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後場に注目すべき3つのポイント~パウエル会見と市場反応のギャップから感じること

2022/7/28 12:21 FISCO
*12:21JST 後場に注目すべき3つのポイント~パウエル会見と市場反応のギャップから感じること 28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は続伸、パウエル会見と市場反応のギャップから感じること ・ドル・円は軟調、米引き締め鈍化の見通しで ・値上がり寄与トップはエムスリー<2413>、同2位がファナック<6954> ■日経平均は続伸、パウエル会見と市場反応のギャップから感じること 日経平均は続伸。88.46円高の27804.21円(出来高概算5億8787万株)で前場の取引を終えている。 27日の米株式市場でダウ平均は436.05ドル高(+1.37%)と大幅反発。主要ハイテク企業の決算が警戒された程には悪化せず、投資家心理が改善し、上昇して始まった。議会上院が半導体産業支援法案を可決したことも寄与。その後、連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.75ptの利上げが決定。あく抜け感が台頭したほか、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が消費や雇用の減速を認識し、今後の利上げペースについて慎重な姿勢を示したため、引けにかけて買い戻しに拍車がかかった。ナスダック総合指数は+4.06%だった。日経平均は193.40円高からスタートし、寄り付き直後に28015.68円まで上昇。しかし、そこからはすぐに伸び悩み失速。前場中ごろにはマイナスに転換し、一時27651.99円(63.76円安)まで下げた。ただ、前引けにかけては下げ渋って再びプラスに転じた。 個別では、決算が好感された信越化<4063>とファナック<6954>が買われ、三菱自<7211>とエムスリー<2413>、ビーグリー<3981>はそれぞれ急伸し、揃って東証プライム市場の値上がり率上位に並んだ。中部電力<9502>も好決算を手掛かりに急伸し、東京電力HD<9501>、レノバ<9519>、イーレックス<9517>など電気・ガスセクターが連れ高。原油先物相場の上昇を背景にINPEX<1605>も上昇。ほか、リクルートHD<6098>、ZHD<4689>、メルカリ<4385>などグロース(成長)株が高い。Sansan<4443>はレーティング格上げ観測で大幅に上昇。 一方、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、アドバンテスト<6857>、新光電工<6967>、三井ハイテック<6966>などが米ハイテク・グロース株高に乗り切れず下落。Vコマース<2491>、小糸製作所<7276>、サイバー<4751>は決算を受けて急落。ほか、太平洋工業<7250>、カゴメ<2811>、JCRファーマ<4552>なども決算が売り材料視された。 セクターでは電気・ガス、鉱業、サービスが上昇率上位となった一方、保険、医薬品、建設が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体38%、対して値下がり銘柄は56%となっている。 本日の日経平均は朝方28000円突破後に失速して一時マイナス転換。ここ最近の朝安後に切り返す底堅い動きとは対照的な動きとなっている。直近の株価上昇は、決算シーズン前の買い戻しに加えて、商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型の短期筋による追随買いが演出したわけだが、日経平均で28000円を超えてまで買い上がる向きは少ないようだ。本日の動きを見る限り、CTAなどは既に買い余力をほとんど残しておらず、むしろ28000円達成を機に利益確定売りに転じている様子。 一方、前場の日経平均はその後プラス圏に再浮上し、依然200日移動平均線上での推移になっているほか、一応上値と下値を切り上げているため、まだ基調が大きく崩れたわけではない。しかし、前日のナスダックを中心とした米ハイテク・グロース株の大幅高に素直に乗り切れないあたり、相場の脆弱性を再認識する形になった。 米株市場も、前日は非常に大幅な上昇となったが、この勢いがこのまま続くとは言い切れない。実際、今年はFOMC直後に上昇しても、翌日以降に下落基調に転じることが度々あったため、市場関係者の間でも、昨晩の米株高を素直に受け止めているものは少ない。 昨日の米国株の上昇自体もいいとこ取りの気がしてならない。パウエルFRB議長は会見で、足元の米経済状況の軟化を認め、利上げペースが鈍化する可能性を示唆した。相場はこれを受けてポジティブに反応したわけだが、パウエル議長は今後のデータ次第では0.75ptの大幅利上げが続くともはっきりと言っている。 また、パウエル議長はインフレ圧力の抑制が最優先課題と強調している。目標の達成を妨げ得るようなリスクが出現した場合には政策を調整するとも言及(利上げ幅拡大?)。そして、米経済が景気後退に陥っているとは考えていないとし、「非常に力強い労働市場」をその証拠に挙げたほか、「需要はなお力強く、経済は年内成長を続ける軌道に依然としてある」とも述べた。 つまり、今後の消費者物価指数(CPI)や雇用統計での平均賃金の伸びなど、データ次第では、下手をしたら先日の欧州中央銀行(ECB)のように利上げ幅拡大のタカ派サプライズが待ち構えている可能性もあるわけだ。次回の9月会合の利上げ幅としては0.25~1.00ptまで幅広く可能性があり、政策動向を巡る不確実性は解消されていないといえる。市場の「景気後退に伴う利上げ鈍化・年内利上げ停止・来年利下げ」というシナリオはあまりに楽観的な印象を拭えず、パウエル議長の会見内容とはギャップを感じる。 ネガティブな要素を無視した足元の株価上昇に持続性があるとは考えにくく、8月に入ってから出てくるCPIや雇用統計のデータ発表が近づくタイミングでは、再び売りが強まってくる可能性に留意したい。 後場の東京市場はもみ合いか。FOMC直後の米株高が持続的なものなのかを見極めたいとの思惑は強く、今晩以降の米国市場を確認するまでは動きづらい展開が続く。また、今晩の米国市場ではアップルとアマゾン・ドット・コムの注目決算も控えている。後場は様子見ムードが広がりやすいだろう。 ■ドル・円は軟調、米引き締め鈍化の見通しで 28日午前の東京市場でドル・円は136円半ばから135円付近まで値を下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を受け今後の引き締め鈍化の思惑が広がり、ドル売りに振れやすい地合いに。また、米株式先物の下げ幅拡大で、今晩の株安を警戒した円買いがドルを下押しした。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は135円11銭から136円58銭、ユーロ・円は137円92銭から139円41銭、ユーロ・ドルは1.0180ドルから1.0215ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・fonfun<2323>、ワンダープラネット<4199>など、6銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはエムスリー<2413>、同2位がファナック<6954> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・豪・6月小売売上高:前月比+0.2%(予想:+0.5%、5月:+0.9%) 【要人発言】 ・チャーマーズ豪財務相 「豪インフレ率は2022年第4四半期に7.75%でピークアウトの見通し」 ・雨宮日銀副総裁 「実質金利は低下傾向、緩和効果は従来より高まっている」 「手を緩めることなく金融緩和を継続する必要」 「賃金上昇見込みも、物価の上昇率を上回るとは想定していない」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 28件
1605 東証プライム
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時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
2323 東証スタンダード
848
11/22 14:14
-14(%)
時価総額 3,010百万円
SMS配信サービス「バンソウSMS」、Webメールサービス「リモートメール」などのクラウドソリューション事業が主力。DXソリューション事業も展開。SaaS事業のサービスを強化。26.3期売上20億円目標。 記:2024/09/01
2413 東証プライム
1,425
11/22 15:30
-12.5(%)
時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
2491 東証プライム
1,150
11/22 15:30
+17(%)
時価総額 39,642百万円
アフィリエイト広告等のマーケティングソリューションズ事業、ECモール向けクリック課金型広告等のECソリューションズ事業が主力。アフィリエイトサイト数は78万件超。金融カテゴリーの売上構成比率が高い。 記:2024/10/27
2811 東証プライム
3,022
11/22 15:30
+16(%)
時価総額 285,177百万円
トマト加工品中心の国内加工食品事業が柱。1899年創業。トマトケチャップやトマトジュース、野菜果実ミックスジュースで国内トップシェア。総還元性向40%目指す。食品カテゴリーは焼きケチャップ等の販促を強化。 記:2024/07/01
3981 東証スタンダード
1,317
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 8,250百万円
コミック配信サービス「まんが王国」が主力。小説投稿サービス「ノベルバ」等も手掛ける。日本テレビと資本業務提携。まんが王国の会員数は850万人超。積極的な販促活動により、課金者数及び顧客単価の向上図る。 記:2024/10/24
4063 東証プライム
5,649
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
4199 東証グロース
770
11/22 15:30
+4(%)
時価総額 1,997百万円
スマートデバイス向けアプリ・ゲームの企画・開発・運営などを行うエンターテインメントサービス事業を展開。ハイブリッドカジュアルゲーム市場に注力。有力IPタイトルなど3本の新規タイトルの開発が進行中。 記:2024/06/07
4385 東証プライム
2,097.5
11/22 15:30
+29.5(%)
時価総額 344,051百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4443 東証プライム
2,016
11/22 15:30
+47(%)
時価総額 254,238百万円
営業DXサービス「Sansan」、インボイス管理サービス「Bill One」等を手掛ける。Sansanは契約件数が9400件超。Bill Oneの有料契約件数は2600件超。Bill Oneは高成長続く。 記:2024/06/07
4552 東証プライム
724
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 93,893百万円
遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」が主力。ムコ多糖症II型治療薬「イズカーゴ」等も手掛ける。メディパルHDが筆頭株主。血液脳関門通過技術を適用した新薬の研究開発などに取り組む。 記:2024/08/01
4689 東証プライム
415
11/22 15:30
-3.4(%)
時価総額 2,967,084百万円
ヤフー、LINEなどの再編で2023年に誕生。グループ会社にアスクル、出前館、PayPay、ZOZOなど。LYPプレミアムは有料会員の拡大図る。「LINE Pay」は25年4月末に国内サービスを終了予定。 記:2024/06/28
4751 東証プライム
1,008.5
11/22 15:30
-4.5(%)
時価総額 510,648百万円
インターネット広告事業が主力。運用型広告で国内首位。検索連動型広告に強み。ABEMA等のメディア事業、ゲーム事業、投資育成事業等も手掛ける。ABEMAはスポーツコンテンツの拡充、マネタイズを強化。 記:2024/08/26
9,824
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+288(%)
時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
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4,114
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時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6966 東証プライム
763
11/22 15:30
-7(%)
時価総額 150,566百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
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5,255
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-22(%)
時価総額 710,329百万円
半導体パッケージメーカー。フリップチップタイプパッケージが主力。長野県長野市に本社。海外売上比率が高い。セラミック静電チャック等も。プラスチックBGA基板は生産能力増強図る。光電融合デバイスの開発に注力。 記:2024/09/02
7211 東証プライム
439.3
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 654,681百万円
SUV・4WD技術に強みを持つ自動車メーカー。仏ルノー及び日産自動車と提携。海外売上高比率は7割超。アセアンの販売台数比率が高い。26.3期営業利益2200億円目標。アセアンで新商品の連続投入計画。 記:2024/06/17
7250 東証プライム
1,342
11/22 15:30
+9(%)
時価総額 82,282百万円
自動車部品メーカー。プレス・樹脂製品事業が主力。バルブ製品事業、情報関連事業等も。タイヤ用バルブコアなどで世界トップシェア。トヨタなどが主要取引先。軽量化、電動車領域へ高付加価値製品の投入を図る。 記:2024/07/07
7276 東証プライム
1,988.5
11/22 15:30
+34.5(%)
時価総額 612,126百万円
自動車照明器メーカー。1915年創業。トヨタ自動車が筆頭株主。自動車用ヘッドランプで世界トップシェア。航空機器部品、船灯・特殊機器等も手掛けう。配当性向40%以上目安。27.3期売上高1兆円以上目標。 記:2024/07/07
558.8
11/22 15:30
-2.2(%)
時価総額 898,002百万円
電力事業を行う東京電力グループの事業持株会社。福島第一原発の廃炉作業や賠償・除染事業に重点。電気代の値上げは寄与するが、原油高や節電進み環境厳しい。柏崎刈羽原子力発電所7号機は再稼働の時期を見通せず不透明。 記:2024/07/13
9502 東証プライム
1,639.5
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 1,242,741百万円
国内電力3位。中部電力パワーグリッド、中部電力ミライズ等を傘下に持つ。東京電力フュエル&パワーとの合弁で国内最大の発電会社のJERA。連結配当性向30%以上目指す。26.3期経常利益2000億円以上目標。 記:2024/06/09
9517 東証プライム
623
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 46,364百万円
相対や取引所を通じて調達した電力を小売販売。自社でバイオマス発電所も。大口の高圧顧客伸ばす。逆ざや販売も解消。ベトナムなどアジア諸国で発電所建設へ。JFEエンジ等4社引受先に第三者割当増資し財務改善。 記:2024/08/26
9519 東証プライム
800
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 72,950百万円
再エネ発電所を開発・運営。太陽光を軸にバイオマス、洋上風力発電事業も。小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加。東京ガとの間で資本業務提携、第三者割当増資で資本増強。 記:2024/08/26
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8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17