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サイオス Research Memo(2):OSS、クラウド領域に注力し、先進的な新製品・サービスの開発を進めるIT企業

2020/4/1 15:02 FISCO
*15:02JST サイオス Research Memo(2):OSS、クラウド領域に注力し、先進的な新製品・サービスの開発を進めるIT企業 ■会社概要 1. 会社沿革 サイオス<3744>はLinuxに代表されるOSSを活用したITシステム開発領域での事業展開を目的に1997年に設立された。その後、国内外でM&Aを活用しながら事業領域を拡大してきた。2006年には米国でIT企業の株式を取得し、海外への進出を果たしたほか、2008年にクラウドサービスの開発販売を行う(株)グルージェントを子会社化、また、2015年には金融市場への事業展開を目的にKPSとPCIを子会社化した。2017年10月には持株会社体制に移行し、既存事業に関しては新たに設立したサイオステクノロジー(株)に承継している。2019年12月末時点で主な連結子会社5社、持分法適用関連会社1社、連結従業員数は443名となっている。 2. 事業内容 事業セグメントは、オープンシステム基盤事業とアプリケーション事業に区分されている。各事業の概要については以下のとおり。 (1) オープンシステム基盤事業 オープンシステム基盤事業は、ITシステムの障害時のシステムダウンを回避するソフトウェア「LifeKeeper」や、Linux OSで世界標準となっている「Red Hat Enterprise Linux」(Red Hat, Inc.の主力製品である企業向けサーバーOS)を始めとしたRed Hat, Inc.関連商品、OSS技術に関するサポートサービスやOSS関連商品、クラウド上のアプリケーション障害時の自動監視・回復・通信を行う「SIOS AppKeeper」、各種情報システム向けのコンサルティングサービス等が含まれる。このうち、「LifeKeeper」は米子会社が開発した製品で、国内だけでなく海外でも販売されている。 (2) アプリケーション事業 アプリケーション事業は、MFP向けソフトウェア製品や、G-Suite※1及びMicrosoft Office 365※2に連携した業務用クラウドサービス「Gluegentシリーズ」のほか、2015年に子会社化したKPS、PCIの事業が含まれる。KPSは主に証券会社向けの業務用アプリケーションの開発販売や、従業員のモチベーションを「見える化」するITツール「Willysm(ウィリズム)」のサービスを提供している。また、PCIは地方銀行やインターネット銀行を主要顧客とし、主にALMシステム※3の開発、導入・運用支援サービスを行っている。地方銀行向けのALMシステムでは同社のほか、3社(日鉄ソリューションズ<2327>、データ・フォアビジョン(株)、日本ユニシス<8056>)で寡占状態となっている。 ※1 Googleがサブスクリプション方式で提供しているクラウドコンピューティング生産性向上グループウェアツール。 ※2 マイクロソフトがクラウドサービスによってサブスクリプション方式で提供するMicrosoft Office製品群。 ※3 ALM(Asset Liability Management)銀行の資産・負債を総合的に管理するソフトウェア製品。 3. 同社の特徴と強み 同社の特徴と強みは、国内で先駆してOSSをベースとした事業展開をしてきたことで、OSSに関する技術や運用ノウハウなどの知見が深いことが挙げられる。OSSに携わる技術者のレベル、あるいは運用サポート体制は顧客企業からも高く評価されており、競合他社の追随を許さない。同社の主要顧客としてNTT<9432>グループやトヨタ自動車<7203>など日本を代表する大企業が名を連ねていることからも、その評価の高さがうかがえる。競合はNEC<6701>や富士通<6702>など大手IT企業となるが、これら企業は自社開発製品が主力でOSS関連製品は傍流となるため、あまり注力していない。また、OSS分野を専門にサポートしている競合はほとんど見当たらない。 Linuxディストリビューター(商用Linuxの配布・サポートを行うことに特化した企業)として世界最大のRed Hat, Inc.とは創業時より緊密な連携関係にあり、「Red Hat Enterprise Linux」を始めとする関連商品の販売・サポートで同社は国内最大規模の代理店となっている。Javaを使ったシステム開発も設立当初より手掛けており、その技術基盤をベースとして、リコー<7752>のMFP向けソフトウェア製品を2009年に開発、事業化しており、アプリケーション事業の主力製品に育っている。 なお、同社の商流はOSSのシステム開発やサポートサービス、子会社のKPSやPCIを除けば、間接販売が大半を占めており、主に大塚商会<4768>などSI事業者を経由して最終顧客に販売されている。2019年12月期実績で見ると、大塚商会向けの売上構成比率が全体の25.2%を占めている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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6701 東証プライム
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大手ITサービス会社。システム構築やコンサル、サポート等のITサービスと、テレコムサービスや航空宇宙防衛の社会インフラが柱。通信インフラで国内トップ。今期3Q累計はITサービスと航空宇宙防衛が堅調に推移。 記:2024/03/09
6702 東証プライム
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時価総額 4,825,682百万円
国内最大、世界有数のITサービス企業。通信インフラやストレージ、サーバー、電子デバイスを展開。官公庁、金融向けに強み。24.3期2Qは小幅増収。サービスソリューションが売上下支え。コンサル等の需要が拡大。 記:2024/01/16
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7752 東証プライム
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時価総額 830,940百万円
事務機器大手。商業印刷機も。エッジデバイスの技術力等が強み。海外売上比率は6割超。デジタルサービス部門は売上堅調。国内はインボイス制度対応等の業務パッケージの販売が増加。24.3期3Q累計は2桁増収。 記:2024/02/11
8056 東証プライム
3,939
5/15 15:00
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時価総額 431,966百万円
SI大手。金融向けに強み。大日本印刷が筆頭株主。24.3期3Q累計はDX関連のシステム開発やサービスが堅調。ソフト、機器の販売も好調で二桁増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。配当性向4割目安。 記:2024/02/09
9432 東証プライム
156.7
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時価総額 14,189,235百万円
国内最大の通信会社。傘下にNTT東西、NTTドコモ、NTTデータなど。グローバル事業を強化。総合ICT事業は増収。通信端末機器販売収入、システムインテグレーションサービス収入が増加。24.3期3Qは増収。 記:2024/04/14