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エヌ・シー・エヌ Research Memo(9):多くのハウスメーカーが材料不足で受注を制限するなか、供給遅延は未発生

2021/8/5 15:09 FISCO
*15:09JST エヌ・シー・エヌ Research Memo(9):多くのハウスメーカーが材料不足で受注を制限するなか、供給遅延は未発生 ■ウッドショック問題について ウッドショックに関しては、米国において需要の急拡大を受け住宅市場の在庫不足が深刻化し、それを解消しようとディベロッパーが新築住宅の建築を進めた結果、建材価格とりわけ木材価格の上昇が引き起こった。2021年5月に入ってから、木材の価格は約3倍に跳ね上がっている。このようななかで多くのハウスメーカー、プレカット工場は材料不足で受注を制限する動きが出てきている。しかしながら、エヌ・シー・エヌ<7057>は構造用集成材をすべて国内メーカーから調達しており、現在供給遅延は発生していない。また、同社社長の田鎖氏は25年前まで商社の木材部で米国・カナダ・ニュージーランドから材木を輸入していたため、木材の流通についての知見もあり、ウッドショックに関しては非常に強みがある。また、安定供給を可能にするサプライチェーンを、構造設計会社にしては珍しく持っており、受注した図面ですぐに構造計算するため、材料がどのくらい使われるのか、どのくらいの強度が必要なのかがわかる。ダイレクトに国内の集成材工場、または製材工場にデータを送り、そこから製品を作り在庫を管理し、全国にある提携しているプレカット工場にタイムリーに届けるシステムとなっている。一般的な流通では、工場に発注して材料を手配するが、同社は約5ヶ月前から使用する材料をすでに発注しているため、納期遅れや材料不足は現在のところは起きていない。ウッドショックの長期化により需要供給の問題でタイトになる可能性はあるものの、このような状況でも強みを発揮できるだろう。 ■社会的責任 (CSR) 同社は、持続可能な開発目標(SDGs)で定められた2030年を年限とする17の国際目標の中から、それぞれテーマを示し、事業を通じてゴール達成に取り組んでいく計画を示している。日本に安心・安全な木構造を普及させ、資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくることを目的として設立した後も「安心して住める木構造を世に広める」という企業姿勢は変わっていない。 (1) 木造建築の耐震化率の上昇をテーマにSDGsが定める、「11.住み続けられるまちづくりを」に基づき都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする、「12.つくる責任 つかう責任」に基づき持続可能な消費と生産のパターンを確保することをゴールとしている。具体的な取り組みとしては、木造耐震設計事業の推進、耐震住宅100%運動を掲げる。 (2) 木造化率の上昇をテーマとし、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に基づき強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な参照化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る、「15.陸の豊かさを守ろう」に基づき陸上生態系の保護、回復及び持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の素子及び逆転、並びに生物多様性損失の阻止を図る、そして「12.つくる責任 つかう責任」に基づき持続可能な消費と生産のパターンを確保することをゴールとしている。具体的な取り組みとしては、木構造デザインの設立、CLTの活用を掲げる。 (3) 省エネ住宅の普及をテーマとし、「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に基づきすべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する、そして「11.住み続けられるまちづくりを」をゴールとしている。具体的な取り組みとしては、 省エネ実態調査を掲げる。 (4) 首都圏集中から地方の活性化をテーマとし、「11.住み続けられるまちづくりを」ゴールとする。具体的な取り組みとしては、YADOKARIとの資本業務提携、フォレストリビングを掲げる。 千葉県いすみ市にオープンした「いすみフォレストリビング」に対して、森林資源の活用や地域との協力、自然に生育する森を楽しむという運営に、木造住宅の供給のほか、住宅に限らず様々な提案を行い、木の可能性を広げ地域活性化から将来的には日本の豊かな暮らしの実現につながる活動を行う企業として賛同し、共同企画として参画している。「いすみフォレストリビング」は、地域に眠る資源を活用し新たな滞在スタイルを体感する施設として、千葉県いすみ市と地元の観光局が協力し、公民連携による地域活性化の拠点として作られ、2019年9月にオープンした。 無印良品の家「陽の家」のモデルハウスも建てられ、見学が可能であるほか、グランピングキャンプエリアには、SE構法による耐震性に優れたアウトドアデッキ等を提供している。この施設は人気のグランピング場であり、予約が難しいほどの好調である。また、無印良品の家「陽の家」のモデルハウスに対するユーザーの関心も高く、「陽の家」が一棟丸ごと建築されている東京有明センターでは実際の設備・仕様を確認でき、モデルハウス内覧者が伸びている。東京有明センターでは、入場制限を行うほどの人気ぶりである。コロナ禍においてセカンドハウスとして地方のさらに奥地に家を建てる動きも出ているようであり、需要ニーズは高そうだ。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《AS》
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時価総額 2,716百万円
独自の木造建築用耐震設計システムをを工務店などに提供。建築部材販売や省エネ計算も。24.3期3Q累計は柱の住宅向けが足踏み。注力中の非住宅向けが好調も補えず。中計では26.3期に営業益6.5億円を目指す。 記:2024/04/10