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【THE Conflict】東洋建設<1890>、非公開化巡り任天堂「山内家」と対立 豊富な資金力持つ山内家に事態は混迷

2022/5/24 9:59 FISCO
*09:59JST 【THE Conflict】東洋建設<1890>、非公開化巡り任天堂「山内家」と対立 豊富な資金力持つ山内家に事態は混迷 東洋建設<1890>の非上場化に「待った」がかかっている。東洋建設は海上土木に強い建設会社で、前田建設工業<非上場>が20.18%を保有。その前田建設工業を傘下に持つ持株会社、インフロニア・ホールディングス<5076>が、東洋建設の完全子会社化を表明し、東洋建設も賛同、株主に応募を推奨していた。3月23日から1株770円でTOBを行っていた。  このTOBに異議を唱えたのが、任天堂創業家の山内万丈氏の運用会社、ヤマウチNO.10ファミリーオフィス(以下ヤマウチ)だ。ヤマウチは市場内外で強烈に買い増しを進めており、4月22日時点で26.28%を保有するに至っている。東洋建設はヤマウチの反対を受け、応募推奨を撤回。インフロニア・ホールディングスはTOB期間を5月19日まで延長している。  東洋建設は総合建設業の中でも港湾・護岸工事など海上での土木工事を主に行う「マリンコントラクター」の大手で、近年は陸上建設も強化してきた。同社の業績は市況による波はありつつも、概ね拡大基調を続けてきた。2022年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比1.7%減の1,700億円、営業利益が同35.5%減の92億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同34.6%減の60億円としている。減収減益ではあるが、10年前の2012年3月期と比べると営業利益は4.87倍になっている。加えて、「国策」となっている洋上風力の受注獲得も期待されている。  対して、ヤマウチの山内万丈氏は1,000億円以上の資産を運用しているとされ、近年では任天堂の旧本社ビルを改装したホテルを立ち上げ、スタートアップ投資を行うなど精力的な活動を行っているが、今回見せたような「物言う株主」の側面も強い。2021年にはロングリーチグループによるジャパンシステムのTOBに対して、当時の経営陣が対抗MBOを仕掛けた。これは失敗に終わるが、ヤマウチは経営陣のMBO資金面をバックアップしていた。2022年には「友好的アクティビスト」として知られるタイヨウ・パシフィック・パートナーズを買収。このほか、富士興産<5009>に敵対的TOBを行ったアスリード・キャピタルへの資金提供を行っているという報道もある。  ヤマウチが4月22日に東洋建設に送った書簡では、TOB価格について「この価格は貴社の潜在成長力に照らせば貴社市場価値を反映していない低い金額と言わざるを得ない」とし、TOBへの応募推奨の撤回と企業価値向上に向けた対話を要求。条件に合意できた場合には、ヤマウチによる非公開化を前提としたTOBを提案している。その価格は1,000円と、インフロニア・ホールディングスのTOB価格を大きく上回る。  こうした状況を受け、東洋建設経営陣は難しい局面に立たされている。米国では会社を売却する際には会社の売却価値を最大化する義務が取締役会にあるとする「レブロン基準」が存在する。日本にはこうした義務は存在しないが、現在よりも明らかに高いTOB提案を蹴る合理性を一般株主に理解させる必要がある。  インフロニアがTOBで仮にスクイーズアウトによる非上場化を実行できる3分の2を買い集められなかった場合は、上場を維持したままヤマウチが大株主として残る膠着状態に陥る。ヤマウチは潤沢な保有資産を有しているため、長期戦も可能と見られる。籠城戦でヤマウチを諦めさせることは難しい一方で、TOB取得株式数の下限である46.47%を取得した場合は、ヤマウチが株主提案で議案を通すことは困難だ。そうなると、双方ともに事態を打開することは難しい。結局はヤマウチが納得して売却する株価を実現するしか道はなくなるだろう。 「このコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにTHE Conflict編集部によって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。当コンテンツによって提供された見解又は分析はTHE Conflict編集部の見解や分析であって、フィスコの見解や分析ではありません。また、当コンテンツは投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。」 《FA》
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1890 東証プライム
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時価総額 125,985百万円
海上土木に強みを持つ総合建設会社。1929年設立。陸上土木や建築工事、不動産事業等も。中部国際空港などで施工実績。フィリピンなど海外でも実績多数。成長ドライバーに位置付ける洋上風力建設事業に注力。 記:2024/08/02
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時価総額 318,133百万円
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