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C&GSYS Research Memo(2):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ(1)

2021/9/15 15:22 FISCO
*15:22JST C&GSYS Research Memo(2):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ(1) ■会社及び事業の概要 1. 会社概要 C&Gシステムズ<6633>の主力事業は金型用CAD/CAMシステムの開発・販売・保守等で、これらの国内シェアは20%(推定)を誇る。顧客数は大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで約7,000事業所に上る。 2. 沿革 同社の起源は、主にCAD(コンピュータ支援設計:Computer Aided Design)を事業の主体とするコンピュータエンジニアリング株式会社とCAM(コンピュータ支援製造:Computer Aided Manufacturing)を事業の主体とする株式会社グラフィックプロダクツという2つの会社に由来する。当初はそれぞれ別々に企業活動を行っていたが、CADとCAMを融合することによるユーザビリティの向上や、将来の海外展開を見越して、両社は2007年3月に株式移転方式による経営統合に合意し、2007年7月には純粋持株会社であるアルファホールディングス株式会社を設立してその株式をJASDAQ証券取引所(当時)に上場した。その後、純粋持株会社であるアルファホールディングスが2010年1月に両社を吸収する形で新たなスタートを切り、社名を現在の株式会社C&Gシステムズに変更し現在に至っている。さらに株式については、2017年11月に東京証券取引所第2部に市場変更となった。 3. 事業内容 同社の事業セグメントは、金型設計・製造用のCAD/CAMシステムの製造、販売、保守サービスを行う「CAD/CAMシステム等事業」と金型製造を請け負う「金型製造事業」(すべて北米での売上高)の2事業。2020年12月期のセグメント別売上高比率は、CAD/CAMシステム等事業が84.9%、金型製造事業が15.1%であった。 (1) CAD/CAMシステム等事業 さらにCAD/CAMシステム等事業は3つに分類され、2020年12月期の実績ではCAD/CAM製品の販売が連結売上高の22.1%、保守サービスが同59.6%、開発サービスが同3.2%を占める。 a) CAD/CAMと同社の領域 CADとはコンピュータを利用して各種製品や部品などの設計を行うシステム(ソフトウェア)のことである。自動車のボディや各種製品の形状設計、部品設計、金型設計、電子回路設計等に利用される。この中で同社が扱っているのは、「金型設計用」であり、同じCADであっても車体デザイン用や電子回路設計用などとは領域(市場)が異なる。 上記のCADで設計された製品や部品の多くは、最終的にはNC(Numerical Control)工作機械を使って製造されるが、そのためにはあらかじめCADで設計されたデータをNC工作機械用の数値データに変換することが必要で、これを行うのがCAMである。このため、通常はCADとCAMは一体で使用されるが、別々に利用される場合もある。同社においても、CAD/CAM一体で販売するケースとそれぞれ別々に販売するケースがあるが、CADとCAMの売上高内訳は公表されていない。 製品価格はオプション追加の有無等により150万~600万円ほどになるが、平均では1システム当たり300万円ほどとなる。CAD/CAMシステムは一種のパッケージソフトであるが、ハードウェアについては特別の制限はなく、一般のPCでグラフィックス機能が強化されたものであれば使用が可能だ。顧客の買い換えサイクルは、リース期間との関係もあり平均で5年ほどであるが、特別な技術革新が進んだ場合やハードウェアの陳腐化などによって、サイクルが早まる場合もある。 b) 主要ユーザー 主要ユーザーはトヨタ自動車<7203>、アイシン精機<7259>、ヤマハ発動機<7272>、パナソニック<6752>、オムロン<6645>、アルプスアルパイン<6770>、ニフコ<7988>、TOTO<5332>、ニコン<7731>、キヤノン<7751>、オリンパス<7733>などの大手メーカーから中小金型メーカーまで幅広く、総ユーザー数(事業所数)は7,000事業所(主に国内6,000事業所、海外1,000事業所)を超えている。ただし、これらの顧客のうち約5,500事業所は従業員20人未満の中小メーカーとのことだ。販売は約80%が代理店経由(大手代理店5社、主要1次代理店約30社)、約20%が直接販売となっているが、代理店販売であっても同社の技術スタッフが同伴するケースが多く、顧客ニーズを細かくくみ取っている。 c) 市場シェア 国内の金型設計用CAD/CAMシステム市場における同社のシェアは約20%で、国内では日本ユニシス<8056>グループに次いで第2位と推定されている。ただし同データに掲載された他社の売上高の中にはCAD/CAMシステム及び金型向け以外の売上高も含まれていることから、純粋に金型向けのCAD/CAMシステムだけの市場シェアで考えれば、同社の実質的なシェアは40~50%前後と推測される。 d) 特色と強み 同社は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小様々な金型に対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きい金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。 特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、業界トップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。 ※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。 そのため同社の顧客(事業所)数は、既述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000事業所以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後となっており、業界平均を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。 また、同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点に、CAD/CAM販売子会社、テクニカルセンター及び総代理店を設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供することができ、またこれにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲い込みが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《ST》
関連銘柄 13件
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衛生陶器大手。国内首位のトイレに強み。バス・キッチンや洗面商品も。24.3期3Qは日本住設事業が堅調。パブリック用途は足踏みだが、住宅用途のリモデルが売上増。米州事業ではネオレスト、ウォシュレットが堅調。 記:2024/04/13
6633 東証スタンダード
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時価総額 2,990百万円
金型用CAD/CAMシステムメーカー。国内シェアは約20%。金型製造の請負も展開。部品加工市場向けCAD/CAMシステムの展開やIoT分野への事業展開を推進。顧客の設備投資抑制で、23.12期は足踏み。 記:2024/02/23
6645 東証プライム
5,296
4/24 15:00
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時価総額 1,092,274百万円
制御機器大手。電子部品や車載機器、自動改札機、血圧計等の健康医療機器も手掛ける。家庭用血圧計で世界トップシェア。24.3期3Q累計はヘルスケア事業が堅調。中国におけるネブライザの需要増などが寄与。 記:2024/02/13
1,393
4/24 15:00
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時価総額 3,418,501百万円
総合家電大手。家電、住設設備、FA機器、電池も。くらし事業では北米コールドチェーン、国内電材が増収。北米車載電池の増販、米国IRA補助金の計上等でエナジー部門は収益伸長。24.3期3Qは大幅増益。 記:2024/04/07
6770 東証プライム
1,329.5
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時価総額 291,534百万円
電子部品のアルプスとカーナビのアルパインが経営統合して発足。センサ・コミュニケーション事業を成長領域に位置付け。モジュール・システム事業は増収。インフォテインメントの新製品等が貢献。24.3期3Qは増収。 記:2024/02/10
7203 東証プライム
3,618
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時価総額 59,027,623百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7259 東証プライム
6,252
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時価総額 1,842,308百万円
自動車部品大手。パワトレ機器やブレーキ部品に強み。トヨタ系列。電動車向け製品を強化中。日本は黒字転換。電動ユニットなどの販売台数増、構造改革効果などが寄与。中国や欧州は堅調。24.3期3Qは大幅増益。 記:2024/04/07
7272 東証プライム
1,443.5
4/24 15:00
+23(%)
時価総額 1,516,616百万円
輸送機器大手。二輪で世界2位、船外機やウォータービークルでは世界トップ級。産業用ロボット、ゴルフカー、発電機なども事業領域。水素エンジン搭載ゴルフカーを開発。出荷増で23.12期営業利益は過去最高益更新。 記:2024/02/23
7731 東証プライム
1,725
4/24 15:00
+161.5(%)
時価総額 652,631百万円
大手光学機器メーカー。カメラと半導体やFPDの露光装置で世界的。眼科領域の顕微鏡等も製造、販売する。今期3Q累計は映像事業や半導体向け露光装置が増加も、FPD露光装置やコンポーネントが足踏みとなった。 記:2024/03/11
7733 東証プライム
2,227.5
4/24 15:00
+53.5(%)
時価総額 2,864,324百万円
内視鏡世界首位。消化器内視鏡で世界シェア7割。外科用も手掛け、顕微鏡、非破壊検装置も展開。ソニーと医療分野での協業を強化。キヤノンメディカルシステムズとは超音波内視鏡システムで協業。3Q累計は増収確保。 記:2024/02/14
7751 東証プライム
4,440
4/24 15:00
+1(%)
時価総額 5,921,908百万円
カメラ、複合機大手。レーザープリンターやデジカメで世界首位。光学技術に強み。レンズ交換式デジタルカメラはミラーレスカメラの新製品中心に堅調。ネットワークカメラ等も需要増。23.12期3Qは増収増益。 記:2024/01/16
7988 東証プライム
3,792
4/24 15:00
+105(%)
時価総額 407,674百万円
合成樹脂成型製品メーカー。工業用プラスチックファスナーや小型ダンパー、燃料タンクシステム向け製品、エンジン・トランスミッション関連製品を手掛け、樹脂製ファスナーで高シェア。業容好調で3Q累計は営業増益。 記:2024/02/27
8056 東証プライム
4,612
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-20(%)
時価総額 505,770百万円
SI大手。金融向けに強み。大日本印刷が筆頭株主。24.3期3Q累計はDX関連のシステム開発やサービスが堅調。ソフト、機器の販売も好調で二桁増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。配当性向4割目安。 記:2024/02/09