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後場に注目すべき3つのポイント~徐々に広がる買いづらさ

2023/9/12 12:20 FISCO
*12:20JST 後場に注目すべき3つのポイント~徐々に広がる買いづらさ 12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は4日ぶり反発、徐々に広がる買いづらさ ・ドル・円は反落、日本の金利高と人民元高で ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984> ■日経平均は4日ぶり反発、徐々に広がる買いづらさ 日経平均は4日ぶり反発。197.95円高の32665.71円(出来高概算7億2702万株)で前場の取引を終えている。 11日の米株式市場でダウ平均は87.13ドル高(+0.25%)と3日続伸、ナスダック総合指数は+1.13%と続伸。イエレン財務長官がインフレは着実に鈍化し、景気後退を回避する軌道にあると楽観的な見解を示したことが投資家心理を支えた。また、証券会社によるレーティング格上げが好感された電気自動車大手のテスラを筆頭としたハイテク株高が全体をけん引した。米株高を受けて日経平均は161.4円高からスタートすると、寄り付き直後に32749.35円(281.59円高)まで上昇。一方、日本銀行の政策修正観測の高まりを背景とした国内長期金利の上昇が重しとなった。ハイテク株を中心に下落し、日経平均は大きく失速、前場後半には18.72円高まで上げ幅を縮めた。ただ、時間外取引のナスダック100先物が強含みで推移するなか、前引けにかけては再び騰勢を強める展開となった。 個別では、トヨタ自<7203>、マツダ<7261>、ホンダ<7267>の自動車株が全般上昇。川崎汽船<9107>などの海運や、石油資源開発<1662>、三菱ケミG<4188>などバリュー(割安)系が堅調。KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>の通信、武田薬<4502>、塩野義<4507>の医薬品なども高い。ABCマート<2670>と日軽金HD<5703>は証券会社のレーティング格上げが好感された。好決算や業績上方修正を材料に正栄食<8079>、萩原工業<7856>などが急伸している。 一方、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>の半導体株や、イビデン<4062>、本日決算を予定している三井ハイテック<6966>のハイテク関連が全般下落。日本製鉄<5401>、JFE<5411>の鉄鋼の下落も目立つ。MS&AD<8725>、SOMPO<8630>は国内証券のレーティング格下げが嫌気され、保険株全体も連れ安となっている。ほか、IHI<7013>が急落。米航空機エンジンのプラット・アンド・ホイットニーが手掛けるエンジンで見つかった製造過程での欠陥について、同エンジンに参画している同社も業績への影響が懸念されたようだ。代表取締役社長の辞任が発表されたネクステージ<3186>はストップ安となっている。 セクターでは医薬品、輸送用機器、繊維製品が上昇率上位に並んでいる一方、鉄鋼、保険、卸売が下落率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄が全体の65%、対して値下がり銘柄は31%となっている。 前日の週明けの米株式市場ではレーティング格上げが材料視された電気自動車(EV)大手のテスラを筆頭にアマゾン・ドット・コムやメタ・プラットフォームズなどハイテク株が大きく上昇し、ナスダック総合指数は+1.13%と続伸した。米10年債利回りが4.29%と(先週末8日は4.27%)と上昇するなかでも米ハイテク株が上昇したことは目先の安心感を誘う。 一方、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+0.09%とほぼ横ばいにとどまった。また、日本では先週末の一部報道を受けて、日本銀行がマイナス金利の解除に想定以上に早く取り掛かるのではとの思惑が高まり、国内の長期金利が上昇してきていることも重しになっている。新発10年物国債利回りは11日に0.705%と、2014年1月以来およそ9年8カ月ぶりの水準にまで上昇したが、本日は0.720%まで上値を伸ばしている。 日米の長期金利の上昇を受けて、東京市場でもハイテク株、とりわけ半導体株の下落が目立っている。生成AI(人工知能)関連の筆頭格として注目されてきたアドバンテスト<6857>は下落トレンドが強まっており、日足ではサポートになりそうな移動平均線が200日線くらいしか見当たらない。週足では13週線を下回って26週線も下回りそうなところまで下げてきている。26週線も下回ってしまうようだと、株価の調整は一段と厳しいものになりそうだ。 また、半導体株の中でも比較的値持ちのよかったディスコ<6146>も本日は大きく下落し、遂に25日線を割り込んできている。半導体株の調整色が続くなか、日米の長期金利の上昇を通じて、買いづらさが意識される対象は次第にハイテク全般から内需系のグロース(成長)株にまで広がってきている印象がある。前日急伸した銀行株は本日も底堅い動きを見せているが、買える対象が銀行株に限られてきた感もあり、ムードは良くない。 12日には米アップルの新製品発表イベントが開催されるが、中国による同社への規制が強化されるなか、期待感は萎んでいるように見受けられる。イベントをもって同社株をはじめハイテク株の動きが好転していく可能性は低そうだ。その後に米消費者物価指数(CPI)、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、米卸売物価指数(PPI)などの重要イベントが控えていることを踏まえれば、なおさらだろう。日銀の政策修正観測が高まり、来週には日米の金融政策決定会合も控えるなか、ハイテク株は当面上値の重い展開が続きそうだ。 ■ドル・円は反落、日本の金利高と人民元高で 12日午前の東京市場でドル・円は反落。日経平均株価の堅調地合いで円売りが先行し、一時146円80銭まで値を上げた。ただ、日本の長期金利上昇を受け、円買いが強まった。また、ドル・人民元の弱含みでドル・円への下押し圧力が続いているようだ。ここまでの取 引レンジは、ドル・円は146円43銭から146円80銭、ユーロ・円は157円38銭から157円78銭、ユーロ・ドルは1.0738ドルから1.0768ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ギグワークス<2375>、フュートレック<2468>など、6銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・特になし 【要人発言】 ・鈴木財務相 「日銀には物価目標実現に向け、適切な金融政策運営を期待している」 <国内> 特になし <海外> ・15:00 英・5-7月ILO失業率(予想:4.3%、4-6月:4.2%) 《CS》
関連銘柄 28件
1662 東証プライム
1,090
11/22 15:30
+20(%)
時価総額 280,130百万円
石油開発最大手。日本政府が筆頭株主。北海道、秋田県、山形県、新潟県に油ガス田を保有。海外はイラク・ガラフ油田など。E&P事業は売上伸長。北米、中東における原油販売量の増加が寄与。人件費増が重し。 記:2024/09/04
2375 東証スタンダード
310
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 6,808百万円
コールセンター等のBPO業務を人材確保、業務構築、品質管理まで一括で提供するオンデマンドエコノミー事業が主力。デジタルマーケティング事業等も。シェアリングエコノミー事業では既存店の稼働率向上を優先。 記:2024/10/11
2468 東証スタンダード
196
9/26 15:00
+11(%)
時価総額 1,863百万円
2024年10月1日を効力発生日として、エーアイを吸収合併存続会社、同社を吸収合併消滅会社として吸収合併。 これにより2024年9月27日をもって同社は上場廃止。 記:2024/09/29
2670 東証プライム
3,044
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 753,752百万円
ABCマートを運営する靴小売大手。ナイキ、アディダスなどのブランドと強固な関係を構築。オッシュマンズ・ジャパン等を傘下に収める。グループ店舗数は1490店舗超。国内は高付加価値スニーカー等の販売に注力。 記:2024/10/24
3186 東証プライム
1,468
11/22 15:30
-24(%)
時価総額 118,629百万円
大手中古車販売会社。総合店「ネクステージ」に加え、SUV専門店「SUV LAND」や中古輸入車大型専門店「UNIVERSE」などを展開。店舗数は320店舗超。計画出店継続による市場シェア獲得などを図る。 記:2024/07/05
4062 東証プライム
4,888
11/22 15:30
+125(%)
時価総額 688,529百万円
ICパッケージ基板で世界トップシェア。1912年に揖斐川電力として創業。岐阜県大垣市に本社。自動車排気系部品等のセラミック事業も。電子事業は生成AI用サーバー向けが順調。28.3期売上6500億円目標。 記:2024/06/15
4188 東証プライム
830.8
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 1,251,424百万円
総合化学国内最大手の三菱ケミカル、田辺三菱製薬、日本酸素ホールディングスを傘下に収める持株会社。MMAモノマーで世界トップシェア。25.3期はスペシャリティマテリアルズ、石化製品等の需要回復を見込む。 記:2024/06/24
4502 東証プライム
4,113
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 6,543,528百万円
国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
4507 東証プライム
2,094.5
11/22 15:30
+35.5(%)
時価総額 1,863,334百万円
製薬会社大手。1878年創業。抗HIV薬、抗インフル薬など感染症分野に強み。自社創薬比率が高い。HIVフランチャイズなどロイヤリティー収入が収益源。国内における急性呼吸器感染症薬の販売拡大などを図る。 記:2024/08/06
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
1,527
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 94,665百万円
アルミニウム総合メーカー。日本軽金属、東洋アルミニウムなどを傘下に収める持株会社。セラミック用アルミナや自動車用アルミ電線、メタリック顔料などを手掛ける。25.3期は板、押出製品などの増収を見込む。 記:2024/07/26
6146 東証プライム
42,590
11/22 15:30
+210(%)
時価総額 4,613,221百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6966 東証プライム
763
11/22 15:30
-7(%)
時価総額 150,566百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
7013 東証プライム
8,529
11/22 15:30
-192(%)
時価総額 1,319,266百万円
総合重工メーカー大手。1853年に石川島造船所として創業。産業システム・汎用機械、資源・エネルギー・環境、航空・宇宙・防衛等の分野で事業展開。航空エンジン・ロケット分野、クリーンエネルギー分野に注力。 記:2024/09/02
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7261 東証プライム
1,003
11/22 15:30
-2.5(%)
時価総額 633,699百万円
1920年創業の自動車メーカー。広島県安芸郡府中町に本社。トヨタと資本業務提携。人気車種にクロスオーバーSUV「CX-5」など。高効率エンジン等に強み。北米市場は販売順調。25.3期は販売台数増を見込む。 記:2024/08/30
7267 東証プライム
1,362.5
11/22 15:30
+17(%)
時価総額 7,194,000百万円
自動車と二輪車の大手。二輪車は世界トップ。船外機や発電機、航空機などエンジン搭載の多商品を展開。四輪事業は伸長。主力の北米を中心に販売台数が増加。二輪はアジアが好調。中国の持ち分法適用会社が伸び悩み。 記:2024/07/03
7856 東証プライム
1,404
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 20,917百万円
合成樹脂加工製品事業を展開。国産ブルーシートでトップシェア。防音シート、スノーテックス、土のう等のほか、スリッターなどの機械製品事業も。岡山県倉敷市に本社。原材料見直し等による原価低減に取り組む。 記:2024/10/07
8079 東証プライム
4,465
11/22 15:30
+30(%)
時価総額 76,352百万円
原料乳製品や製菓原料、乾燥果実・ナッツ類などを取り扱う食品専門商社。OEM供給や自社ブランド品等も。1904年創業。取り扱い品目は1万種類以上。中国事業の黒字安定化、米国事業の強化などに取り組む。 記:2024/10/26
8630 東証プライム
3,863
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 1,275,408百万円
大手損害保険会社の損害保険ジャパンを中核とする持株会社。セゾン自動車火災保険、SOMPOひまわり生命保険、SOMPOケアなども傘下に持つ。自動車保険が主力。海外保険事業では地域、事業領域の拡大を図る。 記:2024/08/30
3,531
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 5,678,604百万円
3メガ損保の一角。三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、三井ダイレクト損害保険などを傘下に収める。総資産は27兆円超。事業・リスクポートフォリオなどの変革で安定収益基盤の構築を図る。 記:2024/10/09
9107 東証プライム
2,155
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9433 東証プライム
5,030
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 11,024,985百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。ローソンへのTOBは成立。au PAYカードの会員数が944万人を突破するなど金融事業は順調。 記:2024/06/04
9434 東証プライム
193.7
11/22 15:30
+0.8(%)
時価総額 9,235,495百万円
通信キャリア大手。個人向けモバイルサービス、ブロードバンドサービスの提供等を行うコンシューマ事業が主力。メディア・EC事業等も手掛ける。コンシューマ事業では付加価値サービスの拡充等で収益拡大を図る。 記:2024/08/05
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17