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コニシ Research Memo(9):14/3期は主力のボンド事業が業績を牽引して2期連続で最高益を更新

2014/8/20 17:55 FISCO
*17:55JST コニシ Research Memo(9):14/3期は主力のボンド事業が業績を牽引して2期連続で最高益を更新 ■業績動向 (1)2014年3月期の実績 ○損益状況 コニシ<4956>の2014年3月期の業績は、売上高112,869百万円(前期比7.7%増)、営業利益6,475百万円(同20.4%増)、経常利益6,704百万円(同25.0%増)、当期純利益3,738百万円(同21.2%増)とすべての項目で計画を上回った。主力のボンド事業とその他事業が業績を牽引し、2期連続で最高益を更新した。 営業利益は前期比で1,095百万円増加したが、前期比でのマイナス要因としては価格増減による影響が▲113百万円、販管費の増加▲491百万円、原材料価格の変動▲246百万円等があったが、プラス要因としては、生産数量増によるコスト削減効果+307百万円、販売数量増加による利益の増加+1,638百万円があった。 セグメント(事業)別売上高は表の通り、ボンド事業55,045百万円(同10.4%増、計画比2.2%増)、化成品事業48,981百万円(同4.3%増、同0.3%減)、その他事業8,841百万円(同11.5%増、4.7%増)となった。営業利益はボンド事業5,284百万円(同18.8%増、同5.7%増)、化成品事業542百万円(同24.8%増、同16.3%増)、その他事業640百万円(同29.2%増、同32.7%増)となり、すべての部門で増収増益となった。 事業の主な向け先が住宅、建築、土木等であるため、どちらかと言えば業態は「シクリカル」といえるかもしれない。ただし、向け先が自動車や電機等へ広がってきていること、接着剤の新しい用途(例:タイル外壁貼り付け:モルタル→接着剤)が出てきていること、さらにM&Aを中心に製品のラインアップ化を進めており、ボトムラインを切り上げながら業績を拡大できている点は評価できよう。 各事業の詳細は以下の通りである。 ▼ボンド事業 ボンド事業の各向け先別状況は以下の通りであった。 ◇住宅関連:売上高27,7111百万円(前期比13.4%増、計画比5.0%増) 消費税導入前の駆け込み需要等の影響もあり、内装工事用接着剤、外装タイル用接着剤、建材用接着剤、戸建て用シーリング剤が順調であった。子会社のサンライズMSIの住関連売上高も6,594百万円(同16.1%増、同6.9%増)と好調であった。 ◇産業資材関連:売上高8,002百万円(同2.9%増、同5.1%減) パネル用途向けウレタン系接着剤、自動車関連産業向け離型剤等は堅調であった。一方で、産業用ホットメルト系接着剤が不調であった。計画比でマイナスとなったのは、元々の計画が高すぎたためと会社は述べている。 ◇土木建築関連:売上高11,831百万円(同10.8%増、同1.4%減) 補修・補強工事が増えたことで補修材や工法、ビル建設用シーリング材が順調であったことから増収となった。土木用が前年比では大幅増(26.0%増)となったものの、当初計画(27.4%増)を下回ったことから、全体の計画比はマイナスとなった。 ◇一般家庭用関連:売上高6,426百万円(同3.5%増、同1.7%増) 新製品導入や円谷プロのウルトラマンを使ったテレビCM放映等による拡販計画によって前年比、計画比ともに増収となった。 ▼化成品事業 売上高は前期比4.3%増となったが、特に自動車分野を中心に下期に売上高が大きく伸びた。(前年同期比=上期1.2%減、下期10.3%増)一方で営業利益(305百万円)は海外子会社(特に科昵西貿易(上海)有限公司)の貢献により前期比24.8%増、計画比16.3%増となった。 科昵西貿易(上海)有限公司の主力事業は、石油化学製品、合成樹脂、工業薬品等の仕入・販売、接着剤やシーリング剤の仕入・販売、自動車用シール材、接着剤の仕入・販売であるが、中国の自動車関連企業向けに新規案件を獲得できたことから、売上高は1,418百万円(前期665百万円)、営業利益127百万円(同26百万円)となった。為替が円安に振れたことも利益の押し上げ要因になっている。 ▼その他事業 利益率の高い補修・改修・補強工事が順調に推移した結果、売上高、営業利益ともに前年同期比、計画比で大きく増加した。特に主力である工事請負事業の売上高は7,395百万円(同17.0%増、同8.0%)となり、部門の増収に大きく寄与した。工事別の割合はグラフの通り、土木・橋梁が49.9%、建築・耐震が31.8%、鉄道関係が18.3%となった。 この工事請負事業の売上高は2003年3月期には僅か3,000百万円ほどであったが、過去11年間で2倍以上となった。目立たない部門ではあるが、同社の隠れた成長分野になっている。 ○財務状況 2014年3月期末の財務状況は表の通りであった。前期末比で現預金の増加2,042百万円、売掛債権の増加2,239百万円等から流動資産は5,347百万円増加した。有形固定資産の増加1,176百万円、投資その他資産の増加860百万円等から固定資産は前期末比で1,909百万円増となった。その結果、総資産は81,778百万円(前期末比7,256百万円増)となった。 負債合計は、仕入債務の増加1,577百万円、短期借入金の増加197百万円等から36,190百万円(同3,423百万円増)となった。また純資産合計は主に当期純利益の計上等から45,587百万円(同3,832百万円増)となった。 ○キャッシュフローの状況 営業活動によるキャッシュフローは5,245百万円の収入であったが、主に税金等調整前当期純利益の計上6,515百万円、売上債権の減少による収入1,714百万円、たな卸資産の減少による収入534百万円、仕入債務の増加による収入1,456百万円、法人税等の支払いによる支出2,027百万円等による。 投資活動によるキャッシュフローは3,381百万円の支出であったが、これは、有形固定資産の取得による支出2,111百万円等による。財務活動によるキャッシュフローは594百万円の支出であったが、主に配当金の支払い551百万円による。 以上から2014年3月期の現金及び現金同等物の残高は、14,769百万円となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《FA》
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接着剤メーカー最大手。木工用ボンドで知名度。合成接着剤ボンドと化成品が収益の柱。土木建設向けに強み。自動車等に使用される弾性接着剤は販売数量増。24.3期3Qは大幅営業増益。通期業績予想を上方修正。 記:2024/04/15