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C&GSYS Research Memo(3):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ(2)

2019/9/17 15:13 FISCO
*15:13JST C&GSYS Research Memo(3):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ(2) ■会社及び事業の概要 3. 事業内容 C&Gシステムズ<6633>の事業セグメントは、金型設計・製造用のCAD/CAMシステムの製造、販売、保守サービスを行う「CAD/CAMシステム等事業」と金型製造を請け負う「金型製造事業」の2事業。2018年12月期のセグメント別売上高比率は、CAD/CAMシステム等事業が86.6%、金型製造事業が13.4%であった。 (1) CAD/CAMシステム等事業 さらにCAD/CAMシステム等事業は3つに分類され、2018年12月期の実績ではCAD/CAM製品の販売が売上高の30.3%、保守サービスが52.3%、開発サービスが4.0%に分けられる。 a) CAD/CAMと同社の領域 CADとはコンピュータを利用して各種製品や部品などの設計を行うシステム(ソフトウェア)のことである。自動車のボディや各種製品の形状設計、部品設計、金型設計、電子回路設計等に利用される。この中で同社が扱っているのは、「金型設計用」であり、同じCADであっても車体デザイン用や電子回路設計用などとは領域(市場)が異なる。 上記のCADで設計された製品や部品の多くは、最終的にはNC(Numerical Control)工作機械を使って製造されるが、そのためにはあらかじめCADで設計されたデータをNC工作機械用の数値データに変換することが必要で、これを行うのがCAMである。このため、通常はCADとCAMは一体で使用されるが、別々に利用される場合もある。同社においても、CAD/CAM一体で販売するケースとそれぞれ別々に販売するケースがあるが、CADとCAMの売上高内訳は公表されていない。 製品価格はオプション追加の有無等により150万~600万円ほどになるが、平均では1システム当たり300万円ほど。CAD/CAMシステムは一種のパッケージソフトであるが、ハードウェアについては特別の制限はなく、一般のPCでグラフィックス機能が強化されたものであれば使用が可能。顧客の買い換えサイクルは、リース期間との関係もあり平均で5年ほどであるが、特別な技術革新が進んだ場合やハードウェアの陳腐化などによって、サイクルが早まる場合もある。 b) 主要ユーザー 主要ユーザーはトヨタ自動車<7203>、アイシン精機<7259>、ヤマハ発動機<7272>、パナソニック<6752>、オムロン<6645>、アルプスアルパイン<6770>、ニフコ<7988>、TOTO<5332>、ニコン<7731>、キヤノン<7751>、オリンパス<7733>などの大手メーカーから中小金型メーカーまで幅広く、総ユーザー数(事業所数)は7,000(主に国内6,000事業所、海外1,000事業所)を超えている。ただし、これらの顧客のうち約5,500事業所は従業員20人未満の中小メーカーとのこと。販売は約80%が代理店経由(大手代理店5社、主要1次代理店約30社)、約20%が直接販売となっているが、代理店販売であっても同社の技術スタッフが同伴するケースが多く、顧客ニーズを細かく汲み取っている。 c) 市場シェア 国内の金型設計用CAD/CAMシステム市場における同社のシェアは約20%で、国内では日本ユニシス<8056>グループに次いで第2位と推定されている。ただし同データに掲載された他社の売上高の中にはCAD/CAMシステム及び金型向け以外の売上高も含まれていることから、純粋に金型向けのCAD/CAMシステムだけの市場シェアで考えれば、同社の実質的なシェアは40~50%前後と推測される。 d) 特色と強み 同社は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小様々な金型に対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きい金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。 特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、業界トップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。 ※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。 そのため同社の顧客(事業所)数は、前述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後となっており、業界平均を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。 また、同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点に、CAD/CAM販売子会社、テクニカルセンター及び総代理店を設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供することができ、またこれにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲い込みが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。 以下は、同社製品の主な導入事例である。 1) (株)名古屋精密金型 自動車のヘッドライト関連部品のプラスチック射出成形金型製造を一貫して手掛け、ワールドワイドに業務を展開する名古屋精密金型は、同社が提供するCAD/CAMシステム「CAM-TOOL」による同時5軸の導入によって、CAM作業の部分だけでも5割の工数削減を実現、課題であった放電加工においても3割の工数削減を実現した。また5軸化により工作機械の有人運転から無人運転への切り替えも可能となり、リードタイムが大幅に短縮した(参考:CGS-LETTER Vol.62 2017年12月12日号)。 2) (株)村元工作所 自動車部品や家電、情報機器関連の多種多様な金型製造から製品アセンブリまで国内外で手掛ける村元工作所は、2000年に同社の「EXCESS-PLUS」を導入、さらに2015年、2次元及び3次元モデルのハイブリッド設計を可能にした「EXCESS-HYBRID II」を採用、新たに搭載された「見込み変形機能」により中間工程モデリング工数が60%削減するなど大幅な時間短縮を実現。現在は「EXCESS-HYBRID II」を22シート導入し、金型形状の更なる複雑化、高精度化に対応している(参考:CGS-LETTER Vol.60 2017年10月31日号)。 さらにCAD/CAMシステム等事業においては、話題となっている3Dプリンタの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし、同社が開発を進めているのは単なる樹脂の積層による簡単な3Dプリンタではなく、高精度な工作機械(マシニングセンターやNC旋盤)と組み合わせ、同時5軸制御によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度な分野(3Dプリンタ+工作機械)である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMソフトウェアのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。 (2) 金型製造事業 金型製造事業は、北米の自動車部品メーカー(日系及び米系)から金型の製造を受注し、これを同社がアジア(主に韓国)の金型メーカーへ発注、そして同社経由でユーザーへ納入するもので、すべて米国向けである。売上金額は2018年12月期で連結売上高の13.4%を占め、利益を計上している。また、為替変動の影響を受けるが、収益への影響は軽微である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《ST》
関連銘柄 13件
5332 東証プライム
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6633 東証スタンダード
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時価総額 3,215百万円
金型用CAD/CAMシステムメーカー。国内シェアは約20%。金型製造の請負も展開。部品加工市場向けCAD/CAMシステムの展開やIoT分野への事業展開を推進。顧客の設備投資抑制で、23.12期は足踏み。 記:2024/02/23
6645 東証プライム
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時価総額 1,115,992百万円
制御機器大手。電子部品や車載機器、自動改札機、血圧計等の健康医療機器も手掛ける。家庭用血圧計で世界トップシェア。24.3期3Q累計はヘルスケア事業が堅調。中国におけるネブライザの需要増などが寄与。 記:2024/02/13
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時価総額 3,547,339百万円
総合家電大手。家電、住設設備、FA機器、電池も。24.3期上期は家電、FAが低迷も自動車部品が好調。米国の補助金も効いて増収増益に。液晶子会社解散で税負担減。通期最高純益を計画。自動車部品子会社は売却へ。 記:2023/12/12
6770 東証プライム
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時価総額 262,699百万円
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7203 東証プライム
3,792
3/29 15:00
-14(%)
時価総額 61,866,431百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7259 東証プライム
6,221
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時価総額 1,833,173百万円
自動車部品大手。パワトレ機器やブレーキ部品に強み。トヨタ系列。電動車向け製品を強化中。24.3期上期は客先の増産を受けて大幅増益に。通期計画を上方修正。中計では26.3期に営業益3000億円以上を目指す。 記:2023/12/12
7272 東証プライム
1,423.5
3/29 15:00
+34(%)
時価総額 1,495,603百万円
輸送機器大手。二輪で世界2位、船外機やウォータービークルでは世界トップ級。産業用ロボット、ゴルフカー、発電機なども事業領域。水素エンジン搭載ゴルフカーを開発。出荷増で23.12期営業利益は過去最高益更新。 記:2024/02/23
7731 東証プライム
1,531
3/29 15:00
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時価総額 579,234百万円
大手光学機器メーカー。カメラと半導体やFPDの露光装置で世界的。眼科領域の顕微鏡等も製造、販売する。今期3Q累計は映像事業や半導体向け露光装置が増加も、FPD露光装置やコンポーネントが足踏みとなった。 記:2024/03/11
7733 東証プライム
2,212.5
3/29 15:00
+39(%)
時価総額 2,845,036百万円
内視鏡世界首位。消化器内視鏡で世界シェア7割。外科用も手掛け、顕微鏡、非破壊検装置も展開。ソニーと医療分野での協業を強化。キヤノンメディカルシステムズとは超音波内視鏡システムで協業。3Q累計は増収確保。 記:2024/02/14
7751 東証プライム
4,501
3/29 15:00
±0(%)
時価総額 6,003,267百万円
カメラ、複合機大手。レーザープリンターやデジカメで世界首位。光学技術に強み。レンズ交換式デジタルカメラはミラーレスカメラの新製品中心に堅調。ネットワークカメラ等も需要増。23.12期3Qは増収増益。 記:2024/01/16
7988 東証プライム
3,861
3/29 15:00
+73(%)
時価総額 415,092百万円
合成樹脂成型製品メーカー。工業用プラスチックファスナーや小型ダンパー、燃料タンクシステム向け製品、エンジン・トランスミッション関連製品を手掛け、樹脂製ファスナーで高シェア。業容好調で3Q累計は営業増益。 記:2024/02/27
8056 東証プライム
4,531
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