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後場に注目すべき3つのポイント~利上げの影響は今後不動産市場に影響与える?

2023/3/27 12:32 FISCO
*12:32JST 後場に注目すべき3つのポイント~利上げの影響は今後不動産市場に影響与える? 27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は反発、利上げの影響は今後不動産市場に影響与える? ・ドル・円はもみ合い、方向感が定まらず ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はKDDI<9433> ■日経平均は反発、利上げの影響は今後不動産市場に影響与える? 日経平均は反発。85.92円高の27471.17円(出来高概算4億7682万株)で前場の取引を終えている。 前週末24日の米国株式市場のダウ平均は132.28ドル高(+0.41%)と続伸。ドイツ銀行のデフォルト保証料の上昇をきっかけとした欧州金融不安の再燃が米国内金融への懸念に波及し、下落スタート。その後、複数のアナリストがドイツ銀はクレディ・スイスと違い過去8四半期黒字を計上しており柔軟性があると楽観的なレポートを発表したため懸念が緩和、相場は上昇に転じた。終盤にかけて金融混乱は制御可能と注意深く楽観的な見方も広がり、上げ幅を拡大して終了。ナスダック総合指数も続伸、主要株価指数がプラス圏で終了した米株市場を横目に、3月27日の日経平均は前週末比97.14円高の27482.39円と反発でスタート、その後はもみ合い展開となっている。 個別では、川崎汽船<9107>などの海運株、三菱商事<8058>、住友商事<8053>など商社株の一角、JAL<9201>やANA<9202>などの空運株が堅調に推移。JR東<9020>やJR西<9021>などの鉄道株が大幅上昇、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>、ファーストリテ<9983>、NTT<9432>なども上昇した。ほか、新たな株主還元方針を高評価された岡三<8609>がストップ高買い気配、収益予想上方修正で一転大幅増益見通しにとなった西華産業<8061>が急騰、ユーザーローカル<3984>、ブレインパッド<3655>などが東証プライム市場の値上がり率上位に顔を出した。 一方、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテ<6857>などの半導体関連株が軟調に推移、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>など金融株の一角も下落。メルカリ<4385>、リクルートHD<6098>、ソニーG<6758>、東芝<6502>なども下落。そのほか、業績予想の下方修正を発表した新電元<6844>が大幅下落、ペッパーフードサービス<3053>、冨士ダイス<6167>、ギークス<7060>などが東証プライム市場の値下り率上位に顔を出した。 セクターでは陸運業、不動産業、卸売業が上昇率上位となった一方、銀行業、鉱業、電気機器が下落した。東証プライムの値上がり銘柄は全体の71%、対して値下がり銘柄は25%となっている。 本日の日経平均は、米株高の流れを受けてやや買いが先行。ただ、過度な金融システム不安が和らいだとはいえ、引き続き市場の様子見ムードは根強いことから、積極的な動きは限定的となっている。 一方、新興市場は軟調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落してスタートした後、マイナス圏での軟調な展開が続いている。欧米で銀行の経営不安がくすぶっており外部環境の不透明感が強い点は引き続き個人投資家心理の重しとなった。また、新興市場では新規株式公開(IPO)ラッシュが始まっており、既存の新興銘柄には換金売り圧力としてマイナスに作用している可能性がある。前引け時点での東証マザーズ指数は0.34%安、東証グロース市場Core指数は0.59%安となった。 さて、直近の株式市場はやや堅調に推移している。まず、米連邦準備制度理事会(FRB)が米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けて新設した緊急融資枠の利用が、前週比4.5倍の536億ドル(約7兆円)に増加したと発表。緊急融資は、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を担保に最長1年の資金を提供するため、借り入れする金融機関にとっては経営の安定化につながる。これが金融不安を和らげる効果となっ た。 また、「銀行への一時的な融資によるもの」という理由でFRBのバランスシートは直近で上昇している。さらに、日米欧の6中央銀行は前週に中銀が協調して市場へのドル供給を強化すると発表、ドルを1週間の期間で市場に供給する公開市場操作(オペ)の回数を週次から日次に増やすことで合意した。少なくとも4月末まで継続する予定で、市場にドルが供給されることになった。そのほか、パウエル議長が利上げサイクルの終了に近づいたことを示唆したことも個人投資家心理を改善させる要因となった。 一方、銅価格が再度上昇しており、今後の物価高には注意する声もある。パウエル議長も年内の利下げを見込んでいないとも発言しており、積極的に買い進む動きにはなっていない。ただ、現状は株価を押し上げる要因の方が強く、やや右肩上がりの上昇につながっている可能性がある。 そのほか、米銀行破綻に続いて不動産市場への警戒も強まっており、金利引き上げによる最も深刻な影響が出るのは不動産市場という声も聞かれている。住宅ローン金利の高騰により不動産需要が激減、中でも欧州の不動産市場が心配されているようだ。金利上昇で不動産市場が不調となり、不動産が元になっている取引が多いクレジット市場が混乱し、負の連鎖が世界の金融市場全体に波及する想定である。欧州市場の金利は14年ぶりの高水準となっているなか、欧州中央銀行(ECB)はさらに0.5%の利上げを決定していた。これらが不動産市場にさらなるストレスがかかるのは確実とみられており、今後上述の負の連鎖が欧州市場から始まる可能性があるという。 さて、今後も先行き不透明感はくすぶるだろうが、金融システム不安についてのピークは過ぎたとみられている。株式市場は、4月末まではやや底堅い動きとなる可能性があるが、5月以降は想定外の動きが出てくる可能性があろう。筆者は、目先は底堅い動きを想定し、長期的には欧州不動産市場の動向や金融不安などの再燃、更なるネガティブ材料の浮上によって株価が下落するシナリオを想定して相場を見守っている。前週月曜日の当欄で紹介したが、既存金融システムを警戒する投資家は暗号資産ビットコインをポートフォリオに組み込むか一考する必要があるだろう。後場の日経平均は、プラス圏での推移が続くか。個別材料株への物色が継続するか注目しておきたい。 ■ドル・円はもみ合い、方向感が定まらず 27日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。130円53銭から131円05銭まで値を上げる場面もあったが、おおむね130円後半で方向感の乏しい値動きとなった。米10年債利回りと米2年債利回りは底堅いものの、上値が重く、ドル買いは仕掛けづらいようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は130円53銭から131円05銭、ユーロ・円は140円59銭から141円09銭、ユーロ・ドルは1.0754ドルから1.0781ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・阿波製紙<3896>、VALUENEX<4422>の、7銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はKDDI<9433> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・3月製造業PMI速報値:49.3(予想:47.0、2月:47.3) ・米・3月サービス業PMI速報値:53.8(予想:50.3、2月:50.6) ・米・3月総合PMI速報値:53.3(予想:49.5、2月:50.1) ・カナダ・1月小売売上高:前月比+1.4%(予想:+0.7%、12月:+0%) ・米3月カンザスシティ連銀サービス業活動指数:-4(2月:1) 【要人発言】 ・ラガルドECB総裁 「物価と金融安定を巡りどちらかを優勢となることはない」 「ユーロ圏の銀行システムは強い」 <国内> ・14:00 1月景気動向指数・先行改定値(速報値:96.5) <海外> 特になし 《CS》
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6167 東証プライム
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6502 東証プライム
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6758 東証プライム
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6844 東証プライム
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6857 東証プライム
9,198
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センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
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半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置、レーザー顕微鏡なども。1960年創業。24年9月に新製品「SiCウェハ欠陥検査/レビュー装置SICA108」を発表。 記:2024/11/11
7060 東証スタンダード
385
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7203 東証プライム
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8035 東証プライム
24,185
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世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向は50%目処。海外売上高比率が高い。積極的な設備投資を継続。 記:2024/12/20
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8058 東証プライム
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大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。地球環境エネルギーは収益順調。原料炭事業の操業安定化図る。 記:2024/12/20
8061 東証プライム
4,850
12/30 15:30
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1,846
12/30 15:30
+13.5(%)
時価総額 24,518,563百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。金利上昇で利ザヤ拡大。ウェルスナビを完全子会社化へ。 記:2024/12/20
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8609 東証プライム
640
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-15(%)
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9020 東証プライム
2,795
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時価総額 3,170,682百万円
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9021 東証プライム
2,797
12/30 15:30
±0(%)
時価総額 1,364,944百万円
大手鉄道会社。近畿、北陸、中国、九州北部が鉄道営業エリア。山陽新幹線、北陸新幹線などを運行。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業も展開。高付加価値の不動産アセット拡充など不動産事業の拡大図る。 記:2024/08/01
9107 東証プライム
2,254.5
12/30 15:30
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時価総額 1,522,175百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。ドライバルクセグメントでは運航コスト削減、配船効率の向上図る。 記:2024/11/27
9201 東証プライム
2,492.5
12/30 15:30
-19.5(%)
時価総額 1,089,581百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9202 東証プライム
2,865.5
12/30 15:30
-9.5(%)
時価総額 1,387,744百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
9432 東証プライム
158
12/30 15:30
+0.2(%)
時価総額 14,306,950百万円
国内最大の通信会社。NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータグループなどを傘下に持つ。研究開発部門を有する点が特徴。データセンターを拡張。コンシューマ通信事業では顧客基盤の強化を推進。 記:2024/10/10
9433 東証プライム
5,042
12/30 15:30
-17(%)
時価総額 11,051,288百万円
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9983 東証プライム
53,820
12/30 15:30
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時価総額 17,126,654百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25