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ブランディング Research Memo(3):中小企業向けブランディング支援における一連のプロセスに対応(1)

2020/1/10 15:03 FISCO
*15:03JST ブランディング Research Memo(3):中小企業向けブランディング支援における一連のプロセスに対応(1) ■会社概要 2. 事業内容 ブランディングテクノロジー<7067>の事業内容は、中小企業を対象としたブランディング支援である。2019年に6月に東証マザーズに上場し、中小企業を対象に当該事業を行う企業として初の上場企業となった。 同社の事業は、企業のブランディング(ブランドの構築)のサポート業務だが、実際の内容としては広告代理店のそれと非常に近い。現実に、中堅企業から大手企業を対象としたブランディング支援では、電通グループ<4324>をはじめとする総合大手広告代理店や大手インターネット広告代理店が営業地盤を確立している。 それに対して同社は、中小企業を顧客としている点に特長がある。中小企業は、大手企業に比べて人材や資金の点で制約が多いことに加え、「ブランド」への意識自体も大手企業に比べて低い。事業環境として見た場合、大手企業に対するそれとはかなり異なり、ブランドとは何かから始まり、それを構築することの重要性を説き、一緒にブランド戦略を練り上げるなどの、より丁寧で手間のかかる作業をすることが必要になる。そうした同社の一連のプロセスを理解することで、事業モデルや強み・特長への理解もより深まると弊社では考えている。 (1) 同社が考える「ブランド」とは何か 同社の事業を理解する上では、同社の事業における「ブランド」とは何かをまず理解することが重要だ。 同社は、ブランドを「らしさ」と定義している。人となりを表現して「〇〇さんらしい」というときの「らしさ」だ。企業は法人格を与えられて契約の主体となりえるが、「らしさ」を身に着けることも企業にとっては重要なことであり、その「らしさ」を武器として成長の実現につなげようというのが、同社が考えるブランディング戦略である。 ブランドを構成する要素として同社は、1)理念としての存在意義、2)ビジョン(目指す未来)、3)コーポレートストーリー、4)行動指針や社是・社風、5)競合優位性の明確化、の5つを挙げている。これらの要素をブラッシュアップ(磨き上げ)し、一貫性を持たせることでブランドの構築につながるというのが同社のベースとなる考えだ。 ブランディング(ブランド構築)の効果としては、1)採用力・育成力の向上、2)顧客・取引先の創造、3)組織力の強化、3つを挙げている。いずれも企業としての体質強化と成長の重要なカギを握るものと言える。 端的に言うと、ブランドを構築することこそが企業として成長を実現するための第一歩になるということであり、同社はこれを「ブランドファースト」と表現している。同社の事業の本質は、“ブランドファースト経営”を中小企業に浸透させることにある。この点は、同社自身を“中小企業向けの総合広告代理店”という存在に差別化するという意味でも、重要なポイントだと弊社では考えている。 「ブランドファースト」を図式化した図を見ると、ボウリングでは10本のピンを倒してストライクを狙いにいくが、それになぞらえ、ブランドをストライク獲得に不可欠なセンターピンに位置付けている。まずはしっかりとブランドというセンターピンを倒し、そこからの波及効果で企業体質の強化と成長の実現を目指す構図になっている。 より細かく言うと、5つの要素からなる「らしさ」を確立すると、その効果は対外的にも(アウターブランディング)、社内的にも(インナーブランディング)浸透していく。そしてそれは、組織力や営業力、採用力といったところに反映され、さらに、細部・各論での強化へとつながっていく、という流れだ。 さらに重要なことは、こうした流れができると、「ブランド構築(「らしさ」構築)⇒営業力・採用力等の強化⇒企業としての成長⇒ブランド価値の向上⇒営業力・採用力等の強化⇒・・・」という好循環(ポジティブスパイラル)の確立が期待されることだ。注意を要するのは、ブランドの構築が自動的にこのポジティブスパイラルを生み出すわけではないということだ。当該企業の経営力や戦略というものが大きな要素を占めるためだ。逆に言えば、ブランディング支援の後工程として、ポジティブスパイラルを生み出すための支援もまた、同社にとってのビジネスチャンスになり得る。この点については同社でも考えられていると見られ、後述する中長期成長戦略の中に組み込まれると弊社では期待している。 改めて整理すると、ブランドは決してブランドメッセージやロゴ、コピーなどではない。企業は、顧客や取引先に対して自社を強く印象付けるためにこれらを前面に打ち出すことが多いが、これらはあくまで自分「らしさ」を表現するための手段に過ぎず、表層的なものだ。「らしさ」というブランドの本質的な部分があって初めてその本来の効果を発揮できる。 こうしたブランドの本質やそれが持つ有用性や意義が理解できると、ブランドが必要なのは大企業に限らないということが理解できるだろう。しかし現実には、中小企業においてはブランディングとは大企業に特有のものという考え方が根強く残っており、ブランディングへの取り組みが遅れている。同社はこの点をビジネスチャンスとして認識し、中小企業に特化してブランディングの支援を行っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《YM》
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時価総額 1,248,815百万円
国内最大の広告代理店。メディア確保力や広告企画力、コンサルティングなどに強み。配当性向は35%目標。日本はCT&T領域が引き続き好調。米州はM&Aや円安効果などで収益堅調。23.12期通期は増収。 記:2024/02/25
1,053
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時価総額 1,706百万円
集客戦略におけるブランドコンサルティングやwebサイト制作、広告運用、SNS運用、DX等のコンサルティングを行う。ブランド事業は不採算案件が減少傾向。24.3期3Q累計はオフショア関連事業が堅調。 記:2024/02/23