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日経平均は小幅続伸、けん引役不在でこう着感、グロース株の見直しには時期尚早も兆しはあり!?

2021/3/10 12:13 FISCO
*12:13JST 日経平均は小幅続伸、けん引役不在でこう着感、グロース株の見直しには時期尚早も兆しはあり!?  日経平均は小幅続伸。12.88円高の29040.82円(出来高概算7億0985万株)で前場の取引を終えている。  前日の米国株式市場では、経済協力開発機構(OECD)が2021年世界、米国経済の成長見通しを引き上げたほか、1.9兆ドル規模の追加経済対策案が数日中に成立する見込みとなったことを受けて期待感から上昇スタート。懸念されていた3年債入札も好調な結果となったことで長期金利の上昇が一段落したためハイテク株も持ち直し、主要株価指数は終日堅調に推移した。特に、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は6%高と急伸した。この流れを受けて、日経平均も100円近い上昇でスタートとすると直後には200円高まで上値を伸ばした。ただ、大きく買い戻されて始まった値がさハイテク株が戻り売りに押されるに伴い、上げ幅を急速に縮小していき、その後は前日終値近辺でのもみ合いが続いた。  個別では、SOX指数の上昇を背景にアドバンテスト<6857>やレーザーテック<6920>といった半導体関連株が上昇したが、いずれも上げ幅を縮小するなど伸び悩んでいる。また、2月工作機械受注を材料にファナック<6954>、安川電機<6506>のFA関連株がやや伸び悩みながらも堅調推移した。そのほか、レーティング関連が材料視される形で、東洋エンジニアリング<6330>、大日本印刷<7912>などが大きく買われた。  一方、市場予想を下回る第1四半期の大幅減益がネガティブサプライズとなった、くら寿司<2695>が急落となった。そのほか、売買代金上位では、エムスリー<2413>が5%安と大幅に7日続落となったほか、ソフトバンクG<9984>、東京エレクトロン<8035>、ファーストリテ<9983>などの値がさグロース(成長)株、三菱UFJ<8306>、マネックスグループ<8698>、日立製作所<6501>、ENEOS<5020>、東電力HD<9501>などが下落した。  セクターでは、医薬品、電気機器、機械、その他製品、ゴム製品などが上昇率上位に並んだ。一方、鉱業、鉄鋼、石油・石炭製品、水産・農林業、海運業などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の38%、対して値下がり銘柄は57%となっている。  前回の米7年債の入札不調が米長期金利の上昇のきっかけであっただけに、今週の米国債の入札状況は注目されており、そうした意味で、前日の3年債の入札が好調に終わり、金利上昇に小康状態が見られたことは一先ずの安心感を誘う。  しかし、米国では今夜に10年債、明日11日には30年債と入札がまだ多く控えているだけに、大きな安心感には至っていないようだ。SOX指数の6%高というインパクトのある数字を受けて、東京市場でも、久々にハイテク株が大きな値幅を伴って買い戻されたと思いきや、寄り付き後5%高まで上昇したアドバンテストは一時0.9%高まで急速に上げ幅を縮める動きが見られた。上述した残された米国債の入札状況、今夜の米消費者物価指数(CPI)、来週の日米金融政策イベントなどを見極めるまでは、ハイテク・グロース株の本格的な見直し買いはお預けといったところか。  また、上昇が続いていた資源価格や対ドルでの円安の一服を受けて、日本製鉄<5401>などの鉄鋼セクターのほか、国際石油開発帝石<1605>などの鉱業、ホンダ<7267>などの輸送用機器といった関連セクターについても利益確定売りが広がり、直近の相場のけん引役となっていた景気敏感株についても本日は主役が不在ということで、全般的に買い気が感じられない状態だ。  ただ、株式市場全体としては、ムードはまだ意外と崩れてはいない様子。主に個人投資家についての話だが。例えば、米国のロビンフッターの間で根強い人気を誇るテスラは、2月上旬以降長く調整が続いてきており、すでに昨年末の終値比では株価パフォーマンスがマイナスに転じていた。下落基調のチャートを眺めながら、メインプレーヤーの個人投資家らは新規に買いにくくなるのではないか、もしくは、すでに保有している投資家については含み損が大きくなり、一段と投げ売りが出るのでなないかという懸念を持っていたが、前日は、時間外取引も含めてみれば株価は20%高と急騰。もはや同銘柄については「投資」という言葉が適当ではないのかもしれないが、この反発ぶりを見る限りは、米国の個人投資家センチメントは悪くない様子。  また、上述の状態は日本についても言えるようだ。本日は、ハイテクの戻りが弱く、景気敏感株も利益確定売りが優勢ということで、幕間つなぎ的な形の物色に過ぎない面もあるだろうが、マザーズ指数が上昇率で他の指数を僅かながらアウトパフォームしており、指数構成銘柄の騰落数でもマザーズの相対的な活況が窺える。バルミューダ<6612>などIPO直後に人気化しながらも、その後調整が続いてた銘柄でも本日は一時10%超の上昇を見せるなど物色が活発化している。高解像度画像を表示する処理速度を向上させる特許を取得したと発表したsMedio<3913>などは4連騰と買い気が失せていないようだ。  このように、日米ともにセンチメントはまだ大きく悪化していないようで、むしろ、まだ強気側にあるのかもしれない。大勢としては、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を終えるまではしばらく手掛けづらい状態が続くだろうが、米国では1人当たり最大1400ドルの現金給付が含まれる大規模追加経済対策が今月14日にも成立する見込みだ。速効性のある現金給付で懐が潤うことを考慮すれば、来週のFOMCを終えるころには、再びハイテク・グロース株が人気化するような相場がやってくる可能性がないともいえない。そのほか、経済協力開発機構(OECD)が米国を筆頭に世界の経済成長率見通しを引き上げたことで、グローバルマクロ系のヘッジファンドが再び動意づくなどのポジティブシナリオも頭の片隅に入れておきたい。  さて、そうは言っても、本日の後場は、今後控える材料を前に引き続き手掛けづらいムードが続こう。指数がこう着感を強めるなか、中小型株物色を主体とした相場展開の継続を想定しておきたい。 《AK》
関連銘柄 21件
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国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
2413 東証プライム
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2695 東証プライム
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時価総額 158,976百万円
回転寿司チェーン「無添 くら寿司」を国内外で展開。大阪府堺市に本社。化学調味料など添加物を排除した商品を提供。出店形態は直営店のみ。店舗数は国内外で660店舗超。国内では人気アニメ等とのコラボ企画実施。 記:2024/09/01
3913 東証グロース
553
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時価総額 1,299百万円
組込みブラウザ「Tourbillon」などのテクノロジーライセンス事業が主力。旧社名はsMedio。DXサービス事業、GXサービス事業も展開。テクノロジーライセンス事業は利益率の高いライセンス製品に注力。 記:2024/07/01
5020 東証プライム
812.9
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時価総額 2,465,405百万円
ENEOS、JX石油開発、JX金属などを傘下に収める持株会社。石油元売り国内トップ。機能材事業、電気事業、再生可能エネルギー事業等も手掛ける。機能材事業の収益改善図る。JX金属が東証に新規上場申請。 記:2024/10/14
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
6330 東証プライム
716
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+38(%)
時価総額 27,608百万円
三井グループのエンジニアリング会社。石油化学プラント、石油精製プラント、火力発電プラント等の設計、工事を行う。化学プラントに強み。海外売上比率は6割超。燃料アンモニアなどの案件形成に向けた取り組みを推進。 記:2024/08/09
6501 東証プライム
3,821
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+71(%)
時価総額 17,716,330百万円
総合電機大手。金融ソリューションや社会インフラITシステム、原子力関連ビジネス、鉄道システム、ビルシステム等を手掛ける。日立エナジーは受注残が増加。デジタルシステム&サービスはLumada事業が拡大。 記:2024/06/15
6506 東証プライム
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-70(%)
時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
6612 東証グロース
983
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 8,320百万円
キッチン製品が主力のファブレスメーカー。トースターやホットプレート、電気ケトル等のほか、扇風機や空気清浄機等の空調製品も。韓国、北米等でも事業展開。製品ラインナップ拡大で家電カテゴリー製品を積極展開。 記:2024/08/10
6857 東証プライム
9,447
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時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
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時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
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時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
7267 東証プライム
1,362.5
11/22 15:30
+17(%)
時価総額 7,194,000百万円
自動車と二輪車の大手。二輪車は世界トップ。船外機や発電機、航空機などエンジン搭載の多商品を展開。四輪事業は伸長。主力の北米を中心に販売台数が増加。二輪はアジアが好調。中国の持ち分法適用会社が伸び悩み。 記:2024/07/03
7912 東証プライム
2,331.5
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 1,292,772百万円
大手総合印刷企業。1876年創業。出版関連ビジネスのほか、情報セキュア関連製品、ディスプレイ関連製品、電子デバイス等も。リチウムイオン電池用バッテリーパウチ等で世界トップシェア。BPO事業の拡大等に注力。 記:2024/06/17
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
8698 東証プライム
1,052
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 271,360百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
558.8
11/22 15:30
-2.2(%)
時価総額 898,002百万円
電力事業を行う東京電力グループの事業持株会社。福島第一原発の廃炉作業や賠償・除染事業に重点。電気代の値上げは寄与するが、原油高や節電進み環境厳しい。柏崎刈羽原子力発電所7号機は再稼働の時期を見通せず不透明。 記:2024/07/13
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17