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アールシーコア CORPORATE RESEARCH(9/9):一貫した「感性マーケティング」が最大の強み

2014/8/8 21:01 FISCO
*21:01JST アールシーコア CORPORATE RESEARCH(9/9):一貫した「感性マーケティング」が最大の強み ■RCC社の現状に対する考察 ◆中期経営計画達成のための費用増について 筆者が、アールシーコア<7837>が同業他社に比べて優れていると考えるポイントは、「感性マーケティングによって、新規来場者数を一定割合で成約に結びつかせる強固なビジネス・フレームワークを構築したこと」と「利益率がこの4期において同業他社比で極めて優秀なものとなったこと」の2つである。 「感性マーケティングによって、新規来場者数を一定割合で成約に結びつかせる強固なビジネス・フレームワークを構築したこと」の“証”である、第1部の図表2示した式によると、これまでの状態で中期経営計画の目標である契約高180億円を達成するために必要な新規来場者数は44,000件となり、同社が中期経営計画の前提条件としている33,000件のちょうど4/3倍となる。つまり、同社は成約率をこれまでより33%上昇させることを意図していると考えられる。筆者が考える今回の中期経営計画の本質はこの「成約率の33%増」という隠れた真実である。筆者としては、中期経営計画とおりの33,000件の新規来場者数であれば、140億円の契約高でも、十分にそのフレームワークは維持できていると考える。 また、同社が中期経営計画の前提条件として掲げている契約件数1,900件は、(同じく前提条件である)営業員数250名が、2012年度の1営業員当たりの契約棟数実績である8.0棟(2013年度は7.0棟)の契約を達成すれば可能な数字となっているが、このことは上記のように、結果的に成約率を33%引き上げることになるのである。中期経営計画制定時の営業員数は110名であるから、新たに加わった(加わる)140名を、これまでのレベル、いや、それ以上に「BESSの家」を顧客に理解してもらえるレベルにまで育て上げること、「BESS」の営業員とはどのようなスキルが必要なのかをきちんと理解してもらうことが必要となる。 説明会においても、「中期経営計画の、その先」という言葉が出てきている。この営業員に対する教育が長期的な同社の成長を支える原動力となることは確かである。きちんと「BESSの営業員」とは何なのかを理解した営業員数を育て、増やすことは、あくまでも、「その先」のための布石と考える。 次に、「利益率がこの4期において同業他社比で極めて優秀なものとなったこと」をこれからどう考えるかであるが、筆者は本質的な利益率とは、営業利益率では計れないと考えている。 筆者が住宅販売会社のレベニューの基準と考えているのは、売上高でなく、契約高である。同社が中期経営計画を制定した時点で、契約高と売上高(販売高)はほぼ一致しており、ここまで契約残高が大きくなることは想定していなかったはずである。それまでのように、期中の契約高に相当する分を期中に販売(売上計上)することを前提としていたはずである。 そのため、営業利益率ではなく、契約高利益率を念頭に置くべきであると考える。これは売上に係わる費用を変動部分と固定部分に区分したうえで、変動部分は契約高/売上高の比率を掛け、それに固定部分を加えて費用計算を行うものである。契約高と売上高に乖離があるため、これからはこの数字の動向をきちんと計測することが重要と考える。 例え、この数字が今期一時的に悪化しても、2017年3月期に再浮上に向けた状態を示していることが望まれる。無論、理想としては2014年3月期の数字を上回っていることである。それが達成できれば、今期の費用増加の正当性は証明されることになる。また、将来、軌道修正が必要になった際に判断基準となるのも同数値であろう。 ROEについても述べる。前期のROE15.4%(会社発表数値)という数字は既に非常に高い水準である。SC社が計測している29業種3279社データによると、同社の順位は434位と上位13%程度に位置している。また、直近3期累計のROE順位も513位と同じく高位である。因みに、同社が中計で掲げている18%という数字は、前期の順位でいうと310位に相当する。 再度、この5年間を振り返る。これだけ同社にとって“向かい風”の状況のなか、着実に業績を拡大させた背景には、もっと大きな“追い風”の存在があったということである。それは、同社の提案する暮らしと感性マーケティングに共感する、顧客という、緩やかながら確実に同社の背中を押す風である。 炊飯器に例えよう。現在、世界中で日本の炊飯器の評価はすこぶる高い。高性能で高価格帯が売れ筋だという。これに無洗米を入れれば、手間をかけずに、毎日同じ米が食べられる。しかし、「BESSの家」は土鍋である。琵琶湖の湖底の土やその他各地のそれに適した土で作られる土鍋も非常に人気がある。自分の納得のいく米を炊くまでに何度も失敗するかもしれない。毎回、硬さも違うかもしれない。しかし、それを求める人がいる。BESSの家はそのような土鍋と同じ性格を持ったものである。 高機能製品は他社がさらなる高機能を開発すれば、すぐに消費者はそちらに流れるが、「好き」という絶対的な価値は流れることはない。同社の最大の強みはやはり「感性マーケティング」を貫き通し、それが支持されているということなのである。 RCC社の新社屋の1階に「狂狷(きょうけん)の道」という大きな書字が掛かっている。論語のなかでも解釈の仕方が何通りもある「狂者は進みて取り、狷者は為さざる所あり」という言葉を、同社は「果敢な挑戦心と、たとえできることでもやらないことがある」と解釈して、信念としている。 今回の戦略的費用の投入も、この言葉に沿って行われることを期待したい。 スプリングキャピタル株式会社 井上 哲男 《FA》
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自然派個性住宅の製造・販売、タイムシェア別荘施設「フェザント山中湖」の運営管理等を手掛ける。ログハウスで国内トップシェア。単独展示場「LOGWAY」を展開。BESS新築住宅事業の立て直しに取り組む。 記:2024/08/12