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日経平均は3日続伸、日米ともに足元ハイテク株への回帰が鮮明、半導体は安心感勝る

2021/4/19 12:11 FISCO
*12:11JST 日経平均は3日続伸、日米ともに足元ハイテク株への回帰が鮮明、半導体は安心感勝る  日経平均は3日続伸。64.73円高の29748.10円(出来高概算4億3029万株)で前場の取引を終えている。  前週末の米国株式市場ではNYダウが史上最高値を更新。金融企業の好決算や、予想以上に改善した3月住宅着工件数に加え、米政府が国内のワクチン接種が2億回を突破したと発表したことから市場センチメントが向上した。米10年物国債利回りも1.5%台での低位圏での推移が続き、ナスダック総合指数も小幅ながら上昇した。この米株高の流れを背景に、週明けの日経平均は4.95円高と小幅上昇でスタート。ただ、日米首脳会談を受けた対中国との関係悪化への警戒感などが重しとなり、マイナス圏に沈む場面も見られた。それでも、その後は半導体を中心としたハイテク株や指数寄与度の大きい値がさ株の強含みを背景に下げ渋ると間もなくプラスに転じた。  個別では、業績関連のリリースを背景にマルマエ<6264>、クリナップ<7955>がそれぞれ急伸し、業績予想の上方修正に加えて自社株買いの実施も発表したイワキポンプ<6237>はストップ高買い気配で前場を終えている。また、日本経済新聞にて新工場建設を検討しているとの最高経営責任者(CEO)の発言が報じられたSUMCO<3436>も大幅高。一方、前週末の「複数の買い手候補が関心を示している」との一部報道について否定的なコメントを示したスクエニHD<9684>や、買収合戦に発展する観測が広がっていた東芝<6502>は、詳細な買収案の提示を当面保留することが分かったと報じられたことで、それぞれ期待剥落の形で大幅に下落している。  そのほか、売買代金上位では、レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>、信越化<4063>、日本電産<6594>、ルネサスエレクトロニクス<6723>などが堅調推移、直近IPOの紀文食品<2933>は11%高と急伸している。一方、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、ソニーグループ<6758>、トヨタ<7203>、ファーマフーズ<2929>などが軟調で、暗号資産ビットコイン価格の急落を背景にマネックスG<8698>が大幅に下落している。  セクターでは、海運業、金属製品、パルプ・紙、ガラス・土石製品、化学などが上昇率上位となった。一方、空運業、その他製品、証券・商品先物取引業、その他金融業、鉱業などが下落率上位となっている。東証1部の値上がり銘柄は全体の55%、値下がり銘柄は39%となっている。  本日の東京市場は、前場の売買高が5億株を下回っており前週同様に薄商いにとどまっている。日経平均や東証株価指数(TOPIX)が方向感に欠ける動きのなか、東証2部指数や日経JASDAQ平均、東証マザーズ指数は方向感をもった堅調な値動きとなっており、大型と中小型とで動きがやや分かれている。1部を中心とした主力企業の動きが冴えないのは、これまで同様、今後本格化する決算を見極めたいとする様子見ムードによるものだろう。  しかし、1部企業のすべてが軟調なわけではなく、前週までと同様、半導体を中心としたハイテク株はしっかりとした動きを見せている。先日の安川電機<6506>の決算後の株価反応から、会社計画が市場予想に届かないガイダンスリスクなどは意識されるものの、次世代通信規格「5G」、電気自動車(EV)、デジタルトランスフォーメーション(DX)などが本格化普及していくことを考えれば、業績期待の高さだけでなく、その実体の裏付けによる安心感は大きい。  また、前週のTSMC(台湾積体電路製造)の設備投資計画の上方修正に加えて、週末に日本経済新聞で報道されたSUMCOの新工場建設検討なども刺激材料になっているようだ。もともと、国内では、以前から東京エレクトロンの河合社長が半導体業界の「スーパーサイクル入り」などについて強気の発言をしていたが、今回のSUMCOの橋本会長による「こんなに長い間、半導体が足りないのは初めてだ」との発言は、これまでの経緯とも相まって相当にポジティブなコメントと捉えられる。  今週半ばには半導体露光装置メーカーで世界シェアトップの蘭ASMLの決算が控えている。これが、前週のTSMCのように一層の刺激材料となるかが注目される。一般的に、株価が高値圏にあるところでの好材料は出尽くし感に繋がりやすいが、全体的に手掛かり材料に乏しいなか、半導体業界ほどに強気の材料が長く出続ける業界は珍しく、安心感のある業界としては貴重な存在でもあるため、好材料は素直に好感されるケースが今後も多いのではないかと個人的には予想している(むろん、必ずしも好決算であるとは限らないが)。  また、本日は、村田製作所<6981>やアルプスアルパイン<6770>など半導体以外の電子部品関連株も堅調だ。明日には米国でアップルが、オンラインで「spring loaded」と題した新製品発表会を開催する予定。一部のアナリストは、今年初めてとなるこのイベントで新型アイパッドプロやアイパッドミニなどを発表すると見ているようだ。関連銘柄の堅調さの背景はこれを先回りしての動きとも読める。アップルサプライヤー周辺の電子部品関連株では半導体銘柄に比べて足元の調整色が濃いため、物色も入りやすいようだ。  そのほか、ハイテク以外でも、本日はマザーズ指数がしっかりと推移。時価総額上位も概ね堅調だが、新規株式公開(IPO)銘柄の上場後1年間の平均的な値動きを表す「IPOインデックス」が大幅高となっている。直近IPO銘柄に資金が還流している点をみると個人投資家の物色意欲は旺盛のようだ。今週は、会員制転職プラットフォーム「ビズリーチ」の運営で有名なビジョナル<4194>を含め22日に3社のIPOが予定されているため、直前になっての換金売りには注意が必要だが、個人投資家の物色意欲が引き続き確認されている点はポジティブだ。  米国でも、連日の最高値更新でNYダウの存在が目立っているが、調整色の濃かったナスダック総合指数も1400pt台を回復し、2月16日に付けた最高値(14175.115pt)に迫る好調ぶりをみせている。米長期金利の落ち着きを背景に、日米ともにハイテクを中心としたグロース(成長)株物色への回帰がみられるようだ。ただし、これまでの循環物色の経緯を踏まえると、来週からの決算シーズン本格化を機に、4月に入ってから調整に入っているバリュー(割安)株が再び動意づく可能性も頭に入れておきたいところだ。 《AK》
関連銘柄 22件
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時価総額 27,654百万円
卵黄由来の機能性素材や化粧品、医薬品、抗体試薬の開発、製造等を行う。販売は通信販売と卸売。子会社にフューチャーラボ、明治薬品など。伊藤忠商事と資本業務提携。卵殻膜素材の開発・量産化などに取り組む。 記:2024/10/24
2933 東証プライム
1,121
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 25,592百万円
水産練り製品のトップメーカー。1938年創業。蒲鉾やカニカマ、竹輪等の水産練り製品、中華惣菜、玉子加工惣菜等の製造・販売を行う。海外事業の拡大などに注力。中計では27.3期売上高1203億円目標。 記:2024/09/02
3436 東証プライム
1,253
11/22 15:30
+4.5(%)
時価総額 438,769百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
4063 東証プライム
5,649
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
4194 東証プライム
7,983
11/22 15:30
+40(%)
時価総額 316,462百万円
会員制転職サイト「ビズリーチ」、採用管理や勤怠管理等の「ハーモス」を展開。国内最大級の求荷求車サービス「トラボックス」等も手掛ける。ビズリーチのスカウト可能会員数は258万人超。顧客基盤は順調に拡大。 記:2024/10/25
6237 東証プライム
2,770
11/22 15:30
+65(%)
時価総額 62,300百万円
流体制御機器メーカー。液体移送用ケミカルポンプが主力。流体制御技術と製品バリエーションの豊富さが強み。冷却装置・温調機器、薬液タンク等も手掛ける。半導体・液晶市場、水処理市場など強化市場に経営資源投入。 記:2024/10/22
6264 東証プライム
1,606
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 20,963百万円
半導体・FPD製造装置の部品の開発・製造等を行う。真空チャンバー、排気板、静電チャック等が主要製品。鹿児島県出水市に本社。太陽電池製造装置部品は引き合い継続。消耗品を強化。26.8期売上高120億円目標。 記:2024/10/29
6502 東証プライム
4,590
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時価総額 1,988,103百万円
総合電機大手。持分法会社にキオクシアHD。不正会計や原発巨額損失で陥った経営危機から再建中。JIP連合がTOB発表。TOB価格は1株4620円。TOB成立ならば上場廃止に。24.3期1Qは営業黒字に復帰。 記:2023/09/15
6506 東証プライム
4,157
11/22 15:30
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時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6758 東証プライム
2,948
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-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6770 東証プライム
1,540.5
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 337,802百万円
電子部品のアルプス電気、カーナビのアルパインが経営統合。スイッチや可変抵抗器などコンポーネント事業が主力。タクトスイッチは業界トップクラスのシェア。海外売上高比率が高い。車載用電子部品の拡大等に注力。 記:2024/06/15
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7203 東証プライム
2,664.5
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時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7955 東証プライム
698
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 26,135百万円
住宅設備機器メーカー。システムキッチンやシステムバスルーム、洗面化粧台など住宅設備機器の製造・販売を行う。国内で初めてシステムキッチンを開発。中期経営計画では27.3期売上高1450億円以上目指す。 記:2024/06/25
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8698 東証プライム
1,052
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 271,360百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
6,029
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 738,745百万円
スクウェア・エニックス、タイトーなどを傘下に収める持株会社。ファイナルファンタジー、ドラゴンクエストなどRPGで存在感。配当性向30%が基本方針。開発体制の整備、新作タイトルのデジタル販売強化等に注力。 記:2024/07/05
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25