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ケアネット Research Memo(5):2020年12月期業績も期初計画を上回る増収増益となる見通し

2020/9/28 15:45 FISCO
*15:45JST ケアネット Research Memo(5):2020年12月期業績も期初計画を上回る増収増益となる見通し ■今後の見通し 1. 2020年12月期の業績見通し ケアネット<2150>の2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.1%増の3,500百万円、営業利益で同3.1%増の624百万円、経常利益で同3.2%増の612百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.4%減の410百万円と期初計画を据え置いた。コロナ禍の動向が、業績に与える影響が不透明なためだ。 とはいえ、第3四半期に入ってからも引き続きeディテーリングやWeb講演会などの引き合いは活発で好調が続いているものと見られる。第2四半期までの進捗率は売上高で52.7%、営業利益で73.9%と直近3年間の平均値(売上高44.8%、営業利益46.1%)を上回る進捗となっていること、費用面でも下期に特段の増加要因は見当たらないことなどから、通期業績についても会社計画を上回る公算は大きい。 (1) 医薬品営業支援サービス 医薬営業支援サービスの売上高は期初計画で前期比6.6%増の3,060百万円を見込んでいたが、第3四半期も好調を持続していることから、通期でも2ケタ台の増収は達成可能と見られる。 競合他社との差別化戦略として、同社はスペシャリティ医薬領域における疾患啓発・教育系サービスの強化に取り組んでいる。疾患啓発では、「MEDuLiTe」のコンテンツ拡充を進めている。「MEDuLiTe」は2016年7月より開始したサービスで、主にスペシャリティ医薬品領域をターゲットにし、専門医に対して「新たに発売する医薬品に関連する疾患領域を印象付け、期待感を醸成し、処方に向けての準備をしてほしい」という製薬企業のニーズに応えるプロモーション施策となる。欧米では一般的に普及しているプロモーション施策だが、日本では自社商品名を出さずに販売プロモーションを行うという文化が育っていなかったため需要が伸び悩んでいた。しかし、厚生労働省による「医薬品販売プロモーションに関するガイドライン」が2019年4月に施行されたこともあり、今後は需要が高まると見て取り組みを強化している。教育系サービスとしては、「がん@魅せ技」の手技動画コンテンツを拡充するとともに、VR版を制作していくことで、マネタイズしていくことにしている。 また、コロナ禍によりWebカンファレンスの需要も拡大していくと見て強化を進めている。新潟県内の医師向けにKOLによるWebカンファレンスを実施したところ好評であったことから、当第3~4四半期以降も受注件数の拡大を目指していく。Web会議ツールとしては従来、Zoomを使用していたが、2020年6月に子会社のアスクレピアがデジタルコミュニケーションツール「FORA」をリリースしており、同ツールを使った受注活動を進めている。「FORA」は医療分野に特化して開発したツールとなっているため、利用者にとって使い勝手の良いUIに仕上がっていること、高精細な写真や画像情報を取り扱うことが多いため、参加者がスムーズに共有できる機能や、双方向でディスカッションできる機能などを持たせていることなどの特長が挙げられる。まずはオンコロジー領域における小規模カンファレンスを対象に開催していく予定で、既に1件受注も獲得している。自社開発ツールを使うことによって、顧客満足度の向上だけでなくコスト低減も図れることから、今後の収益増に貢献するサービスとして注目される。 その他、コロナ禍を契機にして、経営のデジタルトランスフォーメーション(DX)化に本格的に取り組む製薬企業が増えており、eプロモーションを中心としたデジタル経営に関する様々な相談・依頼が同社に寄せられている。こうした状況を踏まえ、同社はデジタル戦略支援サービスを新たに手掛けていく予定にしている。 (2) 医療コンテンツサービス 医療コンテンツサービスの売上高は前期比10.3%増の439百万円となる見通し。第2四半期までの進捗状況を見ると、やや上振れする可能性がある。「CareNeTV」に関しては有料会員向けのサービス強化を図り、会員数の増加により2ケタ増収を目指していく。医師向けの教育コンテンツでは業界でも質・量ともにトップクラスであることを自負しており、今後、医師の「生涯教育」をテーマとしたプログラムを企画・制作することで、更なる差別化が可能と見ている。2020年6月末現在、「CareNeTV」は有料会員数5,122人で年間2億円強の売上規模となっている。「CareNet.com」の会員数は16.1万人であり、魅力的なコンテンツを提供することができれば、有料会員数で将来的に1万人を超える可能性も十分あると見られる。コンテンツ1本当たりの制作コストは変わらないため、有料会員数が増えれば利益率の向上に直結するだけに、今後の動向が注目される。 また、新規サービスとして2020年6月より「医業承継支援サービス」を開始すると発表した。ここ数年、クリニックを中心に医療機関で後継者不在の問題が顕在化しはじめるなか、同社は16.1万人の医師の会員基盤を活用することで、こうした課題を解消し、「患者が継続して通院できること」「スタッフが継続して勤務できること」を通じて地域医療体制の維持向上に貢献していく考えだ。直近はコロナ禍のためクリニックの経営状況も厳しくなっており、新規開業を希望する医師は少ないものの、市場環境が落ち着けば勤務医の中で開業を希望する医師も増えてくると見られ、両者をマッチングしていくことにしている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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製薬企業の医薬情報を医師会員にネット配信するサービス「MRPlus」などを手掛ける医薬DX事業が主力。医師・医療従事者向け会員制サイトの運営等も。医薬DX事業では既存サービスの販売体制強化を進める。 記:2024/10/06