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サムティ Research Memo(4):「資産保有型」ビジネスへの転換にあたり減収減益も、インカムゲインは伸長(1)

2022/3/9 15:14 FISCO
*15:14JST サムティ Research Memo(4):「資産保有型」ビジネスへの転換にあたり減収減益も、インカムゲインは伸長(1) ■業績動向 1. 2021年11月期決算の概要 サムティ<3244>の2021年11月期の業績は、売上高が前期比10.5%減の90,460百万円、営業利益が同45.5%減の9,461百万円、経常利益が同46.8%減の8,105百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.7%減の10,012百万円と、「資産保有型」ビジネスへの転換にあたり減収減益となったが、その点は想定内である。一方、修正予想(2021年9月30日公表)に対しては、投資利益の見直し等により利益面で下回る着地となった。 売上高は、「資産保有型」ビジネスへの転換にあたり、物件売却を意図的に抑えた「不動産開発事業」が大きく減収となった。ただ、販売計画は達成しており、想定内と言える。一方、「不動産開発事業」以外の事業はすべて増収を確保した。特に、重視する「インカムゲイン」(売上高ベース)※は、「ホテル賃貸・運営事業」がコロナ禍の影響により低調に推移しているものの、それを補って前期比14.4%増の14,578百万円(調整前)と着実に伸びている。 ※「不動産賃貸事業」「ホテル賃貸・運営事業」「不動産管理事業」の売上高を合計したもの。 損益面では、減収による収益の下押しに加えて、「ホテル賃貸・運営事業」がコロナ禍の影響により減益となった。なお、修正予想(2021年9月30日公表)を下回ったのは、SPCを通じたホテルの取得※に伴う投資利益(負ののれん発生益)の見直しによるものである。したがって、会計上の見積り額の再評価に起因するものであり、足元業績の下振れを示すものではない。再評価後の負ののれん発生益を含む総額は合計4,307百万円となり、特別利益に計上している。 ※「アロフト大阪堂島」及び「(仮称)シャングリ・ラ ホテル 京都二条城計画」。 一方、今後の成長につながる仕入れについては、開発用地61物件(取得金額280億円)※1、収益不動産49物件(取得金額421億円)※2を取得し、計画を超える成果をあげた。 ※1 SPCによるホテル開発用地の取得分(「シックスセンシズ京都」及び「(仮称)シャングリ・ラ ホテル 京都二条城計画」)を含めると、取得計画397億円を超過している。 ※2 SPCを通じて取得した「アロフト大阪堂島」を含むと、取得計画480億円を超過している。 財政状態については、「資産保有型」ビジネスへの転換を図る方針により物件売却を抑える一方、開発用地や収益不動産を積極的に取得したことから、総資産は前期末比39.2%増の349,194百万円と大きく拡大した。一方、自己資本も大和証券グループ本社<8601>による転換社債の転換(100億円)や内部留保の積み増しにより同22.4%増の94,296百万円に増えたことから、自己資本比率は若干低下したとは言え、27.0%(前期末は30.7%)を確保することができた。また、有利子負債も同41.9%増の231,231百万円に拡大したが、長期借入金の比率が約71%を占めていることから、資産拡大を図りながらも財務の安定性は維持されていると言える。一方、資本効率を示すROEは11.6%(前期末は14.3%)、ROAも2.8%(同7.4%)に低下したものの、2022年11月期以降は改善に向かう見通しである。 各事業の業績は以下のとおりである。 (1) 不動産開発事業 売上高は前期比33.3%減の38,863百万円、セグメント利益は同33.3%減の9,863百万円となった。「資産保有型」ビジネスへの転換を図る方針の下、物件売却を抑えたことにより減収減益となったが、想定内である。販売実績はレジデンス19棟(そのうちSRRへ5棟)、投資分譲2棟、ホテルその他3棟※の合計24棟(前期は合計28棟)であった。また、レジデンス開発において43棟(2,700戸)が竣工したが、一定期間保有する戦略により期末保有は25棟(前期末は3棟)に増え、順調に資産の拡大を図ることができた。また、開発用地61物件を新たに取得し、開発パイプラインの積み上げでも成果を残した。 ※ホテル開発については、「アゴーラ京都烏丸」及び「アゴーラ京都四条」の2棟を売却した。 (2) 不動産ソリューション事業 売上高は前期比22.3%増の37,128百万円、セグメント利益は同17.4%減の3,042百万円と増収減益となった。SRRへ賃貸マンション21棟(前期は17棟)を供給したほか、オフィスビルを含めて合計33物件(前期は42物件)を販売した。一方、利益率は低下したものの、想定どおりの着地である。 (3) 海外事業 売上高は前期比19.1%増の595百万円、セグメント利益は同22.6%減の298百万円となった。前期に引き続き、ファンドを通じて出資しているホーチミンの不動産会社(開発・賃貸事業)への投資案件から償還を受けたものである。なお、「THE SAKURAプロジェクト」については、2022年11月期からの収益計上が予定されているが、先行販売中のV8棟(684戸+ショップハウス19戸)への申し込みは既に合計368戸に上っている(2022年1月末時点)。 (4) 不動産賃貸事業 売上高は前期比2.1%増の7,949百万円、セグメント利益は同8.0%減の3,779百万円と増収減益となった。保有資産の拡大により増収を確保したものの、前期末に稼働中の賃貸マンションを多数売却したことの影響を受け、緩やかな増収にとどまるとともに、利益面では減益となった。 (5) ホテル賃貸・運営事業 売上高は前期比33.3%増の2,784百万円、セグメント損失は2,596百万円(前期は641百万円の損失)と増収ながら損失幅が拡大した。売上高は、5棟の新規開業・取得※1により保有・運営ホテルが18棟に増えたことに加え、前期よりも稼働率が若干改善したこと※2により増収を確保した。特に緊急事態宣言が解除された2021年10月〜12月の稼働率はおおむね60%以上で推移している。一方、利益面では、連結会計期間の8割以上で緊急事態宣言やそれに準ずる行動制限が生じた影響により損失幅が拡大した。 ※1 アゴーラ京都烏丸(売却済み)、アゴーラ京都四条(売却済み)、エスペリアホテル福岡中洲、オークウッドホテル京都御池の自社開発物件のほか、SPCを通じて取得したアロフト大阪堂島を含む。 ※2 2020年11月期の平均稼働率(月次)はおおむね10%~50%(平均30%程度)で推移した一方、2021年11月期はおおむね30%~70%(平均45%程度)で推移したと見られる。 (6) 不動産管理事業 売上高は前期比34.3%増の3,845百万円、セグメント利益は同78.6%増の550百万円と増収増益となった。SRRの資産拡大やホテルREIT組成に伴う運用資産残高の拡大、PMによる管理受託戸数の拡大が業績の伸びに寄与した。AUM(2022年1月末)は262,402百万円※1(前年同月末比58.3%増)、管理受託戸数(2021年11月末)は17,858戸※2(同28.0%増)と順調に拡大している。 ※1 うち、SRRは118,417百万円、私募(サブAMを含む)は143,985百万円となっている。 ※2 うち、サムティ資産が2,572戸、リートPM8,109戸、一般オーナー2,182戸、分譲管理4,995戸となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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総合不動産会社。不動産開発事業、収益不動産等の取得・再生・販売を行う不動産ソリューション事業、ホテル賃貸・運営事業等を展開。保有・運営ホテルの稼働率は回復傾向。25.11期営業利益350億円以上目標。 記:2024/05/08
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