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後場に注目すべき3つのポイント~米株高背景に29000円台後半回復、物色はインフレ色強まる

2021/5/10 12:25 FISCO
*12:25JST 後場に注目すべき3つのポイント~米株高背景に29000円台後半回復、物色はインフレ色強まる 10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日続伸、米株高背景に29000円台後半回復、物色はインフレ色強まる ・ドル・円は小高い、日本株高で円売り先行 ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がエムスリー<2413> ■日経平均は3日続伸、米株高背景に29000円台後半回復、物色はインフレ色強まる 日経平均は3日続伸。245.87円高の29603.69円(出来高概算5億6464万株)で前場の取引を終えている。 前週末の米国株式市場でNYダウは史上最高値を更新。4月の雇用統計では市場予想に反して、雇用者数の伸びが予想を大幅に下回ったため回復期待が後退し、寄り付き後、下落。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)が早期に金融緩和を縮小するとの警戒感が後退し、上昇に転じると、引けにかけては、金融緩和の長期化を期待した買いが一段と上げ幅を拡大した。この米株高の流れを受けて週明けの日経平均は19円高で始まると、そのまま上げ幅を一気に拡大し、前場中頃には高値では29685.41円と前営業日比300円超高と上値を伸ばした。前引けにかけてやや失速したが、本日の高値圏で前場を終えている。 個別では、本決算を発表し、今期業績見通しがポジティブ視されたところで、日本製鉄<5401>やJFEHD<5411>、冶金工<5480>、リコー<7752>、メンバーズ<2130>などが大きく買われた。また、第1四半期が大幅増益で業績上方修正も発表したローランド<7944>はストップ高買い気配のまま終えている。そのほか、マルカと株式移転による経営統合を行うことを発表したフルサト工業<8087>もストップ高まで買われた。一方、対照的に業績リリースで失望感を誘ったDeNA<2432>、特殊陶<5334>などは大きく売られている。 売買代金上位では、任天堂<7974>、ソフトバンクグループ<9984>、ソニーグループ<6758>、日本製鉄、トヨタ<7203>、マネックスG<8698>、JFEHD、エムスリー<2413>などが大きく上昇。一方、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>、日本郵船<9101>、三菱商事<8058>、SUMCO<3436>などが軟調となっている。 セクターでは、鉄鋼、石油・石炭製品、鉱業、非鉄金属、その他製品などが上昇率上位となった。一方、小売業、電気・ガス業、海運業、空運業、金属製品などが下落率上位となっている。東証1部の値上がり銘柄は全体の68%、値下がり銘柄は27%となっている。 日経平均は4月19日以来となる29000円台後半にまで水準を戻している。日足の一目均衡表では雲上限を明確に上放れてきた。ただ、まだ三角保ち合いの域を脱しておらず、短期的にはどちらに振れてもおかしくない状況が続く。 今週は主力企業の1-3月期決算がピークを迎える。週初から200近い決算が予定され、数は日を追うにつれて増える。週末には1000近い企業が決算を予定しており、今週だけで2200以上のもの数になる。そのため、今週も決算を受けた個別株物色の動きが強まり、指数の方向感は出にくいだろう。 思い返せば、2月期決算の安川電機<6506>を皮切りに、3月期決算では日本電産<6594>、エムスリーなど、株価がネガティブに反応する決算が序盤は多く、市場には陰鬱としたムードが漂っていた。しかし、その後、ファナック<6954>や東京エレクトロン<8035>などのように好反応ものも増えてきた。米国でも市場予想を上回る決算が想定以上に多く、NYダウは連日の最高値更新だ。対して、日本は、新型コロナウイルスのワクチン接種の遅れなどもあり、出遅れ感が強まっているが、決算がピークを迎える今週の出だしに、日経平均が大きく上昇し29000円台後半にまで回復したことはセンチメントを改善させてくれる。今週のヤマ場において、良好な決算と株価反応の企業が増えてくれば、市場心理の向上とともに日経平均が再び3万円台を捉えてくる展開も想定されよう。 さて、本日の物色動向をみていると、景気敏感株、とりわけ資源関連株(鉄鋼、石油、鉱業、非鉄金属など)の強さが際立っている。グローバルな景気回復というシナリオもさることながら、やはり、改めて話題になってきている世界的なインフレ加速への懸念が背景にあると思われる。前週末に発表された4月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回ったことで、「物価」と「雇用」の双方を政策目標とする米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に金融緩和を縮小する懸念が後退し、このところ1.5%台で安定している米国10年物国債利回りの急反発懸念が後退した。 ただ、一方で期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブンインフレ率(BEI)は対照的に上昇を続けており、BEIは前週末には2.49%まで上昇、さながら青天井の様相を呈している。米国で既に決算を発表済みの企業でも説明会において「インフレ」に言及する企業が例年に比してかなり多いという。また、市場でも、景気循環株・バリュー(割安)株などインフレに対応できる銘柄にシフトすべきとの声を上げる専門家が最近はとりわけ多い印象だ。商品市況も鉄鋼から、アルミ、亜鉛から、トウモロコシなどの食料品まで需給が逼迫している状態長く続いている。 米雇用統計も、市場予想を下回ったとはいえ、コロナ禍での打撃が大きかったレジャーや飲食などのサービス分野はむしろ人手不足で、減少したのは旺盛な需要に供給が追いついていない製造業分野だ。また、失業給付などが就業意欲を低下させているとの指摘もあり、企業は賃金を引き上げても雇用が足りないと嘆いているという。一部の専門家は、今後企業は大幅な賃金引き上げを求められるだろうとも指摘している。 つまり、この先、雇用統計が改めて強い結果を示す可能性は十分にあり得るし、大幅な賃金引き上げに伴い、いまは商品市況に限定されているインフレも、今後は広範に強まる可能性がある。そうなれば、改めて「インフレ加速・長期金利上昇」という動きが警戒され、FRBによる早期金融引き締めなども再度不安視されてきそうだ。今週は米消費者物価指数(CPI)の発表も控えている。決算シーズンの最中で見逃されがちだが、注目だろう。 資源関連株のチャートをみると、既に大きく値上がりしているものが多い。それだけを見ていると、なかなか買いづらいとは思われるが、「インフレ」が今後も中長期のテーマとして存在し続けることを考慮すれば、PBR(株価純資産倍率)が未だに1倍割れの鉄鋼セクターなどは、依然として投資妙味があるとも言えるのではないだろうか。 ■ドル・円は小高い、日本株高で円売り先行 10日午前の東京市場でドル・円は小高く推移し、108円半ばから後半にやや値を上げた。スコットランド議会選の結果を受けリスク回避のムードが見込まれていたが、日経平均株価の上昇で円売りに振れ主要通貨を押し上げた。ただ、円売りは一服しており、材料難で午後は小動きが予想される。 ここまでの取引レンジは、ドル・円が108円47銭から108円92銭、ユーロ・円は131円91銭から132円38銭、ユーロ・ドルは1.2153ドルから1.2177ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・オーナンバ<5816>、GMOメディア<6180>など、3銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がエムスリー<2413> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・4月失業率:6.1%(予想:5.8%、3月:6.0%) ・米・4月非農業部門雇用者数:+26.6万人(予想:+100万人、3月:+77万人←+91.6万人) ・米・4月平均時給:前年比+0.3%(予想:-0.4%、3月:4.2%) ・米・3月卸売在庫改定値:前月比+1.3%(予想:+1.4%、速報値:+1.4%) ・米・3月卸売売上高:前月比+4.6%(予想+1.0%、2月0←-0.8%) ・カナダ・4月失業率:8.1%(予想:7.9%、3月:7.5%) ・カナダ・4月雇用者数増減:-20.71万人(予想:-15万人、3月:+30.31万人) 【要人発言】 ・イエレン米財務長官 「雇用統計は、回復達成への長い道のりを浮き彫りにした」 「雇用の3カ月平均は50万人増」 「回復軌道上にあると確信」 「各月雇用統計には度々修正がある」 「雇用統計は、表明上の結果が示すよりも強い内容」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 26件
2130 東証プライム
1,163
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,610百万円
制作・UIUX、デジタルマーケティング、デジタルサービス開発、データ活用支援の領域で事業展開。ソニーグループ、楽天などが主要顧客。デジタルクリエイター数は2800名超。既存顧客との取引は拡大傾向。 記:2024/10/11
2413 東証プライム
1,425
11/22 15:30
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時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
2432 東証プライム
2,517
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 307,441百万円
ゲームの自社開発・運営、協業タイトル等を手掛けるゲーム事業、「Pococha」等のライブストリーミング事業が柱。横浜DeNAベイスターズを傘下に持つ。ライブストリーミング、スポーツ事業等で成長投資行う。 記:2024/08/02
3436 東証プライム
1,253
11/22 15:30
+4.5(%)
時価総額 438,769百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
5334 東証プライム
4,823
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 960,973百万円
自動車関連事業が主力。スパークプラグ、排気ガス浄化システム用酸素センサで世界トップシェア。半導体製造装置部品、酸素濃縮装置等も。自動車関連分野は高付加価値製品の拡販図る。30.3期売上7500億円目標。 記:2024/06/03
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
5480 東証プライム
3,995
11/22 15:30
-5(%)
時価総額 61,911百万円
大手ステンレス鋼メーカー。1925年創業。ステンレス鋼、床用ステンレス鋼板、高耐食鋼・合金、耐熱鋼・合金等を手掛ける。NASブランドで知られる。中国、インドなどのターゲット市場で高機能材の拡販図る。 記:2024/09/02
5816 東証スタンダード
1,029
11/22 15:30
+3(%)
時価総額 12,922百万円
総合配線システムメーカー。ワイヤーハーネス部門が主力。民生機器用ハーネスで国内シェアトップクラス。ハーネス加工用機械・部品、電線等も。26.12期売上高500億円目標。国内生産拠点の強化等に取り組む。 記:2024/10/09
6180 東証グロース
4,055
11/22 15:30
+265(%)
時価総額 7,579百万円
GMOインターネットグループのメディア事業会社。ポイントタウンやコエテコ、キレイパスコネクトの運営等を行うメディア事業が主力。メディア事業は順調。ブロックチェーンゲーム情報メディアの大幅リニューアル実施。 記:2024/07/02
6506 東証プライム
4,157
11/22 15:30
-70(%)
時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6954 東証プライム
4,114
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7752 東証プライム
1,647
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 966,771百万円
大手複合機メーカー。1936年創業。プリンターやオフィス機器消耗品、電子黒板、ITインフラ、ヘルスケア関連システム等も。海外売上高比率は6割超。25.3期はオフィスサービス事業の堅実な成長などを見込む。 記:2024/06/18
7944 東証プライム
3,970
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 111,807百万円
電子楽器メーカー。電子ピアノ等の鍵盤楽器、ドラム等の管打楽器、エフェクター等のギター関連機器の売上比率が高い。DJ関連製品、映像音響機器等も。24年7月にステージピアノ「RDシリーズ」の新モデルを発売。 記:2024/08/22
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8058 東証プライム
2,646.5
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 11,059,771百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
8087 東証1部
2,381
9/28 15:00
+45(%)
時価総額 34,701百万円
鉄骨建築関連資材・部材の販売会社。アンカーボルトやピース金物、鉄骨金物類等を扱う。機械工具や自動車向機械工具等も扱う。22.3期1Qは増収スタートも、セキュリティ事業の足踏みと販管費の増加が利益に響いた。 記:2021/09/13
8698 東証プライム
1,052
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 271,360百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17