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デリカフHD Research Memo(1):市場環境の変化に対応してBtoC領域での事業展開を本格的に開始

2020/6/19 16:31 FISCO
*16:31JST デリカフHD Research Memo(1):市場環境の変化に対応してBtoC領域での事業展開を本格的に開始 ■要約 デリカフーズホールディングス<3392>は外食・中食業界向けにカット野菜、ホール野菜を卸す、いわゆる「業務用の八百屋」の国内最大手。また、野菜の機能性に早くから着目し、農産物の分析研究で国内随一のデータベースを蓄積しており、これら研究成果を生かした野菜を中心とするメニュー提案力、業界トップの衛生品質管理体制や安定した物流体制を強みに市場シェアを拡大している。 1. 2020年3月期の業績概要 2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.4%増の40,413百万円、経常利益で同15.7%減の641百万円と増収減益決算となり、会社計画(売上高41,000百万円、経常利益1,000百万円)に対しても下回って着地した。第3四半期までは順調に推移していたものの、2020年2月中旬以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、販売先である外食・中食の休業、時間短縮営業が本格化し、期末にかけて売上高が急減したことが要因だ。新型コロナウイルスの影響額として売上高で-7億円以上、経常利益で-2億円以上の影響があったとしている。ただ、外食業界全体におけるシェアは着実に上昇しているもようでファミリーレストラン向けだけでなく、ファストフード、居酒屋など売上は全体的に伸びている。 2. 2021年3月期の見通し 2020年3月期の業績見通しについては、新型コロナウイルスの影響がどの程度続くか不透明なことから現時点では未定としている。4月、5月については緊急事態宣言の発令もあって外食向けの売上高が一段と落ち込んでいる状況にある。(一社)日本フードサービス協会が発表した4月の外食売上高は前年同月比で39.6%減と3月の17.3%減から減少幅が拡大しており、同社も同様の動きになっていると見られる。緊急事態宣言の解除に伴い直近では徐々に売上高も回復しており、最悪期は脱したものと見られるが、感染防止対策の必要性から外食市場が以前の状況に戻るまでにはしばらく時間を要するものと見られる。このため、同社はBtoC領域の展開を本格的に取り組み始めている。具体的には、ドライブスルー形式での販売にも着手しており、5月には(株)フードサプライと協業してさらに販売拠点を拡大していく予定にしている。さらにはスーパー、給食事業者への営業を強化し、新たな販売チャネルの拡大にも着手している。BtoC領域の開拓により業務用の落ち込みを最小限に食い止め、2021年3月期第2四半期以降の黒字化を目指していく。 3. 次期中期経営計画のポイント 次期中期経営計画についても公表を延期しているが、同社では検討課題として、「既存デリカモデルの更なる拡充」「新たな領域での事業モデル展開」「リスク耐性を有する事業基盤の構築」「ESGを重視した広い視野と将来を見据えた経営」の4点を挙げている。既存デリカモデルの拡充においては、複数ヶ所のFSセンター新設を視野に入れている。九州については2020年4月にFSセンターが新たに稼働しており、売上規模の拡大と仕入れ先(契約農家)の拡充に取り組んでいく方針となっている。新たな領域への展開については、BtoC領域での展開に加えて、丸野菜・カット野菜・真空加熱野菜に次ぐ商品展開も想定している。新たな商品ラインナップにて、外食店舗にすべての形態の野菜を供給できることになる。ESG経営については、「農と健康を繋ぐ創造企業」として外食・中食産業の価値創造、農業の発展と人々の健康づくり、環境への配慮や社会貢献性などを意識した経営に取り組んでいく方針となっている。 ■Key Points ・業務用の野菜卸しとカット野菜の業界最大手で、売上高の約8割は外食業界向け ・新型コロナウイルスの影響で2021年3月期業績見通しは未定、BtoC領域の開拓に取り組む ・次期中期経営計画では、既存デリカモデルの拡充、BtoC領域での事業モデル構築、ESGを重視した経営等に取り組んでいく方針 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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時価総額 8,202百万円
青果物商社のデリカフーズを中核とする持株会社。外食・中食産業向けにホール野菜、カット野菜等を販売。物流事業、コンサル事業等も。24年3月に大阪FSセンターが竣工。中計では27.3期売上高600億円目標。 記:2024/06/25