社長への取材記事などを手掛かりに半導体関連株は堅調で、日経平均を押し上げている。東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、東証株価指数(TOPIX)は-0.21%。  マザーズ市場では本日、モビルス<4370>とメディア総研<9242>が新規上場。モビルスは公開価格を43.0%、メディア総研は7.1%それぞれ上回る初値を付けたが、個人投資家の初値買いへの警戒感は根強く残っている印象を受ける。9月下旬はIPO(新規株式公開)が多いため、やや気掛かりな状況だ。  さて、一昨日の当欄で述べたとおり、米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて「ラリー継続」への期待を高めた市場参加者だが、ナスダック総合指数が高値更新基調の一方で、経済指標の相次ぐ予想下振れなどからNYダウは伸び悩みとなっている。半面、日本株は自民党総裁選や党役員人事絡みの観測報道が相次いだ8月31日の後場以降、久々に国内要因で米国株に比べ強い値動きを見せてきた。実際、証券会社のデスクには国内政治の今後の見通しに関する問い合わせが多く寄せられているという。現物株の売買が増加しただけでなく、先物手口を見ても全員参加とまでは言えないものの、海外勢の循環的な買いが観測される。  さすがに米国株の高値警戒感が拭えないなか、政局の流動化が政策期待を高め、日本株の出遅れ修正を見越した買いが入っているのだろう。さながら「パウエルラリーの続きを日本株で」といった様相だ。従来の予定どおり9月29日投開票で実施される公算となった総裁選、その後の衆議院解散・総選挙にかけてこうした思惑が続く可能性もあるだろう。  もっとも、政治に関心を持つ者として私見を述べれば、8月31日にかけて断続的に出ていた観測報道は一部勢力のリークに基づくものだが、党内の根回しが十分になされていない印象を受けた。実際、菅義偉首相は9月1日の記者会見で観測報道の出ていた9月解散を否定。前日まで相次いでいた「政権幹部筋」とする報道もぱったり止んだ。真偽のほどをよく見極める必要があるかもしれない。  最後に、ADP雇用統計が予想下振れとなったものの、最近の傾向から想定内と受け止め、週末の政府版雇用統計を見極めたいという市場参加者が多いようだ。週末にかけて日米市場とも様子見ムードが強まる可能性がある。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 17件
4370 東証グロース
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時価総額 1,906百万円
有人チャットシステム「MOBI AGENT」、AI電話自動応答システム「MOBI VOICE」等のSaaSサービスが主力。テクマトリックスと資本業務提携。MOBI AGENTはユーザー企業数を伸ばす。 記:2024/06/07
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
6335 東証スタンダード
350
11/22 15:30
-5(%)
時価総額 3,055百万円
国内最大手の新聞印刷機メーカー。1874年創業。国内主要新聞社などが主要取引先。商業印刷用輪転機、自動化・省力化機器等も手掛ける。新規事業の拡大等に注力。自律走行清掃ロボットを西尾レントオールと共同開発。 記:2024/06/29
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8278 東証プライム
2,052
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時価総額 178,231百万円
愛媛県地盤のスーパーマーケットチェーン。イオングループ。四国4県と広島県、山口県で店舗展開。外食やフィットネス、移動スーパー、ネットショップも。27.2期営業利益160億円目標。既存店の活性化等に注力。 記:2024/10/24
2,671
2/24 15:00
+371(%)
時価総額 140,439百万円
兵庫・中四国で食品スーパーを展開するイオンの地域子会社。今年3月に四国流通大手のフジと経営統合し、持株会社体制へ。22.2期3Q累計は巣籠もり消費一巡。子会社再編に伴う繰延税金資産計上し、最終益は増益に。 記:2022/02/12
9020 東証プライム
2,780
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 3,153,665百万円
国内最大、世界でも最大級の鉄道会社。関東、甲信越、東北までの1都16県が営業エリア。流通・サービス事業、不動産・ホテル事業等も。ホテル、ショッピングセンターは売上順調。28.3期営業利益4100億円目標。 記:2024/06/04
9021 東証プライム
2,795.5
11/22 15:30
+29(%)
時価総額 1,364,212百万円
大手鉄道会社。近畿、北陸、中国、九州北部が鉄道営業エリア。山陽新幹線、北陸新幹線などを運行。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業も展開。高付加価値の不動産アセット拡充など不動産事業の拡大図る。 記:2024/08/01
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9242 東証グロース
1,264
11/22 13:40
+20(%)
時価総額 1,555百万円
高専生向け就活イベントが主力。高専生向け就職・進学情報サイト「高専プラス」の運営、理工系大学生向け就活イベント等も。2Q、3Qに売上が偏重する傾向。高専生サービスの安定化、理工系企画の拡充等に取り組む。 記:2024/06/07
9434 東証プライム
193.7
11/22 15:30
+0.8(%)
時価総額 9,235,495百万円
通信キャリア大手。個人向けモバイルサービス、ブロードバンドサービスの提供等を行うコンシューマ事業が主力。メディア・EC事業等も手掛ける。コンシューマ事業では付加価値サービスの拡充等で収益拡大を図る。 記:2024/08/05
9603 東証プライム
1,838
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 146,785百万円
旅行会社大手。海外旅行に強み。「変なホテル」等の運営を行うホテル事業も。九州産業交通HDなどを傘下に収める。ハウステンボスは22年に譲渡。26.10期売上4300億円目標。グローバルマーケットの強化図る。 記:2024/06/09