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ユニリタ Research Memo(1):2021年3月期は減収減益となるも、注力するクラウド事業は伸長し黒字化を達成

2021/6/14 15:01 FISCO
*15:01JST ユニリタ Research Memo(1):2021年3月期は減収減益となるも、注力するクラウド事業は伸長し黒字化を達成 ■要約 1. 会社概要 ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポートを手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減等)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「システム運用」と「データ活用」領域における強みを活かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、サービスモデルの強化(既存製品のクラウド化によるサブスクリプションモデルへの転換)やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)などにも取り組んでいる。 2. 2021年3月期決算の概要 2021年3月期の業績は、売上高が前期比0.8%減の10,061百万円、営業利益が同29.4%減の757百万円と新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響等により減収減益となった。注力する「クラウド事業」が順調に伸びたほか、「メインフレーム事業」も堅調に推移したものの、コロナ禍の影響を受けた「プロダクト事業」及び「システムインテグレーション事業」が落ち込んだことで僅かに減収となった。損益面では、「プロダクト事業」の落ち込みや「ソリューション事業」におけるプロジェクトの長期化及び不採算案件の発生、将来を見据えた人件費及び研究開発費の増加等により営業減益となった。ただ、目標としていた「クラウド事業」の黒字化を達成したことは、今後の収益力強化に向けて明るい材料と言える。 3. 新中期経営計画 同社は新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」を基本方針とし、グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の両立を実現する方向性を打ち出している。また、セグメント区分を「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」に変更した。「プロダクトサービス」でサービス提供型事業へのシフトによりストックビジネス化を推進するとともに、成長の軸となる「クラウドサービス」ではIT課題から事業課題、さらには社会課題への解決に向けた市場の拡大を見据える。「プロフェッショナルサービス」では、プロダクトやクラウドサービスの顧客価値を高める役割を果たし、第2の成長エンジンとして機能させる。このように、3つのカテゴリに区分したうえで、カテゴリごとの戦略により事業拡大を目指す。 4. 2022年3月期の業績見通し 2022年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比4.4%増の10,500百万円、営業利益を同5.7%増の800百万円と増収及び営業増益を見込んでいる。新セグメント区分によるサービスがそれぞれ伸長し、特に主力サービスを中心とした「クラウドサービス」の伸びが増収に寄与する見通しである。損益面では、増収効果や「プロフェッショナルサービス」(特に旧ソリューション事業)の損益改善などにより営業増益を確保するものの、「クラウドサービス」等への先行投資が継続することから、営業利益率は7.6%(前期は7.5%)とほぼ横ばいを見込んでいる。もっとも、中長期目線では2023年3月期以降の成長加速に向けた取り組みが重要となろう。特に、成長の軸となる「クラウドサービス」のカテゴリごとの進捗状況に加え、コロナ禍をきっかけとして加速してきたDX化の流れや社会課題の解決をいかに成長に取り込んでいくのかに注目したい。 ■Key Points ・2021年3月期はコロナ禍の影響等により減収減益となるも、注力する「クラウド事業」は順調に伸び、黒字化を実現 ・新たに3ヶ年の中期経営計画を公表。成長の軸となる「クラウドサービス」については、IT課題から事業課題、さらには社会課題への解決に向けた市場の拡大を見据え、3つのカテゴリに区分し、カテゴリごとの戦略により事業拡大を目指す ・2022年3月期業績については増収及び営業増益を見込む (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《NB》
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独立系自社開発ソフトウェアメーカー。パッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポート等を手掛ける。システム運用、データ活用に強み。クラウドサービスの事業領域拡大などに取り組む。 記:2024/10/11