マーケット
4/19 15:15
37,068.35
-1,011.35
37,775.38
+22.07
暗号資産
FISCO BTC Index
4/19 22:46:20
10,049,896
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

アドクリ Research Memo(8):ASP事業は新サービスをリリース予定、BPO事業は本格展開を目指す

2020/6/19 16:18 FISCO
*16:18JST アドクリ Research Memo(8):ASP事業は新サービスをリリース予定、BPO事業は本格展開を目指す ■アドバンスクリエイト<8798>の今後の見通し 2. 事業セグメント別見通し (1) 保険代理店事業 保険代理店事業については、期初計画で前期比1ケタ台の増収増益を見込んでいた。第2四半期までは順調に進捗していたが、前述したとおり新型コロナウイルスの影響もあって、申込ANPは非対面販売を除いて低調に推移している。特に、協業ANPについては、緊急事態宣言が発令されたこともあって、4月は前年同月比23%減と2ケタ増ペースから一転して、マイナスに転じた。申込ANPの動きが売上高にダイレクトに影響するわけではないものの、第3四半期についてはやや厳しい状況が想定される。ただ、緊急事態宣言も5月下旬で解除されたことを受け、6月以降はこうした状況も徐々に改善に向かうものと予想される。同社では、SNSやチャットボット等の活用、「保険市場」のユーザビリティ向上に取り組むことで、資料請求・アポイント件数を増やしていくほか、「オンライン面談」にも取り組むことで販売件数を増やしていく戦略だ。なお、対面営業では1日当たり平均2.5件の面談件数であったが、オンライン面談では移動時間が不要なため、1日当たり平均5、6件の面談が可能となる。このため、生産性向上に向けた最適な営業プロセスを確立できれば、一段の収益拡大が見込めることになる。 (2) ASP事業・BPO事業 ASP事業の売上高は前期比2ケタ増収増益を目指す。新型コロナウイルスの影響や当初は2020年1月ごろを予定していた新サービス「番頭(BANTO)」のリリースが半年ほど遅れることもあって、期初計画よりも進捗は遅れ気味となっているが、「番頭」のリリースによって新規顧客の獲得と既存顧客のアップセルに取り組み、成長を加速化していく方針だ。 「番頭」は共通プラットフォーム「ACP」上で、顧客が申し込んだ保険契約の成立状況や、既契約の異動情報を自動的に保険会社のシステムに照会し、顧客管理システムに自動入力するシステムとなる。募集人の照会作業を短縮し、保険契約の成立連絡や異動情報に伴う契約確認など従来以上にスムーズに行うことが可能となり、業務効率の向上につながるサービスとなる。照会できる保険会社は現在、「ACP」に連携する生命保険会社14社となる。既に「丁稚」を利用している代理店にとっては「番頭」も同時に使うことで、業務効率が一段と向上することから導入する可能性が高く、1ID当たりの平均売上単価上昇が見込まれる。追加料金としては月額数百円程度と見られる。 また、顧客管理システム「御用開き」の1機能として「オンライン面談」が利用できるよう、同社では開発を行っている。面談内容の録画など、面談の透明性確保と利便性の向上を図ることができるのが特長で、保険業界では顧客の管理体制が厳しく問われていることからも、大きな訴求ポイントになると思われる。 今後は顧客の保全システムについても外販していく予定となっている。これら機能を追加していくことで「ACP」の価値をさらに高め、顧客件数並びに売上高の拡大を図っていく戦略だ。同システムを利用する可能性のある保険募集人は、同社の提携代理店だけで約5.7万人であり、今後の成長ポテンシャルは大きい。 そのほか、同社が直営店の顧客向けに提供している無料の保険証券管理アプリ「folder」についても、今後OEM販売を拡大する予定となっている。「folder」は保険証券をスマートフォンで撮影してクラウド上に保存・管理できるアプリで、契約データを紐付けることで、契約先保険会社との連絡先が連携されるほか、家族同士の共有も可能となっている。旅行先でトラブルがあった際や、災害などで保険証券が紛失した際に、「folder」で管理していれば保険金の請求手続きなどもスムーズに行うことができる。顧客サービスの向上と囲い込みにつながるツールとして、他の保険代理店でもニーズがあると見ており、引き合い状況を見ながら販売を進めていく予定となっている。なお、2020年3月末時点で同アプリのダウンロード数は19,705件、保険証券登録数は15,599件と順調に拡大している。 同社ではASP事業に加えて新規事業としてBPO事業についても本格展開を2020年9月期中に開始する予定であったが、現在人的リソースがフル稼働の状況にあり、体制が整備できてから本格展開を進めていくことにした。BPO事業では、デジタルコミュニケーション開発部(旧 DCコンタクトセンター)業務で蓄積してきたノウハウを生かして、保険会社や保険代理店から保全業務のアウトソーシング需要を取り込むことを考えている。保全業務の1つである保険料の未払い契約者に対する督促業務については通常、電話やDMなどで契約者に通知するが、反応率が極めて低く業界共通の課題となっている。こうした分野において、同社はプロモーション施策で培ってきたSNSやSMSを使ったアプローチ手法を取り入れながら、費用対効果の高いサービスを提供できると見ている。また、保険契約者への満足度調査等のアンケートや住所変更手続き等も行っていく。受注形態は請負または派遣となり、管理証券数に応じて受注額も変動する格好となる。既に、試験的に数社から受注し、BPOサービスを開始しているが、本格的な展開は2021年9月期以降となる見通しだ。 (2) メディア事業 メディア事業については、2020年9月期も好調に推移する見通しで、売上高は2ケタ増収となる見通し。保険選びサイト「保険市場」の広告収入は、広告枠の単価上昇や広告枠のバリュエーションを増やすなどしており、引き続き増収が見込めるほか、保険会社からの広告運用についても拡大が見込まれる。 (3) 再保険事業 再保険事業については1ケタ台の増収増益が見込まれる。既存顧客からの再保険契約の積み上げに加えて、新たに生命保険会社1社と契約できる可能性がある。既に、同社が販売する生命保険商品の再保険カバー率は9割近くに達しているため、今後は販売保険額と連動した売上成長が見込まれる。営業利益については保険金支払い損害率の動向次第となるため流動的ではあるものの、基本的には増益基調が続く見通しだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
関連銘柄 1件
8798 東証プライム
1,029
4/19 15:00
-5(%)
時価総額 23,211百万円
国内最大級の保険代理店。比較サイト「保険市場」を通じて生保や損保、少額短期保険を販売。ASP事業は売上横ばい。固定費の圧縮等により、保険代理店事業は損益改善。販管費は減少。24.9期1Qは黒字転換。 記:2024/02/24