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後場に注目すべき3つのポイント~「インフレ下の消費」に揺れる

2022/5/19 12:18 FISCO
*12:18JST 後場に注目すべき3つのポイント~「インフレ下の消費」に揺れる 19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は5日ぶり大幅反落、「インフレ下の消費」に揺れる ・ドル・円は切り返し、米金利に追随 ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファーストリテ<9983> ■日経平均は5日ぶり大幅反落、「インフレ下の消費」に揺れる 日経平均は5日ぶり大幅反落。672.80円安の26238.40円(出来高概算6億4000万株)で前場の取引を終えている。 18日の米株式市場でNYダウは4日ぶりに大幅反落し、1164ドル安となった。下げ幅は今年最大で、終値としては年初来安値を更新。前の日に決算発表したウォルマートに続き、この日決算発表したターゲットも業績が大きく悪化。小売り大手でさえない決算が相次いだことを受け、インフレによる景気や企業業績の悪化懸念が強まった。S&P500指数は-4.03%、ナスダック総合指数は-4.72%とその他の主要株価指数も大幅に下落。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで475円安からスタートし、朝方に一時26150.09円(761.11円安)まで下落すると、その後も安値圏で軟調に推移した。 個別では、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、トヨタ自<7203>といった売買代金上位が軒並み軟調。愛知県の工業用水の供給が一部止まり、トヨタ系の1工場が稼働停止するなどと伝わっている。郵船<9101>が5%超下落するなど、海運株は特に軟調ぶりが目立つ。また、F&LC<3563>は大幅続落して取引時間中の年初来安値を更新し、DmMiX<7354>などとともに東証プライム市場の下落率上位に顔を出している。一方、売買代金上位では三菱重<7011>のみプラスとなっており、取引時間中の年初来高値を連日で更新している。任天堂<7974>創業家の資産運用会社が株式公開買付け(TOB)を正式発表した東洋建<1890>は東証プライム市場の上昇率トップ。イオンファン<4343>なども上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、全33業種がマイナスとなり、空運業、輸送用機器、電気機器、サービス業、精密機器などが下落率上位だった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の87%、対して値上がり銘柄は11%となっている。 前日の米株が急落した流れを引き継ぎ、本日の日経平均は600円を超える下落で前場を折り返した。日足チャートを見ると、26000円台後半に集中している5日~75日の各移動平均線を一気に下抜け。前日まで4日続伸するなどまずまずしっかりした動きだったが、短期トレンドの悪化も意識されざるを得ないか。前引けの日経平均が-2.50%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-2.03%。ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆5000億円あまりとまずまず多いが、値幅の割には膨らんでいるように見えない。 個別では東証プライム市場銘柄の9割近くが下落しているが、9日に回転ずし「スシロー」の値上げを発表したF&LCが下落率上位にランクインしているのは注目される。これまで期待が高かっただけに年初来安値更新で損失覚悟の手仕舞い売りが出やすいのだろうが、国内消費の鈍化懸念を示しているようだ。また、業種別では海運業の下落が目立って大きく、投資家のセンチメント悪化と世界経済の先行き懸念を感じさせる。 新興株でもマザーズ指数が-2.48%と大幅反落。既に水準がかなり低いため、日経平均などと比べより大きな下落を強いられているわけではないが、日米株式相場の急落を受けて積極的に買いを入れられる状況にもないだろう。富山大学などとの共同研究を発表したペルセウス<4882>が値を飛ばしているものの、物色は広がりを欠く。メルカリ<4385>が取引時間中の年初来安値を更新するなど、主力IT株は揃って軟調だ。 さて、米株は「インフレ下での消費動向」に大きく揺れた。まず17日発表の4月小売売上高が前月比+0.9%、変動の大きい自動車・同部品を除くベースでも同+0.6%と市場予想(+0.4%)を上回り、「インフレ下でも消費は堅調」と受け止める向きが多かった。ただ、米ブルームバーグが小売売上高はインフレ調整しておらず、「消費者物価高騰の結果である可能性もある」などと指摘していたのは注目すべきだろう。結局、ウォルマートやターゲットといった小売り大手の大幅な業績悪化を受け、消費鈍化が懸念されざるを得なくなった。著名エコノミストのモハメド・エラリアン氏は一時的なスタグフレーション(物価高と景気後退の併存)が避けられず、「市場は深刻な成長低迷のリスクにまだ注意を払っていない」などと警鐘を鳴らしたという。 また、米金融大手ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEO(最高経営責任者)は「極度に懲罰的な」インフレで経済への課税が生じており、「リセッション(景気後退)の可能性はある」との見方を示したという。 こうした有力者の懸念の声が影響しているのだろうが、下値でヘッジ(あるいは投機)目的のプットオプション(売る権利)の利益確定売りが一定程度出てきているものの、それ以上に新規のプット買いが入っているとの観測が聞かれる。実際、低下傾向にあった米株の変動性指数(VIX)は18日、30.96(+4.86)と反騰しており、ボラティリティー(株価変動率)の高まりを織り込む動きが再び強まっているようだ。ここまで、一昨日の当欄「それでもインフレ・市場急変懸念は拭えない」での予想に沿った動きになっていると考えざるを得ない。 前引けのTOPIX下落率が2%を超え、後場は26営業日ぶり(4月7日以来)となる日銀の上場投資信託(ETF)買い実施観測が相場の下支えとなる可能性もあるだろう。しかし、市場の不安定感から積極的に戻りに乗ろうとする動きは限られそうだ。また、今晩の米国では5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月の中古住宅販売件数などが発表される予定で、引き続きインフレ下での経済情勢に注意を払う必要があるだろう。 ■ドル・円は切り返し、米金利に追随 19日午前の東京市場でドル・円は一時128円台に失速したが、その後は128円台半ばに水準を切り上げた。日経平均株価の大幅安でリスク回避の円買いが先行し、主要通貨を下押しした。ただ、米10年債利回りが持ち直すと、ドルは対円で上昇基調に転じた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は127円90銭から128円63銭、ユーロ・円は133円95銭から134円90銭、ユーロ・ドルは1.0461ドルから1.0500ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・日医工<45418>、ペルセウスプロテオミクス<4882>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファーストリテ<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・4月貿易収支:-8392億円(予想:-1兆1500億円、3月:-4124億円←-4141億円) ・日・3月機械受注(船舶・電力を除く民需):前月比+7.1%(予想:+3.9%、2月:-9.8%) ・豪・4月失業率:3.9%(予想:3.9%、3月:4.0%) ・豪・4月雇用者数増減:+0.40万人(予想:+3.00万人、3月:+1.79万人) 【要人発言】 ・NZ政府 「GDP成長率は2022-23年に+4.2%、CPIは25年6月末に目標値1-3%に戻る」 ・ジョルダン・スイス国立銀行総裁 「必要なら為替介入の用意」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 14件
1890 東証プライム
1,215
4/19 15:00
-15(%)
時価総額 114,661百万円
大手海上土木会社。港湾や漁港、海岸、空港の実績多数。鉄道やエネルギー施設、ダム等も手掛ける。繰越工事の増加等で国内土木事業は好調。建築部門では国内官庁向け受注が伸長。24.3期3Q累計は2桁増収増益。 記:2024/03/04
3563 東証プライム
2,928
4/19 15:00
-66.5(%)
時価総額 339,850百万円
回転すし最大手。「スシロー」を中核に、「みさき」やテイクアウトの「京樽」、寿司居酒屋「杉玉」を展開する。アジアでも事業展開。今期は大幅増収、増益スタートとなった。国内の「スシロー」が回復。海外は出店拡大。 記:2024/02/10
4343 東証プライム
2,121
4/19 15:00
-119(%)
時価総額 41,930百万円
アミューズメント施設運営会社。室内のプレイ施設やゲームセンター等を運営。中国やアセアンでも事業展開。国内外で1150店舗展開。国内事業の売上高は過去最高。増収効果等により、24.2期3Qは営業黒字転換。 記:2024/01/27
4385 東証プライム
1,730.5
4/19 15:00
-15(%)
時価総額 278,387百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は250万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。24.6期2Qは大幅増益。 記:2024/02/13
300
4/19 15:00
-4(%)
時価総額 3,528百万円
創薬バイオベンチャー。独自の抗体技術による抗体医薬の創薬に加え、抗体作製や配列解析の研究支援、抗体・試薬の販売を展開。がん細胞を標的とする抗体の研究開発を推進。1Qの抗体研究支援拡大もあり、中間期は増収。 記:2023/12/27
6920 東証プライム
34,350
4/19 15:00
-3,160(%)
時価総額 3,238,724百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。24.6期上期は半導体市況軟化の影響で受注足踏み。だが受注残の消化を進めて大幅増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。増配予定。 記:2024/02/08
7011 東証プライム
1,359
4/19 15:00
-25(%)
時価総額 4,584,788百万円
国内最大の総合重機械メーカー。火力発電プラントで世界トップクラス。造船事業や米ボーイング向け機体製造等も。エナジー部門は受注好調。原子力発電システムの受注増などが寄与。24.3期3Q累計は大幅増益。 記:2024/04/08
7203 東証プライム
3,522
4/19 15:00
-80(%)
時価総額 57,461,384百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
249
4/19 15:00
-18(%)
時価総額 11,133百万円
マーケティングサービス会社。コンタクトセンターの構築や運営、BPO、人材派遣、システムコンサルなどを展開。収益性重視により、23.12期通期はオンサイト事業が黒字転換。24.12期は大幅最終増益計画。 記:2024/02/26
7974 東証プライム
7,455
4/19 15:00
-134(%)
時価総額 9,681,734百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。当期ミリオンセラータイトル数は自社17、他社7の計24本。新作タイトル好調や円安で3Q累計は増収増益。 記:2024/02/27
8035 東証プライム
33,530
4/19 15:00
-3,210(%)
時価総額 15,813,854百万円
世界的半導体製造装置メーカー。半導体の成膜や洗浄の前工程からテストまでの製造装置を展開。リソグラフィーでトップシェア。24.3期3Q累計はウェーハボンディング/デボンディング装置の量産受注が拡大。 記:2024/02/24
9101 東証プライム
4,153
4/19 15:00
+61(%)
時価総額 2,118,715百万円
海運最大手。コンテナ船等の定期船に加え、ドライバルクやエネルギー等の不定期専用船を展開。海洋資源開発等も。物流事業は足踏み。ターミナル関連部門は国内で取扱量が増加。24.3期3Qは不動産業が増益確保。 記:2024/02/23
9983 東証プライム
40,520
4/19 15:00
-430(%)
時価総額 12,894,315百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。24.8期1Qは2桁増収増益。海外ユニクロ事業は堅調。マーケティング強化等が奏功し、中国大陸は販売好調。 記:2024/01/27
9984 東証プライム
7,648
4/19 15:00
-228(%)
時価総額 13,177,152百万円
大手投資会社。傘下にビジョンファンドや通信会社、LINEヤフー等を持ち、AIやインターネット等の分野の企業に投資。今期3Q累計は増収、利益は改善傾向となった。デリバティブ関連や公開投資先の株価上昇が寄与。 記:2024/02/10