マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/24 10:50:52
15,218,655
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

為替コラム:上海G20の開催意義は?

2016/3/5 17:48 FISCO
*17:48JST 為替コラム:上海G20の開催意義は? 2月26−27日に中国・上海で開催された20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)では、「通貨安競争」を回避することで参加国は一致しました。昨年8月や今年の年初に中国が通貨安に誘導し市場に混乱を招いたことを念頭に置いたようですが、この会議の翌日から中国は人民元安基調を維持しています。G20開催の意義は一体何だったのでしょうか。 上海G20が採択した声明は、昨年9月にトルコ・アンカラで開催された前回同様、為替の競争的切り下げを回避するとの立場を確認しました。実際、中国の政策当局者らは今回の会議で意図的な元安を繰り返し否定したと報じられたほか、李克強首相は2月26日の会議の冒頭で、今後元の下落が継続する根拠はないとの認識を表明しました。それにもかかわらず、G20後の最初の取引となった29日午前10時15分、人民元の対ドル基準値を安値方向に設定しました。 G20は、米国や英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本の主要7カ国が定期的に開催していた財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)をベースにロシアや中国、インドなど12カ国が加わり形成されました。国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)など関連の国際機関も参加する現在の規模になったのは2000年代の後半です。これら20カ国の国内総生産(GDP)を合計すると世界のGDPの約90%を占めており、各国の財務相・中銀総裁が顔をそろえる国際会議は本来なら非常に意義のあるものにみえます。 2008年9月のリーマン・ショック直後、金融市場の混乱の震源地でありながら、開催されたのは米国の首都ワシントンだったことに違和感を覚えたことがあります。意義深いものに感じられないのは、G20は米国主導で運営されているからではないかと勘ぐってしまいます。 というのも、中国経済の台頭でこれまでのように黙っていても世界中が米国債を保有する時代ではなくなりました。しかし、ドルの基軸通貨体制を維持するためには米国内にマネーを呼び込む仕組みを温存しなければなりません。米国の利上げはそのためのインセンティブと考えられます。そして、中国の通貨安政策への露骨な批判は、ドルのライバルにのし上がった人民元をたたきたい、という米国の意図を感じないではいられません。