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為替コラム:「資源国・利下げ方針転換」通貨が買い

2016/3/12 17:39 FISCO
*17:39JST 為替コラム:「資源国・利下げ方針転換」通貨が買い 年初からの市場の混乱を受け、主要通貨の中でも強弱が鮮明になっています。米国の早期利上げ観測の後退によりドル「1人勝ち」の様相は崩れ、英国の欧州連合(EU)離脱懸念でユーロとポンドは脱落。マイナス金利のスイスフランや円は最初から相手にされていません。一方、世界的な原油安を背景に売られてきたカナダドルや豪ドル、NZドルは原油価格の持ち直しとともに息を吹き返しているようにみえます。目先上昇が見込めるのはどの通貨でしょうか。 米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月に9年半ぶりに政策金利を引き上げた際、「2016年は3月、6月、9月、12月と四半期ごとに年4回の利上げ」が市場コンセンサスとなりました。しかし、中国経済の減速懸念などの影響により、3月15−16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利上げを先送りする公算が大きくなっています。市場は現在、次回6月の実施を予想していますが、11月8日の大統領選の日程から、12月しか実施のチャンスはないと筆者は考えます。FRBは利上げスタンスを維持しているものの、以前のようなドル買い基調は転換しています。 英国のEU離脱問題に関してネガティブな影響を見込んだユーロとポンドの売りは、いったん収束したようです。ポンドについては先月上海で開かれた20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)の声明にキャメロン政権が「EU離脱懸念」を強引に盛り込んだことが奏功したかもしれません。ただし、この問題は今後も折に触れ意識され、リスク要因となるでしょう。ユーロは欧州中銀(ECB)による緩和的な金融政策の継続で売られやすい状況にあります。緩和的な金融政策という意味では、リスクオフで買われる時を除きスイスフラン、円も弱い通貨です。 他方、カナダドル、豪ドル、NZドルの資源国通貨は原油価格の持ち直しとともに見直されてきています。主要産油国の増産凍結への取り組みや米国産原油の減産を背景とする原油の底打ち感から足元では上昇基調に転じているので、この3通貨は「有望」です。ただ、オーストラリア準備銀行は追加的な緩和姿勢を維持しています。また、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は10日、市場の予想に反して利下げに踏み切りました。ニュージーランド中銀のウィーラー総裁は今後の金融政策については経済情勢次第としながらも、追加利下げを実施する可能性も示唆しました。したがって、豪ドルとNZドルは資源通貨のなかでは脱落組です。 残るはカナダドル。カナダ中銀は9日、政策金利を市場の予想通り据え置きましたが、10−12月期国内総生産(GDP)は上振れしています。雇用情勢は底堅く、家計支出が需要を支えているようです。トルドー政権は今後景気刺激策を講じ、その効果を見極めたうえで成長見通しを上方修正するとみられます。同中銀は昨年、原油相場の急落を受け1月と7月に利下げを実施しましたが、先行き利下げ方針を転換する可能性が出てきました。「ドル1人勝ち」から「カナダドル1人勝ち」になるかもしれません。