マーケット
9/27 15:15
39,829.56
+903.93
42,313.00
+137.89
暗号資産
FISCO BTC Index
9/29 4:30:35
9,351,121
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

C&GSYS Research Memo(2):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ

2017/9/22 15:09 FISCO
*15:09JST C&GSYS Research Memo(2):主力事業は「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2つ ■会社及び事業の概要 1. 会社概要 C&Gシステムズ<6633>の主力事業は金型用CAD/CAMシステムの開発・販売・保守等。これらの国内シェア(推定)は20%を誇る。顧客数は大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまで約7,000事務所に上る。 2. 沿革 同社の起源は、主にCAD(コンピュータ支援設計:Computer Aided Design)を事業の主体とするコンピュータエンジニアリング株式会社とCAM(コンピュータ支援製造:Computer Aided Manufacturing)を事業の主体とする株式会社グラフィックプロダクツという2つの会社に由来する。当初はそれぞれ別々に企業活動を行っていたが、CADとCAMを融合することによるユーザビリティの向上や、将来の海外展開を見越して、両社は2007年3月に株式移転方式による経営統合に合意。2007年7月には純粋持株会社であるアルファホールディングス株式会社を設立してその株式をJASDAQ証券取引所(当時)に上場した。その後、純粋持株会社であるアルファホールディングスが2010年1月に両社を吸収する形で新たなスタートを切り、社名を現在の株式会社C&Gシステムズに変更し現在に至っている。 3. 事業内容 同社の事業セグメントは、金型設計・製造用のCAD/CAMシステムの製造、販売、保守サービスを行う「CAD/CAMシステム等事業」と金型製造を請け負う「金型製造事業」の2事業。2016年12月期のセグメント別売上高比率は、CAD/CAMシステム等事業が79.2%、金型製造事業が20.8%であった。 (1) CAD/CAMシステム等事業 さらにCAD/CAMシステム等事業は3つに分類され、2016年12月期の実績ではCAD/CAM製品の販売が連結売上高の30%、保守サービスが46%、開発サービスが3%に分けられる。 a) CAD/CAMと同社の領域 CADとはコンピュータを利用して各種製品や部品などの設計を行うシステム(ソフトウェア)のことである。自動車のボディや各種製品の形状設計、部品設計、金型設計、電子回路設計等に利用される。この中で同社が扱っているのは、「金型設計用」であり、同じCADであっても車体デザイン用や電子回路設計用などとは領域(市場)が異なる。 上記のCADで設計された製品や部品の多くは、最終的にはNC(Numerical Control)工作機械を使って製造されるが、そのためにはあらかじめCADで設計されたデータをNC工作機械用の数値データに変換することが必要で、これを行うのがCAMである。このため、通常はCADとCAMは一体で使用されるが、別々に利用される場合もある。同社においても、CAD/CAM一体で販売するケースとそれぞれ別々に販売するケースがあるが、CADとCAMの売上高内訳は公表されていない。 製品価格はオプション追加の有無等により150万~600万円ほどになるが、平均では1システム当たり300万円ほど。CAD/CAMシステムは一種のパッケージソフトであるが、ハードウェアについては特別の制限はなく、一般のPCでグラフィックス機能が強化されたものであれば使用が可能。顧客の買い換えサイクルは、リース期間との関係もあり平均で5年ほどであるが、特別な技術革新が進んだ場合やハードウェアの陳腐化などによって、サイクルが早まる場合もある。 b) 主要ユーザー 主要ユーザーはトヨタ自動車<7203>、アイシン精機<7259>、ヤマハ発動機<7272>、パナソニック<6752>、オムロン<6645>、アルプス電気<6770>、ニフコ<7988>、TOTO<5332>、ニコン<7731>、キヤノン<7751>、オリンパス<7733>などの大手メーカーから中小金型メーカーまで幅広く、総ユーザー数(事業所数)は7,000を超えている。ただし、これらの顧客のうち約5,500事業所は従業員20人未満の中小メーカーとのこと。販売は約80%が代理店経由(大手代理店5社、主要1次代理店約30社)、約20%が直接販売となっているが、代理店販売であっても同社の技術スタッフが同伴するケースが多く、顧客ニーズを細かく汲み取っている。 c) 市場シェア 国内の金型設計用CAD/CAMシステム市場における同社のシェアは約20%で、国内では日本ユニシス<8056>グループに次いで第2位となっている。ただし同データに掲載された他社の売上高の中にはCAD/CAMシステム及び金型向け以外の売上高も含まれていることから、純粋に金型向けのCAD/CAMシステムだけの市場シェアで考えれば、同社の実質的なシェアは40~50%前後と推測される。 d) 特色と強み 同社は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小様々な金型に対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きい金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。 特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、世界でもトップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。 ※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。 そのため同社の顧客(事業所)数は、前述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後(2016年12月期は94%)となっており、業界平均を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。 また、同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点に、CAD/CAM販売子会社、テクニカルセンター及び総代理店を設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供することができ、またこれにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲いこみが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。 以下は、同社製品の主な導入事例である。 1) オムロン 制御機器や電子部品の大手であるオムロンは、同社が提供するCAD/CAMシステムの導入によって、3次元設計、CAM、3次元ビューワー(閲覧ソフト)を構成し、これによってデータ連携が可能になり金型製作工程全体の効率化に成功した。 特に3次元ビューワーによって図面レス化が進み、図面製作時間を約30%削減した。将来的には部品の標準化や設計の自動化などの改良をさらに進めて、金型設計の納期を70%まで削減する計画とのことである。 (参考:「CGS-LETTER Vol.33 2013年7月1日号」) 2) 昭和精機工業(株) 徳島県に拠点を置く自動車部品(インストルメントパネル、ドアパネル、バンパー等)や金型設計・製造企業。プロセス改革の一環として、同社の「CAM-TOOL」を導入した。 その結果、それまで放電加工機に頼っていた直彫りが難しい箇所も、「CAM-TOOL」によって直彫りが可能となり、電極作成に関連する多くの工程で時間短縮、コスト削減を実現した。昭和精機工業の某役員は、「プロセス改革は『CAM-TOOL』と一体になって推進されたと言っても過言ではない」と述べているそうだ。 (参考:「CGS-LETTER Vol.31 2013年5月15日号」) さらに同社は、話題となっている3Dプリンタの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし、同社が開発を進めているのは単なる樹脂の積層による簡単な3Dプリンタではなく、高精度な工作機械(マシニングセンターやNC旋盤)と組み合わせ、同時5軸制御によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度(3Dプリンタ+工作機械)な分野である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMソフトウェアのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。 (2) 金型製造事業 金型製造事業は、北米の自動車部品メーカー(日系及び米系)から金型の製造を受注し、これを同社がアジア(主に韓国)の金型メーカーへ発注、そして同社経由でユーザーへ納入するもので、すべて米国向けである。売上金額は2016年12月期で連結売上高の20.8%を占め、利益を計上している。また、為替変動の影響を受けるが、収益への影響は軽微である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《MW》
関連銘柄 13件
5332 東証プライム
5,400
9/27 15:00
+166(3.17%)
時価総額 955,697百万円
衛生陶器大手。国内首位のトイレに強み。バス・キッチンや洗面商品も。24.3期3Qは日本住設事業が堅調。パブリック用途は足踏みだが、住宅用途のリモデルが売上増。米州事業ではネオレスト、ウォシュレットが堅調。 記:2024/04/13
6633 東証スタンダード
293
9/27 15:00
-1(-0.34%)
時価総額 2,872百万円
金型用CAD/CAMシステムメーカー。国内外7000事業所超に導入実績。トヨタ自動車などが主要取引先。金型製造事業も手掛ける。CAD/CAMシステムは適応領域の拡大進める。金型製造事業は新規顧客開拓図る。 記:2024/07/02
6645 東証プライム
6,843
9/27 15:00
+340(5.23%)
時価総額 1,411,335百万円
制御機器大手。電子部品や車載機器、自動改札機、血圧計等の健康医療機器も手掛ける。家庭用血圧計で世界トップシェア。オランダの遠隔医療会社買収。ヘルスケアは堅調。人員を大幅削減、構造改革費用重し。 記:2024/06/15
1,281.5
9/27 15:00
-4.5(-0.35%)
時価総額 3,144,874百万円
電機大手のパナソニックを中核とする持株会社。1918年創業。家電や住宅設備、AV機器、デジカメ、電子部品、産業電池・車載用電池等を手掛ける。配当性向30%目安。車載電池、空質空調等を投資領域に位置付け。 記:2024/09/02
6770 東証プライム
1,599
9/27 15:00
+31(1.98%)
時価総額 350,630百万円
電子部品のアルプス電気、カーナビのアルパインが経営統合。スイッチや可変抵抗器などコンポーネント事業が主力。タクトスイッチは業界トップクラスのシェア。海外売上高比率が高い。車載用電子部品の拡大等に注力。 記:2024/06/15
7203 東証プライム
2,751.5
9/27 15:00
+25(0.92%)
時価総額 44,890,687百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7259 東証プライム
1,673
9/27 15:00
-3,341(-66.63%)
時価総額 1,353,497百万円
トヨタ系自動車部品メーカー。駆動ユニット、電動ウォーターポンプ、パワースライドドアで世界シェアトップクラス。トヨタ以外ではステランティス社などが得意先。政策保有株式のゼロ化、グローバル在庫の圧縮図る。 記:2024/09/02
7272 東証プライム
1,353.5
9/27 15:00
+41(3.12%)
時価総額 1,422,057百万円
二輪車を主力とするランドモビリティ事業が柱。船外機が主力のマリン事業、ロボティクス事業等も。1955年に日本楽器製造(現ヤマハ)から分離独立。海外売上比率が高い。二輪車はインド、ブラジルで強い需要続く。 記:2024/07/04
7731 東証プライム
1,533.5
9/27 15:00
+20(1.32%)
時価総額 580,180百万円
大手光学機器メーカー。カメラと半導体やFPDの露光装置で世界トップクラス。眼科領域の顕微鏡等も製造、販売する。業務用カメラの米レッド社買収。カメラや半導体露光装置が堅調。開発費などが重し。医療事業に注力。 記:2024/07/28
7733 東証プライム
2,827
9/27 15:00
+144.5(5.39%)
時価総額 3,635,217百万円
医療機器メーカー。1919年創業。消化器内視鏡で世界トップシェア。外科手術用エネルギーデバイス、人工骨補填材、整形外科用器具等も。海外売上比率が高い。消化器内視鏡システム「EVIS X1」の拡販図る。 記:2024/06/24
7751 東証プライム
4,976
9/27 15:00
+81(1.65%)
時価総額 6,636,805百万円
精密機器大手。オフィス複合機やレンズ交換式カメラ、FPD露光装置などで世界トップシェア。バランスの取れた事業構造が強み。海外売上高比率は7割超。グラフィックアート向け大判プリンター3機種を新発売。 記:2024/04/30
7988 東証プライム
3,789
9/27 15:00
+58(1.55%)
時価総額 407,352百万円
工業用ファスナーなどエンジニアリングプラスチック製品の製造・販売を行う。神奈川県横須賀市に本社。自動車関連企業などが主要取引先。高級ベッド「シモンズ」のベッド及び家具事業も。非自動車の新規事業創出図る。 記:2024/07/28
8056 東証プライム
4,889
9/27 15:00
-73(-1.47%)
時価総額 536,147百万円
大手システムインテグレーター。旧社名は日本ユニシス。大日本印刷の持分法適用会社。金融向けに強み。配当性向40%目処。金融分野はフルバンキングシステム等の売上が拡大。27.3期売上高4200億円目標。 記:2024/06/13