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アイビーシー Research Memo(6):IBCソリューションを拡充してITサービスに展開
2019/1/25 15:06
FISCO
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*15:06JST アイビーシー Research Memo(6):IBCソリューションを拡充してITサービスに展開 ■アイビーシー<
3920
>の中長期成長戦略 パソコンや携帯電話といった身近なツールから、高性能サーバや大規模データセンター、さらに最近では家電や自動車まで、あらゆる機器がネットワークでつながろうとしている時代にあって、ネットワークシステムが正しく稼働するように見守り、障害の発生を未然に防ぐことは、企業や官公庁などのあらゆる組織にとって極めて重要な危機管理策の1つとなっている。こうした状況を背景として、国内のシステム性能・稼働監視ソフトウェアの市場規模は拡大基調が予想されている。事業環境は中期的に良好だ。 中期成長戦略としては成長分野進出、サービス領域拡大、新製品発売を掲げている。中期的に良好な事業環境下で、これまでに培った技術をベースとして、進化を続ける「System Answer」シリーズを中心に、IBCソリューションの拡充(サービス領域の拡大やワンストップ化、マーケット変化に対応した新サービスの提供)によって、ネットワークシステム情報管理・性能監視のリーディングカンパニーからITサービス全般への展開で成長を目指す方針だ。 またブロックチェーン技術を利用して、IoTセキュリティ分野やインシュアテック(InsurTech)分野といった成長分野への展開も推進している。 1. 新製品発売 2017年7月にネットワークシステム情報管理・性能監視ツールの新製品「System Answer G3」をリリースした。 同社の製品は創業以来、システムが正しく動いているかどうかを監視し、問題が発生した際にどこで発生したのかを検知・把握する死活監視・状態監視のための保守ツールから、性能上問題がないかどうかを分析し、障害が発生する前に問題点を検知して適切な対処を施す性能監視のための収集ツールへと発展してきた。さらに今後は、コンピュータやネットワークシステムを維持・改善するための根拠ある判断ツールとして活用できる情報監視機能を備えた製品が求められると考え、情報監視に対応した新製品「System Answer G3」を開発した。 情報監視とは、コンピュータやネットワークシステム運用時に発生する様々な問題を、的確に判断するための情報や根拠をいち早く把握するための監視手法である。具体的には機器の履歴管理、高負荷時の影響度把握、監視の見落とし防止、派生アラートの集約、監視の自動化、仮想化監視機能の強化、API機能(自動レポーティング機能、外部プログラム連携機能)などである。 新製品「System Answer G3」は、情報監視作業の大部分をツールが自動で行うため、一般的な監視システムで問題となる情報収集漏れ、分析ノウハウ不足、監視作業の負荷増大を解消でき、大規模システムへの対応も可能というメリットがある。今後は継続的にオプション機能の充実を進める方針だ。 2. サービス領域拡大 サービス領域拡大では、ITサービス全般への展開とともに、監視・保守・分析サポートやクラウドサービスによる月額収益型ビジネスの拡大も目指している。 2017年8月に次世代MSPサービスとしてSAMSの提供を開始した。性能分析ノウハウを活用した24時間365日の有人監視体制により、システムの安定稼働・障害対応・原因究明・分析をサポートする。出資先である(株)ネットフォースとのシステム運用事業における新たな協業ビジネスとなる。さらに2018年8月には「System Answer G3」のクラウド型サービス「System Answer G3 on SAMS」を提供開始している。 また公共・文教分野への取り組みを強化している。第4次LGWAN(統合行政ネットワーク)事業に向けて提案活動を強化するとともに、2017年12月には西日本電信電話(株)及び日本マイクロソフト(株)とSINET(学術情報ネットワーク)向け監視ソリューションサービスを提供開始した。 3. インシュアテック分野に展開 同社は、2016年8月にブロックチェーン技術の専門会社であるコンセンサス・ベイス(株)と業務提携、2017年6月に保険業界に多くの顧客を持つパクテラ・コンサルティング・ジャパン(株)と業務提携、2018年5月にナレッジソリューションズグループと連携して保険業務プラットフォーム実現に向けたブロックチェーン技術の商用化検証を開始した。 また2018年5月には保険ポートフォリオ管理スマートフォンアプリ「iChain保険ウォレット」の無料配信を開始した。加入している保険の保険商品名、契約者、保証対象者、保険料、保険期間などの基本情報をスマートフォンで登録・閲覧でき、情報を家族のスマートフォンに共有できる。そして2018年12月には、三井住友海上火災保険(株)が提供する「お客さまWebサービス」と「iChain保険ウォレット」のサービス連携を開始した。 今後は他社に先駆けて、インシュアテック(InsurTech)分野にフォーカスして事業展開を推進し、コンサルティング事業の拡大で2019年9月期の黒字化を目指している。 なお、2018年度の国内InsurTech市場規模は690億円の見込みである。今後は保険の支払業務や引受審査におけるAI(人工知能)やロボットの活用による業務自動化が進み、2021年度には市場規模が1,790億円に達すると予測している。市場拡大も背景として、収益寄与本格化を期待したい。 4. IoTデバイス向けセキュリティサービスも中期的に期待 成長分野では、2017年12月に実証実験を開始したIoTデバイス向けセキュリティサービス「kusabiTM」も中期的に期待が高まる。 IoT市場は2020年に約365兆円、デバイス数300億個と急激な拡大が見込まれているが、膨大な数のIoTデバイスをネットワーク上で運用する際のセキュリティ対策が喫緊の課題となっている。 ブロックチェーン技術を利用したIoTデバイス向けセキュリティサービス「kusabiTM」は、IoTの設計・開発・量産・運用まで一貫性のあるセキュリティ対策を提供するIoTセキュリティ基盤サービスである。ブロックチェーン技術による電子証明システムと、独自のデバイスプロビジョニングシステム技術によって、3つの不要(認証局登録が不要、専門チップが不要、マルウェア対策が不要)を実現する。ソフトウェアだけでIoTセキュリティを実現する画期的なサービスである。 2018年2月にはIoTセキュリティ標準化に向けて「kusabiコンソーシアムTM」を設立、2018年3月には「kusabiTM」のパートナーライセンス(開発ライセンス、販売ライセンス)を販売開始した。そして2018年5月には2大中核技術である電子証明システムとデバイスプロビジョニングシステムで特許を取得している。それにより同社パートナーとの「kusabi コンソーシア(TM)」の活動が活発化してきており中期的に期待が高まっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《MH》
関連銘柄 1件
3920 東証スタンダード
アイビーシー
500
11/1 15:00
-4(-0.79%)
時価総額 2,862百万円
ITシステムの情報管理・性能監視ツールを提供。情報を高速収集して解析する技術に強み。ソフトウエアライセンスの販売、有人監視サービスの提供など。ライセンス販売が堅調。機器販売も拡大。販管費増等こなす。 記:2024/08/07
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