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アトラエ Research Memo(3):主力事業「Green」に加え「wevox」「yenta」もマネタイズを開始

2017/12/18 19:06 FISCO
*19:06JST アトラエ Research Memo(3):主力事業「Green」に加え「wevox」「yenta」もマネタイズを開始 ■事業概要 アトラエ<6194>が手掛ける事業は、主力サービスである成功報酬型求人メディア「Green」の企画・運営と、新規事業としてビジネスパーソン同士を結び付けるスマートフォンアプリ「yenta」及び組織改善プラットフォーム「wevox」の企画・開発・運営、そしてこれらのいずれにも分類できないその他の3つの分類となっている。 2017年9月期における売上高の内訳をサービス別に見ると、「wevox」、「yenta」が有料サービスを開始したばかりで収益が含まれていないこともあり、「Green」が全売上高のうち99.4%、新規事業・その他が0.6%と、「Green」が大半を占めている。 また、種類別の売上状況を見ると、成功報酬売上が全売上高の74%、初期設定売上が同26%を占めており、「Green」を通じた入社人数の増減が同社の収益を大きく左右する仕組みとなっている。つまり、マッチング精度の向上が同社の業績向上につながっていると思料される。 1. 成功報酬型求人メディア「Green」 「Green」は業界に先駆けて成功報酬型の料金体系を導入した求人メディアである。インターネット時代におけるまったく新しい人と企業のマッチングプラットフォームとして、蓄積してきた膨大な採用活動・転職活動データの解析をもとに、転職希望者には最適化した求人提案を、採用企業には最適化した人材提案を実現し、効率的なマッチングを生み出している。アナログに人が仲介することで、クローズド・高額にならざるを得なかった従来のサービスに対し、ITを最大限活用することによってオープンで安価に価値を提供するプラットフォームを実現している。 「Green」のポイントは3点ある。 (1) 業界初、費用の掛け捨てリスクがない成功報酬型モデル 従来の求人メディアは採用の成否に関わらず、求人広告の掲載と同時に広告掲載料金が発生していた。しかし、「Green」では新規登録時に初期設定費を払えば、その後は求人広告の掲載期間や掲載求人数の制限がない。また、採用が成功し、求職者が実際に入社した段階で成功報酬が発生する料金体系であるため、掛け捨てリスクがない。加えて、従来の人材紹介会社のように求職者と求人企業を仲介するキャリアアドバイザーの雇用が必要ないため、人材紹介会社と比較して定額制(地域別)かつ安価な料金モデルを実現している。 (2) IT/Web系人材に強い求人メディア 同社のサービスはIT/Web系人材に強く、この業界やベンチャー企業を中心に5,000社以上が利用中である。主要顧客としては、サイバーエージェント<4751>、フリービット<3843>、ミクシィ<2121>、アカツキ<3932>、フリークアウト・ホールディングス<6094>、freee(株)などIT/Web業界の著名企業が挙げられる。さらに、近年の特徴として、IoT化を背景としてソフトバンクグループ<9984>、ヤフー<4689>、日産自動車<7201>などの著名企業を始め、多岐の業界にわたり利用企業が増えている。今後も、様々なTech系企業の利用が増えていく可能性がある。 (3) ビッグデータなどテクノロジー活用 「Green」には、どのような職務経歴、専門能力、経験年数の求職者が、どのような業種、職種、規模、社風の企業にアプローチを行ったか、書類選考を通過したか、何次面接まで進んだか、内定もしくは入社まで至ったか、といった求人企業の採用活動または求職者の転職活動に関するあらゆるデータが蓄積されている。このデータを解析することで、転職を考える求職者には最適化された求人情報を、採用を考える求人企業には最適化された求職者情報を届けられるシステムを実現しており、書類選考通過率(マッチング精度)向上を実現し、同社の優位性を確立している。 同社では「Green」が狙うターゲット市場として、国内の人材紹介市場規模を2,500億円で、そのうち約30%に当たる600~700億円をIT/Web業界関連の市場規模と見込んでいる。「Green」は従来の人材紹介サービスのディスカウントモデルであるため、この約60~70%に相当する350~450億円をターゲットの市場規模とみている。このうちの20%に相当する60~70億円を獲得し圧倒的なNo.1を獲得することを当面の目標としている。高収益を実現している現状でもターゲット市場規模の5%程度であり、今後も「Green」の成長可能性は高いと推察される。 2. 組織改善ツール「wevox」 「wevox」とは、組織に対するエンゲージメント(愛着心・信頼等)や組織の現状を、サーベイ(従業員への質問形式のアンケート収集)により定量的かつ多角的に把握し、その結果を基に組織を改善していくためのサービスである。この結果を分析することで、組織改善のPDCAサイクルを促進し、より望ましい経営環境を構築することが可能となる。「wevox」は上記の“エンゲージメント機能”と、2015年12月より義務化されたストレスチェックの実施ができる“ストレスチェック機能”(別途契約が必要)の2つの機能で構成されている。 少子高齢化を原因とした労働力不足、長時間労働、採用の難化、人材流出といった現状を背景に、働き方改革が着目されており、「wevox」で、ワーク・エンゲージメントを定量化・可視化することにより、働き方改革の実現を支援することが狙い。 なお、「wevox」が狙うターゲット市場と関連するEAP※市場規模は、224億円(2015年度、前年度比4.2%増)と成長を続けている(矢野経済研究所 EAP(従業員支援プログラム)市場に関する調査(2016年))。加えて「wevox」が提供するサービスは、EAPよりも幅広い業務をカバーしており、潜在的な市場規模はさらに大きいと想定している。さらに、2016年以降も働き方改革・人材流出などの社会的要請から、同業界は拡大を続けると予測している。このようにまだ拡大が見込める業界であるが、同業界におけるNo.1企業は確立されていないのが現状であり、「wevox」が市場シェアを獲得する可能性も十分にあると考えている。 ※EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム):企業や団体などの従業員のメンタルヘルス上の課題(職場内での問題だけでなくプライベートの悩みを含む)を、カウンセリングなどを通じて解決に導き、組織の活性化や生産性を高める就労環境支援サービス。 マネタイズの方法として、まずはトライアル1ヶ月無料、ベーシックプラン1人月額300円と安価な価格設定とし、導入のハードルを下げ、幅広い顧客層の獲得を目指す計画だ。既に2017年11月15日現在で「wevox」導入企業は198社とのことであり、IT、広告、証券、医療、飲食等、業界・業種・規模を問わず様々な企業が導入している。なお、下記掲載企業以外にも学校や、スポーツ団体などの企業団体以外の組織からの問い合わせもあるとのことで、今後も更なる広がりが見込まれる。 今後の目標としては、2018年9月期の上半期は解析技術・表現方法の向上などでプロダクト品質を高め、利用者満足度を上げ単月黒字化を目指す。2018年9月期の下半期は利用者の拡大を図り、組織改善サーベイのデファクトスタンダードを目指す計画である。 3. ビジネスパーソンマッチングサイト「yenta」 「yenta」は、人工知能を活用したビジネスパーソン向けのマッチングアプリである。毎日昼の12時に人工知能がお勧めする10人のプロフィールが届き、「興味あり」「興味なし」を選択すると、お互いに興味を持ったビジネスパーソン同士がマッチングして、メッセージのやり取りを経てランチタイムなどを利用した情報交換等の交流をすることができるアプリである。実際に「yenta」を通じて、起業仲間が見つかったり、事業提携が生まれたり、自社の採用が決まったりと、多くの価値が生まれているとのことである。 同社ではこれまでは「yenta」のサービス自体の価値向上にフォーカスしていたが2018年9月期の上半期は先行投資を継続し、広告宣伝の活用やイベント等開催により集客施策を強化し、ユーザー数の拡大を図る。2018年9月期の下半期からは有料プランの機能拡張や法人向けマネタイズプランの導入などにより、多角的な収益モデルを確立し、単月黒字化を目指す。2019年9月期以降はビジネスパーソン必携のアプリケーションになることを目指している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行) 《MH》
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