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ダイナムジャパンHD Research Memo(9):顧客の支持獲得には成功、下期以降の回復に備える

2015/1/9 10:43 FISCO
*10:44JST ダイナムジャパンHD Research Memo(9):顧客の支持獲得には成功、下期以降の回復に備える ■業績:決算と見通し (2)2015年3月期下期以降の業績の考え方 2015年3月期の下期も上期同様、業界環境の厳しさが継続している。10月、11月も前年同月比で10%程度のマイナス成長というのが業界全般の状況だ。業界トップクラスのダイナムジャパンホールディングス(06889/HK)といえども、上期は言わば止血に追われた形となったが、下期に入って集客数を伸ばしていくような施策を打てるかどうかが1つのポイントだ。 結論から言えば、急流の川を遡上するようなことは、同社にとってもかなり困難と思われる。したがって、上期同様に今下期も地道な努力で対象商圏内の顧客をしっかりつなぎ止めることが何より重要なこととなろう。同社は圧倒的な企業規模やローコストオペレーションを武器に、「低貸玉営業」の積極展開を進めているが、それが顧客の支持の獲得に成功していることは、上期の実績が示している。したがってさらにこの業態を推し進めて、地域一番店の地位を確立しておくことが次のパチンコ需要回復の時に備えるという意味では重要になってこよう。 もう1つは、同社が進める積極出店だ。今期は約20店舗の新規出店が予定されているが、これは同社のベースである年間40店はもとより、今期の期初に現実的な出店数と弊社が考えていた30店舗をも下回る数値だ。同社の出店基準のハードルを下げない質重視の丁寧な出店作業を、弊社ではポジティブなことであると評価している。しかしながら、2016年3月期には出店ペースが一気に加速しそうな状況だ。この背景には、これまで出店を抑えざるを得なかった最大の要因である立地の問題が急速に解決しつつあることがある。同社の新規出店の立地は圧倒的に農地からの転用地が多い。農村地帯において、農業の後継者不足などもあって街道沿いの農地を商業用地などに転用する例が増加している。このような農家から見れば同社の存在は優良賃貸先であり、そうした引き合いが増加していることが同社の新規出店を後押ししているものと思われる。 出店ペースが上がるのに合わせて、同社は非効率度合いの高い店舗の閉鎖も進めるものと思われる。本部経費負担前でも赤字となっている店舗が数パーセントの割合で存在しているとみられ、経営体質強化に向けて、こうした負の部分についても対策を進める方針とみられる。 同社の新規出店モデルや開店後のローコストオペレーションの面で不安は少ない。最大の懸念事項は、思惑どおりの収入を獲得できるかである。2016年3月期の最大のポイントは、トップライングロース(売上・営業収益の成長)のためにどのような前向きな施策を打ち出してくるかであると弊社では考えている。400店舗近い店舗数の規模を活かした施策や、個々の店舗ベースでの同一商圏内での競争優位性を活かした施策などが考えられるが、体力に勝る同社が相対的に優位であることには疑いがないというのが弊社の評価だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《FA》