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後場に注目すべき3つのポイント~戻りの弱さ目立つ、FRBの政策運営は困難極める

2023/3/15 12:30 FISCO
*12:30JST 後場に注目すべき3つのポイント~戻りの弱さ目立つ、FRBの政策運営は困難極める 14日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は4日ぶり反発、戻りの弱さ目立つ、FRBの政策運営は困難極める ・ドル・円は軟調、米金利の上昇一服で ・値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位は東エレク<8035> ■日経平均は4日ぶり反発、戻りの弱さ目立つ、FRBの政策運営は困難極める 日経平均は4日ぶり反発。75.97円高の27298.01円(出来高概算6億9407万株)で前場の取引を終えている。 14日の米株式市場でダウ平均は336.26ドル高(+1.05%)と6日ぶり反発。2月消費者物価指数(CPI)がほぼ予想通りとなったことで買い戻しが先行。銀行破綻を巡る問題について財務省高官が全預金の安全性を強調し、警戒感が後退したことも後押し。一方、利上げ観測再燃による金利上昇や、米軍偵察用無人機とロシア軍戦闘機の衝突に関する報道で一時伸び悩む場面もあった。ただ、終盤にかけては再び買い戻しが強まり、ナスダック総合指数も+2.13%と大幅続伸。米国株高を引き継いで日経平均は199.62円高からスタート。しかし、戻り待ちの売りが上値を抑え、すぐに失速。寄り付き直後から為替の円安が一服したことも重しとなり、一時は27205.59円(16.45円安)と下落に転じる場面があった。その後は再び上昇に転じるも上値は重く、膠着感の強い展開が続いた。 個別では、直近の下落がきつかった銀行・保険が買い戻されており、三菱UFJ<8306>、りそなHD<8308>、東京海上<8766>、第一生命HD<8750>などが大幅高。日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、郵船<9101>、川崎汽船<9107>の海運も大幅に反発。米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の大幅高を受けてレーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>なども高い。中期経営計画の目標値引き上げが好感された三井ハイテック<6966>はストップ高まで買われ、「ChatGPT」関連の会社リリースが材料視されたBBT<2464>もストップ高となった。今期大幅増配と連続2ケタ増益見通しが評価されたアルトナー<2163>も急伸。 一方、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、日本電産<6594>、SMC<6273>など値がさ株の一角が軟調。メルカリ<4385>、ラクス<3923>、Sansan<4443>などのグロース(成長)株は総じて下落が目立つ。第1四半期の低進捗が嫌気されたMSOL<7033>は急落している。 セクターでは銀行、保険、鉄鋼が上昇率上位に並んだ一方、陸運、ゴム製品、鉱業の3業種が下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の86%、対して値下がり銘柄は12%となっている。 前日の米株式市場及び本日の東京市場はリスク回避の動きが一服し、買い戻しが優勢の展開。ただ、ともに先週からの下落率を踏まえれば自律反発の域を出ていないと言わざるを得ない。東京市場の上昇率は特に鈍く、日経平均にいたっては寄り付き直後から失速し、陰線を引いている。 前日に発表された米2月消費者物価指数(CPI)は概ね予想通りで無難に消化。一方、総合ベースでは前年比及び前月比ともに予想に一致したものの、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する食品・エネルギーを除いたコア指数は前年比で予想通りも、モメンタムを示す前月比では+0.5%と予想(+0.4%)を上回った。予想を大きく上回るような結果になってしまうと、足元の米国発の金融システム不安の最中でもFRBがタカ派姿勢を緩められない可能性があっただけに、今回の結果は一先ず市場の安心感につながったが、楽観になるには不十分な内容となった。 しかし、今回のCPIの結果を受けて大幅利上げはなくとも、FRBの利上げ路線が続く可能性が高いことを指摘する声は多い。確かに、米シリコンバレー銀行(SVB)などの経営破綻で雲行きは怪しくなっているが、米国での労働市場の需給逼迫は続いており、根強いインフレ圧力を考慮すると、ここで完全に利上げを止めてしまっては将来のインフレ再燃につながる恐れがある。また、前日のCPIの前月比でのプラスについても、民間データの家賃に対して1年以上の遅行性を伴う住居費の影響するところが大きいとはいえ、一方で、コア指数からさらに住居費を除いたベースでも前月比は+0.2%(1月:+0.2%)と加速が続いている。 今回のSVBの経営破綻も、顧客先や資金運用先が極端に偏っていたという、同社固有の背景が経営破綻の原因とされており、ミクロの問題をマクロの問題と捉えて利上げの完全停止にまで繋げてしまうのは政策運営として誤りになるとの考え方もある。 3月21-22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではいったん利上げ打ち止めの可能性もあるだろうが、その後は市場の落ち着きと追加の経済データを見極めたうえで、再度0.25ポイントの利上げが再開される可能性も考えられる。政策金利見通し(ドットチャート)が示される3月会合の結果を見極めるまでは神経質な地合いが続きそうだ。足元のリバウンドが一過性に終わる可能性は十分に考えられ、今は引き続き守りを固めた方がよいだろう。 ■ドル・円は軟調、米金利の上昇一服で 15日午前の東京市場でドル・円は軟調地合いとなり、134円60銭から134円03銭まで値を下げた。米10年債利回りと米2年債利回りの上昇一服でドル買いは後退し、ユーロや豪ドルなど主要通貨が対ドルで上昇。クロス円はドル・円に追随し、上げ渋った。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は134円03銭から134円60銭、ユーロ・円は144円02銭から144円48銭、ユーロ・ドルは1.0725ドルから1.0759ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・FUJIジャパン<1449>、アルトナー<2163>など、11銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位は東エレク<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・NZ・10-12月期経常収支:-94.58億NZドル(予想:-76.75億NZドル、7-9月期:-114.01億NZドル←-102.05億NZドル) ・中・1-2月鉱工業生産:前年比+2.4%(予想:+2.6%) ・中・1-2月小売売上高:前年比+3.5%(予想:+3.5%) 【要人発言】 ・黒田日銀総裁 「米当局が金融システム安定に必要な対策を講じた」 ・日銀金融政策決定会合(議事要旨) 「2%の物価目標達成には名目賃金の上昇を受けてサービス価格を中心とする基調的物価が十分に上昇することが必要」(ある委員) 「現在は海外経済が減速に向かう局面で、出口を急ぐのは適当でない」(1人の委員) <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 24件
269
11/21 15:23
-3(-1.1%)
時価総額 573百万円
北海道地盤の外壁専門メーカー。外壁材の開発から製造、販売、施工まで行う。住宅関連機器の販売・施工等も。施工実績は6000棟超。自社生産製品等の販売強化で新規顧客の獲得図る。法人向け材料販売の強化に注力。 記:2024/08/09
2163 東証プライム
1,891
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+12(0.64%)
時価総額 20,098百万円
設計開発系の技術者派遣が主力。業務請負・受託等も手掛ける。業種別では輸送用機器、電気機器向け売上比率が高い。ホンダやニコン、ボッシュなどが主要取引先。技術者派遣事業は技術者数が増加。稼働率は高水準。 記:2024/10/22
2464 東証スタンダード
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3923 東証プライム
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+6(0.31%)
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4385 東証プライム
2,068
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+23(1.12%)
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国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4443 東証プライム
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5401 東証プライム
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国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5406 東証プライム
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1905年創業の鉄鋼大手。鋳鍛鋼製品等の素形材、製鉄プラント等のエンジニアリング、油圧ショベル等の建設機械、電力事業等も手掛ける。等方圧加圧装置で世界トップシェア。鉄鋼部門では引き続き価格転嫁を推進。 記:2024/06/18
6273 東証プライム
66,810
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+310(0.47%)
時価総額 4,500,923百万円
空気圧制御機器メーカー。方向制御機器や駆動機器、空気圧補助機器、温調機器等の製造・販売を行う。空気圧機器で世界トップシェア。豊富な品揃えなどが強み。千葉県柏市の新技術センターは25年9月に完成予定。 記:2024/10/04
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-8.5(-0.29%)
時価総額 3,467,991百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6857 東証プライム
9,385
11/21 15:30
-156(-1.64%)
時価総額 7,190,233百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6861 東証プライム
65,680
11/21 15:30
+800(1.23%)
時価総額 15,973,901百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/21 15:30
-140(-0.8%)
時価総額 1,629,262百万円
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6966 東証プライム
770
11/21 15:30
+2(0.26%)
時価総額 151,947百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
1,886
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-4(-0.21%)
時価総額 31,653百万円
プロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)サービスが主力のマネジメント専門企業。マネジメントコンサル、プロジェクトマネジメント実行支援等を行う。人材の積極採用などにより、事業領域の拡大を図る。 記:2024/10/25
8035 東証プライム
21,780
11/21 15:30
-90(-0.41%)
時価総額 10,272,167百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,806
11/21 15:30
-10(-0.55%)
時価総額 23,987,283百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
8308 東証プライム
1,243
11/21 15:30
+22.5(1.84%)
時価総額 2,984,418百万円
りそな銀行を中核とする大手金融持株会社。クレジットカードや信用保証、リース事業等も。埼玉りそな銀行、関西みらい銀行なども傘下に持つ。収益・コスト構造改革の加速図る。26.3期当期純利益1700億円目標。 記:2024/10/28
3,779
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時価総額 3,897,468百万円
第一生命保険を中核とする持株会社。第一フロンティア生命保険、アイペット損害、ベネフィット・ワンなども傘下に持つ。既存進出国の資本効率改善などに取り組む。中期経営計画では27.3期ROE10%程度目標。 記:2024/08/30
5,618
11/21 15:30
-13(-0.23%)
時価総額 11,460,720百万円
メガ損保の一角。東京海上日動火災保険、日新火災海上保険、イーデザイン損害保険などを傘下に収める持株会社。北米を中心とする海外保険事業等も。海外保険事業では競争力の高い商品のグローバル展開などに注力。 記:2024/10/25
9101 東証プライム
5,037
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+9(0.18%)
時価総額 2,322,057百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9107 東証プライム
2,189
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+13.5(0.62%)
時価総額 1,477,952百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9983 東証プライム
48,470
11/21 15:30
-1,190(-2.4%)
時価総額 15,424,172百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,550
11/21 15:30
-96(-1.11%)
時価総額 12,568,457百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17