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*10:03JST 【THE Conflict】フューチャーベンチャーキャピタル<8462>、個人投資家が経営陣刷新を目指し株主提案 フューチャーベンチャーキャピタル<8462>が6月の定時株主総会で取締役7名全員の交代を突きつけられている。株主提案を行ったのは合計2.4％の株式を保有する個人投資家の金武偉氏とマンティス・アクティビスト投資１号株式会社で、議案は金氏を含む取締役5人の選任だ。同時に、提案株主らは現経営陣の取締役選任議案に反対し、経営陣の刷新を目指している。 　京都に本社を構える独立系ベンチャーキャピタルのフューチャーベンチャーキャピタルは独特の事業形態を有する。競合の多い都心部ではなく地方に目をつけ、自治体や地銀と組む形でファンドを次々に立ち上げ、安定的な管理報酬と運用リターンに比例した成功報酬を得る。特徴は運用ファンドの多さで、2022年3月末時点で47本ものファンドを組成している。また、傘下ファンドを通じて自動運転ベンチャーのZMP社の株式を180万株保有していることでも知られる。 　ただし、業績は長らく水面下を漂い続けてきた。管理報酬が固定費を下回り、大きな成功報酬も獲得できなかったことで、営業利益は5期連続で赤字を計上していた。それでも、固定費の削減を駆使することで2022年3月期第3四半期は、売上高は前期比21.2％減の3.97億円だったものの、営業利益が0.52億円、親会社株主に帰属する当期純利益が1.76億円と収支は黒字転換を果たしている。 　提案株主の金氏はゴールドマン・サックス証券出身で、JPモルガン証券やユニゾン・キャピタルなど金融機関を渡り歩いてきた。また、『最強の働き方』『一流の育て方』などの書籍で知られるムーギー・キム氏の実弟でもある。提案株主の金武偉氏は株主総会に向け特設ホームページを公開し、LINEやYou Tubeで情報発信するなど精力的に活動している。金氏の主張はフューチャーベンチャーキャピタルの経営方針を真っ向から否定するもので、「ファンド数の絞り込み」「事業再生投資など投資領域の拡大」「管理報酬ではなく投資リターン重視路線への転換」の3点を骨子とする。 　これに対してフューチャーベンチャーキャピタルは、4月21日に反対の取締役会意見を出し、「本株主提案はその前提が当社の創業理念やビジネスモデルと相容れないものであっ て、当社がこれまで培ってきた顧客投資家との関係資産を喪失させるものであり、取締役会として は、本株主提案は企業価値の向上ひいては株主共同の利益の観点から適切でない」と断じた。 　フューチャーベンチャーキャピタルの株主構成の特徴は株主数が8,000名弱と会社規模に比べて極めて多いことで、個人投資家が大半を占める。提案株主の保有比率も2.4％にすぎない。個人投資家ひとりひとりの判断が会社の行く末を決めることになるだろう。 「このコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにTHE Conflict編集部によって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。当コンテンツによって提供された見解又は分析はTHE Conflict編集部の見解や分析であって、フィスコの見解や分析ではありません。また、当コンテンツは投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。」 《FA》