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後場に注目すべき3つのポイント~米国景気の先行き警戒感が後退

2020/10/19 12:43 FISCO
*12:43JST 後場に注目すべき3つのポイント~米国景気の先行き警戒感が後退 19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり反発、米国景気の先行き警戒感が後退 ・ドル・円は伸び悩み、買い一巡後は失速 ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファナック<6954> ■日経平均は3日ぶり反発、米国景気の先行き警戒感が後退 日経平均は3日ぶり反発。261.97円高の23672.60円(出来高概算4億2995万株)で前場の取引を終えている。 前週末16日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は112.11ドル高の28606.31ドル、ナスダックは42.31ポイント安の11671.56ポイントで取引を終了した。9月小売売上高や10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値の予想以上の改善に加え、新型ウイルスワクチン開発の一段の前進を好感し上昇して寄り付いた。しかし、9月鉱工業生産が予想外のマイナスに落ち込んだほか高値からはハイテク株中心に利益確定売りも目立ち、引けにかけて上げ幅を縮小。 ダウ平均が4日ぶりに反発したことを受け、今日の東京株式市場は買いが先行した。米国景気の先行き警戒感の後退に加え、国内の追加経済対策に対する期待感も株価支援要因となった。また、朝方の外為市場で1ドル=105円40銭台と先週末16日15時頃に比べ20銭ほど円安・ドル高に振れていることも安心感となった。 個別では、「鬼滅の刃」アイテムを手掛けるジンズメイト<7448>、SKジャパン<7608>がストップ高買い気配となり、売上回復や収益性改善などを見込み国内証券が評価を引き上げたSFP<3198>が10%を超す大幅高となったほか、同業のアクロHDを持分法適用会社化すると発表したSIG<4386>、21年3月期上半期(中間期)業績見込みを上方修正したラサ商事<3023>、KOA<6999>、21年3月期利益予想を上方修正したキムラユニティー<9368>、「鬼滅の刃」初日興行収入が10億円超などと伝わった東宝<9602>、量子暗号通信システム事業を開始すると発表した東芝<6502>が上げた。 一方、過熱警戒感からの利食い売りが優勢にになったサイバーリンクス<3683>、21年3月期上半期(中間期)業績見込みを下方修正した戸田建設<1860>が下げ、また、21年3月期業績予想を上方修正したが材料出尽くし感が台頭した富士通ゼネラル<6755>が軟調だった。 セクターでは、全業種が値上がり。海運業、ゴム製品、繊維製品、非鉄金属、金属製品などが値上がり率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の83%、対して値下がり銘柄は13%となっている。 先週、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬に関するネガティブなニュースが相次いだ。少し拾ってみる。12日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が新型コロナワクチンの最終段階の治験を停止すると発表した。13日には米イーライリリーが抗体治療薬臨床試験の被験者登録を停止したと報じられた。14日にはアンジェス<4563>が開発中のワクチンについて大量生産が可能になるのは2022年の後半になるとの報道があった。さらに15日には世界保健機関(WHO)が抗ウイルス薬「レムデシビル」についてコロナ患者の死亡率低下に効果がないとの調査結果を発表した。 こうしたニュースは関連銘柄の株価を大きく揺さぶるが、株式市場全体への影響はこれまでのところ限定的なようだ。なぜだろう。以前、当欄でしつこく書いた「株価=景気/金利」という式を思い返してみる。ワクチンや治療薬の開発、普及は新型コロナの収束をもたらし、これまで「期待」先行だった景気回復が「現実」のものとなり、分子の景気を押し上げる。これは株式市場にとって歓迎すべきことのようにも思われるが、本当にそうだろうか。 ワクチンや治療薬の開発、普及によるコロナ収束で景気回復が期待から現実のものとなった後は、「この景気拡大はいつまで続くのか」「金融引き締めはいつなのか」などが市場の関心事となり、株価の上値を抑える。言い方を変えれば、ワクチンや治療薬が開発され普及するまでは、景気回復は実現しないものの、景気回復への「期待」は継続し、株価上昇の原動力であり続ける。逆説的ではあるが、ワクチンや治療薬の開発、普及が遅れるほど、株価上昇が長く続くということになるのかもしれない。新型コロナワクチンや治療薬に関するネガティブなニュースは、株価上昇という一点に絞ってみれば、あながち逆風とばかりは言えないのかもしれない。この件に関しては、次の機会にもう少し考えてみる。 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。先週末の日経平均が23400円どころに位置する25日移動平均線近辺で下げ止まったことで、相場の地合いは強いとの指摘があった。一方、欧米での新型コロナ感染拡大への懸念が継続していることに加え、22日に米大統領選候補者のテレビ討論会を控えていることから積極的な買いは手控えられ、やや様子見ムードが強まる可能性もある。 ■ドル・円は伸び悩み、買い一巡後は失速 19日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。仲値にかけて国内勢による買いが強まり105円前半から半ばに浮上したが、買い一巡後は失速した。日経平均株価の堅調地合いでリスク選好的な円売りに振れやすいものの、ドルは買い後退で上値が重いようだ。なお、中国経済指標の相場への影響は限定的。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は105円34銭から105円47銭、ユーロ・円は123円37銭から123円64銭、ユーロ・ドルは1.1712ドルから1.1725ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ジーンズメイト<7448>、エディア<3935>など、8銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファナック<6954> ■経済指標・要人発言 【要人発言】 ・中国国家統計局 「中国経済は引き続き回復プロセスにある」 「国際環境は依然として複雑で深刻、また不安定で不透明だ」 ・バネッタ欧州中銀(ECB)専務理事 「コロナ第2波による域内の回復とん挫のリスクで、超緩和的金融政策の必要も」 【経済指標】 ・日・9月貿易収支:+6750億円(予想:+9898億円、8月:+2486億円) ・中・7-9月期GDP:前年比+5.5%(予想:+5.5%、4-6月期:+3.2%) ・中・9月鉱工業生産:前年比+4.9%(予想:+5.8%、8月:+5.6%) ・中・9月小売売上高:前年比+3.3%(予想:+1.8%、8月:+0.5%) <国内> 特になし <海外> 特になし 《HH》
関連銘柄 16件
1860 東証プライム
979.9
11/22 15:30
+3(%)
時価総額 316,172百万円
1881年創業のゼネコン準大手。建築事業が主力。土木事業、海外事業、浮体式洋上風力発電事業等も。丸の内オアゾ、さいたま合同庁舎などで施工実績。海外事業などへの成長投資で事業ポートフォリオの強化を図る。 記:2024/10/07
3023 東証スタンダード
1,407
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 16,861百万円
資源・金属素材、産機・建機、環境設備、化成品等を扱う専門商社。ラサ工業の営業部門が分離独立して1939年に誕生。ジルコンサンドで国内トップシェア。チタン関連素材など新規資源関連素材の開拓等に取り組む。 記:2024/10/07
3198 東証プライム
1,911
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 43,598百万円
海鮮居酒屋「磯丸水産」、鶏料理専門店「鳥良商店」などの業態を展開。きづなすし、餃子販売所「いち五郎」等も。クリエイト・レストランツHD傘下。グループ店舗数は200店舗超。大衆酒場業態の開発・出店を継続。 記:2024/08/05
3683 東証スタンダード
744
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 8,473百万円
流通業や官公庁向けに基幹業務システム等を提供するITサービス会社。電子認証サービス、デジタル証明書発行サービス、モバイルネットワーク事業等も。流通クラウド事業はクラウドサービスの提供拡大で定常収入が増加。 記:2024/06/24
3935 東証スタンダード
388
11/22 15:30
+3(%)
時価総額 2,378百万円
ゲームサービス運営等を行うIP事業、ライトノベル・コミックの企画、編集、出版等を行う出版事業を手掛ける。オンラインくじサービスを積極展開。保有IPのクロスメディア展開の強化、グッズ販売などに注力。 記:2024/06/09
4386 東証スタンダード
697
11/22 15:30
+16(%)
時価総額 4,135百万円
独立系システムインテグレーター。仮想移動体通信事業者向けなどのシステム開発が主力。インフラ・セキュリティサービス等も。CIJネクストなどが主要取引先。AIやIoT、クラウド、セキュリティ事業の推進図る。 記:2024/07/26
4563 東証グロース
55
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 14,128百万円
大阪大学発の研究開発型バイオベンチャー。遺伝子医薬、DNAワクチンの研究開発などを行う。開発パイプラインにHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」など。早老症治療薬「ゾキンヴィ」を24年5月に発売。 記:2024/08/06
6502 東証プライム
4,590
12/19 15:00
-5(%)
時価総額 1,988,103百万円
総合電機大手。持分法会社にキオクシアHD。不正会計や原発巨額損失で陥った経営危機から再建中。JIP連合がTOB発表。TOB価格は1株4620円。TOB成立ならば上場廃止に。24.3期1Qは営業黒字に復帰。 記:2023/09/15
6755 東証プライム
2,083
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 227,755百万円
ルームエアコン等の空調事業が主力の電機メーカー。100カ国以上に空調機を提供。消防無線システム、電子デバイス等も手掛ける。海外売上高比率が高い。空調機は国内堅調、アジア向けの販売が拡大。経営効率化進める。 記:2024/10/17
6954 東証プライム
4,114
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6999 東証プライム
998
11/22 15:30
-6(%)
時価総額 40,399百万円
1940年創業の電子部品メーカー。長野県上伊那郡に本社。固定抵抗器で世界シェアトップクラス。温度センサ、ヒューズ、バリスタ等も手掛ける。海外売上比率は7割超。高電圧検出用デバイダーの売上拡大に注力。 記:2024/09/02
7448 東証1部
243
3/29 15:00
-26(%)
時価総額 3,913百万円
RIZAP傘下で再建中のカジュアル衣料量販店。21.3期上期はEC伸長。だがコロナ禍で店舗販売が苦戦。販管費を抑制するも利益水面下に。通期計画は未定。21年4月にRIZAPグループの小売2社と経営統合へ。 記:2020/12/24
7608 東証スタンダード
639
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 5,425百万円
ゲームセンターの景品向けキャラクター商品の企画・開発等を行う。忠犬もちしば、うさかめ兄弟などオリジナルキャラクターに強み。営業利益率5%以上目標。アニメ版権商品はブランド化による商品力の向上図る。 記:2024/10/26
9368 東証スタンダード
1,466
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 34,516百万円
物流サービス事業が主力。1881年創業。車両整備等のモビリティサービス事業、情報サービス事業、人材サービス事業等も。トヨタ自動車などが主要取引先。中期経営計画では27.3期売上高700億円目指す。 記:2024/09/01
9602 東証プライム
6,019
11/22 15:30
+29(%)
時価総額 1,122,489百万円
国内最大の映画製作・配給会社。劇場用映画の製作・配給、「TOHOシネマズ」の運営等を行う映画事業が主力。演劇事業や不動産事業等も手掛ける。アニメは海外営業収入が成長。不動産事業はM&A効果が売上貢献。 記:2024/10/29
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17