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為替コラム:米大統領選の本格化で円一段高になる理由

2016/2/22 15:38 FISCO
*15:38JST 為替コラム:米大統領選の本格化で円一段高になる理由 米大統領選は、民主、共和両党の指名候補者選びが本格化するにしたがい、ますます混とんとしてきました。本選までには脱落すると想定されていた、「アウトサイダー」候補が大健闘しているからです。米国は、思った以上に国内の経済問題が最優先課題であることが露呈されています。 11月8日に実施される米大統領選は、民主党はヒラリー・クリントン元国務長官、共和党はジェブ・ブッシュ・フロリダ州知事かマルコ・ルビオ上院議員、というのがCNNやワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズなど大手メディアを含むエスタブリッシュメント層の、いわばメーンシナリオだったのではないでしょうか。しかし、民主党ではバーニー・サンダース上院議員がアイオワ州で戦前の予想を覆して事実上の引き分け、続くニューハンプシャー州では圧勝。共和党は、支持率で独走する実業家のドナルド・トランプ氏が初戦のアイオワ州こそテッド・クルーズ上院議員にトップを譲ったものの、その後ニューハンプシャー州では順当に勝利を収めました。 米大統領選といえば従来、既存の大手メディアが各党の特定の候補者への支持を打ち出すことで世論を誘導し、大勢が決まっていくのが常でした。しかし、今回は大手メディアの思惑に反する情勢になっています。サンダース氏は格差是正や社会保障の拡充を最優先課題とし、若年層を中心に高い人気を得ています。一方、移民排斥などの問題発言が取りざたされるトランプ氏も、ブッシュ前大統領のイラク戦争に対する大っぴらな批判や、国内のインフラ再建の重視など、従来の共和党候補とは明らかに異なる主張が目立ちます。サンダース氏とトランプ氏を左右の両極端に位置づける見方がありますが、両氏に共通するキーワードは「内向き」だと筆者は考えます。予備選の序盤はこうした民意を反映しているのではないでしょうか。 米国民が内向きになるのも無理はありません。1月から2月にかけて発表された米企業の10−12月期決算の内容は予想外に悪化しました。アップルが2016年1−3月期は減収を見込んでいることに象徴されるように、雇用拡大の継続性に懐疑的な見方が広がりつつあります。外為市場では、2012年から長期トレンドとなっていたドル高・円安の影響が顕在化して修正する動きに転じたために足元のドルは115円以下の水準まで下落しているとみられています。大統領選が白熱する過程ではさらに「内向き」路線が強まり、ドル安・円高に向かわざるを得ないかもしれません。