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エクストリーム Research Memo(3):技術者派遣とゲームサービスの開発・運営が2本柱

2016/12/21 15:54 FISCO
*15:54JST エクストリーム Research Memo(3):技術者派遣とゲームサービスの開発・運営が2本柱 ■事業内容 エクストリーム<6033>が手掛ける事業は、法人向けにゲームなどのエンターテインメントソフトウェア開発サービスを提供するソリューション事業と個人向けにPCオンライン、スマートフォンなどのゲームサービスを提供するコンテンツプロパティ事業の2つの事業からなる。それぞれの事業がシナジー効果を生み出し、世界に通用するクリエイティブカンパニーとして成長し続けることを事業ミッションとしている。2016年3月期の売上構成はソリューション事業84.3%、コンテンツプロパティ事業15.7%であったが、2017年3月期第2四半期累計期間にはコンテンツプロパティ事業で利益確保を最優先とした運営方針に徹したことから、ソリューション事業97.1%、コンテンツプロパティ事業2.9%と、ソリューション事業が一段と拡大し、大半を占めた。 (1)ソリューション事業 ソリューション事業は、スマートフォンアプリ、家庭用ゲーム、遊技機器などのエンターテインメント系企業及び、Webサービス、金融、ITサービスなどの顧客企業にプログラミング・グラフィック制作などのスキルを持った同社の技術者が常駐し、開発業務を行うサービス。契約形態によって労働者派遣契約の人材ソリューションサービスと業務委託契約の受託開発サービスに分かれる。同社は、基本的に人材ソリューションサービスに注力しており、人材ソリューション事業が売上高の大半を占める。 人材ソリューションサービスは、SNSアプリ、オンラインゲーム、家庭用ゲーム開発会社などエンターテインメント系企業を中心とする顧客企業からの要求された条件に合うクリエイター、エンジニア※を最低1名単位から派遣。派遣された同社社員は直接顧客企業に常駐し、開発業務を行う。 ※職種別にプログラマ、ネットワークエンジニアのコンピュータ技術者からグラフィックデザイナー、3DCGクリエイター、ゲームオペレーターなどのゲーム関係のクリエイターまでの多岐にわたる技能職員を有する。 2016年9月末における社外常駐プロジェクトに従事したクリエイター、エンジニア数は317人(2016年3月末時点307人)。月次の取引先数は170社以上となっている。2017年3月期第2四半期累計期間のユーザー別売上構成比はエンターテインメント系67.4%(内訳はスマートフォンアプリ47.7%、遊技機器6.0%、家庭用ゲーム7.6%、オンラインゲーム4.3%、業務用ゲーム他1.5%)、非エンターテインメント系32.6%。足元、ウィットネストの子会社化に加えて、eコマース市場の拡大、オリンピック、マイナンバー制度導入需要などで非エンターテインメント系の受注が拡大傾向にある。 具体的な顧客企業について見ると、エンターテインメント系企業では、ディー・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、gumi<3903>、マーベラス<7844>、バンダイナムコホールディングス<7832>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>など。一方、非エンターテインメント系企業としては、サイバーエージェント<4751>、楽天<4755>、GMOリサーチ<3695>、GMOコマース(株)などのWebサービス企業に加えて、日本郵政インフォメーションテクノロジー(株)(日本郵政<6178>の子会社)、富士ソフト<9749>、(株)SRA(SRAホールディングス<3817>の事業会社)といったユーザー系ITサービス企業とも取引している。 一方、受託開発サービスについては、同社社員が直接顧客企業に常駐し、開発業務を行う場合と案件を持ち帰り、開発~納品~保守・運用を行うケースに分別される。 技術者の確保が収益の源泉であるため、同社では経験者採用にとどまらず自社養成にも積極的に取り組んでいる。「プロジェクトNSCA(ナスカ)※1」と呼ぶ教育プログラムやインキュベーション施設※2を活用し、アジャイル開発※3が標準的な開発スタイルとなっているエンターテインメントソフトウェア開発に必要とされるクオリティの高いエンジニア、クリエイターを育成、提供できる仕組みを整えている。加えて、本社移転に併せて技術者のレベルアップを図るためのレクチャーを行うセミナールームを開設した。 ※1 Next Stage Creators Academyの略称で、独自の研修システム。「未経験だけどやる気は誰にも負けない者」や、「スキルの幅を広げて何でもできるクリエイターを目指す者」を対象に、業務経験10年以上の同社社員が、専任講師として教育カリキュラムを作成、実施、成果確認、技術承認を行う。具体的なコースとして、「After EffectsによるCG映像制作研修(パチンコ・パチスロなどの遊技機を始め映画・CM等の映像編集やエフェクトを制作する)」、「プログラマ研修(家庭用ゲームソフトやパチンコ・パチスロ液晶等のソフトウェア開発プログラムをメインとする)」、「3Dグラフィッカー研修(モデリングからモーションまで一連の流れを業務に即した形で制作する)」などを取りそろえている。 ※2本社に技術交流施設「Co-CORE(ここあ)」(「Co(会社)のCORE(中心)」の場所いう意味と「Co(個)がCORE(会社の中心)」であるという意味を合わせた)を設置し、人材ソリューションサービスにおいて市場ニーズの高いプログラマ、グラフィックデザイナー、3DCGクリエイター、映像オーサライザーなどの技術スキルの向上を図るために各種開発用機材を研修用機材として保有している。 ※3ソフトウェア開発手法の1つで、迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法の総称。 (2)コンテンツプロパティ事業 コンテンツプロパティ事業は、ゲームサービス、ライセンスサービス、協業開発サービスの3つからなる。 a)ゲームサービス 同社ではソリューション事業において蓄積した技術力を生かし、自社システムと他社プラットフォームによるPC向けゲームの企画・開発・運営を行うほか、家庭用ゲームの開発も手掛ける。 代表作は、「麻雀」に「萌え」という要素を加えたPCブラウザゲーム「桃色大戦ぱいろん・生」(ニコニコアプリ)。一般的にPCブラウザゲームの寿命は1年程度と言われているなかで、5年を超える長寿ゲームとなっていたが、ゲームシステムの陳腐化、アーキテクチャー(設計思想)のウィークポイントが散見されるようになったため、今年8月8日でサービスを終了した(同9月8日にサポートを打ち切った)。 一方で、海外の有力ゲーム開発企業と業務提携を行い、良質な海外のゲームタイトルを日本国内・アジア地域でマルチプラットフォーム、マルチデバイスに向けて積極的に配信する海外ゲームパブリッシング事業を開始した※。その第1弾が欧州圏の有力なオンラインゲームディベロッパーであるDatcroftとの提携で、複数タイトルを年度内に日本国内向けにローカライズしリリースする予定(先にコメントしたとおり1タイトルは既に配信を開始済)。同社では、Datcroft以外の複数社とも包括的な業務提携を行い、良質な海外ゲームタイトルを積極的に配信することにより、新たな収益源の1つとして育成する計画。 ※海外ゲームパブリシッング事業を開始した背景には、PCオンラインゲーム市場は800億円程度の市場規模があり、直近で海外ソフトの「Pokémon GO」が人気化したことに見られるように国内、海外関係なく良いものであれば売れることから、スマホコンテンツ開発で同業の後塵を拝す格好となっているハンディキャップを海外ソフトの輸入でカバーできるとの判断が働いた。 b)ライセンスサービス 同社が保有するゲームタイトルまたはキャラクターについて、第三者が制作、販売するマンガ、小説、フィギュア、カードゲーム、スマートフォンアプリ、ダウンロード形式ゲームソフト販売など様々な商材へ使用許諾を行い、ライセンス料を得るビジネス。許諾キャラクターは「桃色大戦ぱいろん」シリーズのほか、家庭用ゲームの「メサイヤ」ブランドを取り扱う。 c)協業開発サービス ソリューション事業を通じて顧客企業から持ち込まれるスマートフォンアプリ、オンラインゲーム、家庭用ゲームなどの開発案件を協業するビジネス。同社がSNSプラットフォーマー、大手ゲームパブリッシャー、著名IP等を保有する版元企業とアライアンスを組み、同社が開発及び運営・運用を担うというもの。契約形態は初期開発フェイズと運営開発フェイズに分かれ、初期開発においては開発対価を受領、開発運営フェイズにおいてはサーバ等の変動費用及び月次売上げに応じた成功報酬を得るモデルが主流となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 ) 《YF》
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