マーケット
10/9 15:15
39,277.96
+340.42
42,080.37
+126.13
暗号資産
FISCO BTC Index
10/10 1:23:42
9,242,729
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は3日続伸、「それでもインフレ・市場急変懸念は拭えない」

2022/5/17 12:13 FISCO
*12:13JST 日経平均は3日続伸、「それでもインフレ・市場急変懸念は拭えない」  日経平均は3日続伸。53.98円高の26601.03円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。  16日の米株式市場でNYダウは小幅に続伸し、26ドル高となった。原油先物相場の上昇とともに関連銘柄が買われたほか、景気の影響を受けにくいディフェンシブ株の上昇も相場を下支えした。ただ、長期の年限の金利低下にもかかわらずハイテク株を中心に売りが出て、NYダウは一時300ドルあまり上昇してから失速。S&P500指数は-0.39%、ナスダック総合指数は-1.20%となった。本日の日経平均もNYダウ同様、8円高と小幅に上昇してスタート。朝方は前日終値を挟んだもみ合いとなり、26440.62円(106.43円安)まで下落する場面もあったが、香港株高などを受けて前場中ごろを過ぎ一時26709.26円(162.21円高)まで上昇するなど、やや方向感に乏しい展開だった。  個別では、郵船<9101>や川崎船<9107>の上昇が目立ち、東エレク<8035>もしっかり。リクルートHD<6098>は決算を好感した買いが先行するもやや伸び悩んでいる。INPEX<1605>は原油高を受けて5%近く上昇し、ENEOS<5020>は連日で年初来高値を更新。また、急反発の日医工<4541>や債務超過解消のレオパレス21<8848>が東証プライム市場の上昇率上位に顔を出し、米社との経営統合に向けた株式公開買付け(TOB)実施が発表されたキトー<6409>はストップ高水準での買い気配となっている。一方、レーザーテック<6920>やトヨタ自<7203>が軟調で、ソフトバンクG<9984>も小安い。アサヒ<2502>は決算を受け原材料高への警戒感が強まり、東証プライム市場の下落率トップ。また、その他の決算発表銘柄では電通G<4324>などが大きく売られている。  セクターでは、鉱業、海運業、石油・石炭製品などが上昇率上位。一方、食料品、銀行業、輸送用機器などが下落率上位だった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の53%、対して値下がり銘柄は43%となっている。  本日の日経平均は前日終値を挟んで上下100円あまりのレンジでもみ合い、結局小高く前場を折り返した。日足チャートを見ると、5日移動平均線が上向きに転じ値動きもまずまず悪くない印象を受けるが、26700円台に位置する25日移動平均線手前で伸び悩み。個別・業種別では米株と同様に原油を中心とした市況関連株が堅調。一方、ディフェンシブ色の強い食料品はアサヒの決算を受けて原材料高への警戒感が強まっているとみられ、長期の年限の米金利低下により銀行株もさえない。東証プライム市場の下落率上位には成長期待の高い中小型株が目立つ印象だ。前引けの日経平均が+0.20%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は+0.14%。ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆4000億円あまりとなっている。  新興株ではマザーズ指数が-2.20%と3日ぶり大幅反落。日足チャートを見ると、5日移動平均線を一時的に上回っても戻りに弾みが付かず、値動き改善への期待が持ちづらいか。好決算の小型株が買われているとはいえマザーズ指数の押し上げには力不足で、中小型グロース(成長)株安の流れからメルカリ<4385>などの主力IT株は揃って軟調だ。  さて、16日の米市場では10年物国債利回りが2.88%(-0.04pt)に低下。5月上旬に一時3%台に乗せてから足踏みが続いている。期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.68%(-0.01pt)。こちらも4月下旬に一時3%台まで上昇してから低下に転じている。11日発表の4月消費者物価指数(CPI)などを受け、インフレピークアウトへの期待が広がっているとの見方もある。  もっとも、原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI6月物)は1バレル=114.20ドル(+3.71ドル)まで再び上昇してきた。供給増加が緩慢ななかで中国の経済活動再開などにより需要が回復するとみられ、需給ひっ迫が意識されている。米ハイテク株安もインフレ懸念の根強さを感じさせる動きだろう。このところ米著名投資家や識者らが相次ぎインフレを睨んだ資産配分に言及している点にも触れておきたい。  今回の決算発表シーズンでは、アサヒに限らず、日本を代表する企業であるトヨタ自などでコスト高の逆風が強く意識された。日経平均の予想EPS(1株当たり利益、日本経済新聞社が公表するPERから逆算)は4月15日時点の2085.70円に対し、5月16日時点では2009.62円に減少している。PER13.2倍、PBR1.15倍となっているが、こうしたEPS推移を見る限りバリュエーション向上への期待を持ちにくいだろう。  16日発表の5月のニューヨーク連銀製造業景況指数が-11.6(予想+16.5、前月+24.6)となるなど、このところ世界的に経済指標の悪化も目立つ。相対的に日本株が優位になるとの期待の声もあるが、「世界の景気敏感株」としての位置付けが強いだけに、積極的に持ち高を増やそうとするグローバル投資家が出てくるか見通しづらい。TOPIX先物について、日々の取引手口情報や日本取引所グループの公表する投資主体別売買動向を見ても買い越しの動きは限定的だ。  再び米市場に目を向けると、「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)が27.47(−1.40)とじりじり低下。下方ヘッジ(あるいは投機)目的のプットオプション(売る権利)の持ち高解消の動きが窺えるにもかかわらず、米株式相場の上値が重いのは気掛かりだ。買い持ち(ロング)投資家の戻り売り圧力が強いとみられる。ベア・マーケット・ラリー(弱気相場のなかでの株高)での戻りは限られ、再び売り持ち(ショート)が積み上がる場面では下値不安が高まる可能性がある。  その他、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が0.5ptペースでの利上げに再三言及している点に安心感を覚える向きもあるようだが、FRBが9日に公表した「金融安定性評価」では株式等のバリュエーションが依然として高いなどと評価されているようだ。かねて当欄で指摘しているとおり「FRBは市場にフレンドリーではない」と改めて認識すべきだし、仮にFRBが金融引き締めを緩めるようならインフレ懸念は一段と強まるだろう。同報告書で流動性の悪化により金融市場の急変に警鐘を鳴らしているように、日本株もなお不安定な展開が続くとみておいた方がよさそうだ。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 15件
1605 東証プライム
2,107
10/9 15:00
-66(%)
時価総額 2,921,707百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
1,826
10/9 15:00
-3(%)
時価総額 2,777,364百万円
国内ビール大手のアサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などを傘下に収める持株会社。欧州、オセアニア、東南アジアでも事業展開。日本は主力ブランドに経営資源投下。オセアニアは商品ポートフォリオを強化。 記:2024/09/01
4324 東証プライム
4,651
10/9 15:00
+53(%)
時価総額 1,341,395百万円
国内最大の広告代理店。世界145以上の国・地域で事業展開。メディア確保力、広告企画力などが強み。配当性向35%目標。内部投資で競争力、ケイパビリティの強化を図る。中国などでのコアビジネス再建に注力。 記:2024/07/08
4385 東証プライム
2,569
10/9 15:00
+59(%)
時価総額 413,278百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4541 東証プライム
35
3/28 15:00
±0(%)
時価総額 24,670百万円
ジェネリック医薬品大手。自社開発のジェネリック医薬品や先行医薬品を医療機関向けに供給。製造・品質管理体制の改善図る。日医工グループは損益改善。販売数量増や在庫適正化策等が寄与。23.3期3Qは増収。 記:2023/03/03
5020 東証プライム
845
10/9 15:00
+7.4(%)
時価総額 2,729,589百万円
大手エネルギーグループ会社。石油元売りトップ。サービスステーションの運営や石油・ガス開発、金属資源開発、製錬を行う。今期3Q累計は原油価格や金属価格の下落が影響も、在庫影響を除き営業増益となった。 記:2024/04/16
9,719
10/9 15:00
+254(%)
時価総額 16,483,035百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6409 東証プライム
2,724
1/25 15:00
+2(%)
時価総額 57,335百万円
搬送機械メーカー。チェーンブロックやロープホイスト等の巻上機からレバーブロックやクレーン等の多様な製品を手掛ける。インフラ需要継続で米州は好調。為替差益を計上。23.3期2Qは2桁の増収、経常増益。 記:2023/01/14
6920 東証プライム
24,670
10/9 15:00
+1,045(%)
時価総額 2,326,036百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,563.5
10/9 15:00
-4.5(%)
時価総額 41,823,469百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8035 東証プライム
25,770
10/9 15:00
+310(%)
時価総額 12,153,982百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8848 東証プライム
569
10/9 15:00
-7(%)
時価総額 187,423百万円
単身者向けアパートの開発・賃貸等を行う賃貸事業が主力。管理戸数は55万戸超。介護施設「あずみ苑」の運営等を行うシルバー事業も展開。物件メンテナンスなどに積極投資。入居率、稼働家賃単価の向上を図る。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,919
10/9 15:00
+21(%)
時価総額 2,509,502百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9107 東証プライム
2,027
10/9 15:00
+6(%)
時価総額 1,448,754百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9984 東証プライム
8,696
10/9 15:00
+115(%)
時価総額 14,982,808百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17