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はてな Research Memo(2):UGCサービスの技術とノウハウ生かし、法人向けサービスへ事業領域拡大(1)

2024/10/9 12:32 FISCO
*12:32JST はてな Research Memo(2):UGCサービスの技術とノウハウ生かし、法人向けサービスへ事業領域拡大(1) ■はてな<3930>の事業概要 同社は2001年に設立したインターネットサービス企業で、個人向けにユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するプラットフォームを提供するコンテンツプラットフォームサービスからスタートした。2014年以降は、同サービスで培った技術・ノウハウ、基盤や収益化力を生かして、法人向けのコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスへと展開し、事業領域の拡大を図っている。また、法人向けビジネスでの経験がコンテンツプラットフォームサービスの強化などにも役立っており、3つのサービス領域でシナジーを高めながら、成長を続けている。 1. コンテンツプラットフォームサービス コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信・拡散するUGCサービスとして「はてなブックマーク」「はてなブログ」等のサービスを展開している。任意のWebページにユーザーがコメントを簡潔に付けることができる「はてなブックマーク」があることで、「はてなブログ」の記事に他のユーザーの意見や批評が集まりやすいこと、長い文章や論考、コラムのようなものを発信するITリテラシーの高いブロガーが比較的多いことなどが「はてなブログ」の特長となっている。 売上高は「はてなブログ」等の無料ユーザーの画面に掲載されるアドネットワーク広告収入のほか、「はてなブログ」で本格的にブログを運営したいユーザー(個人・法人)に対して各種機能を有料で提供する月額課金収入などで構成される。売上高の6割弱を占めるアドネットワーク広告収入は、主にPV数×広告単価で決まる仕組みとなっており、広告単価に関してはその時々の需給によって変動するが、趨勢的には低下傾向にある。このため、PV数をいかに伸ばせるかが売上成長のカギとなる。PV数については、サービスの登録ユーザー数を拡大していくこと、良質なコンテンツの投稿数を増やすことが重要であり、優れた書き手や投稿者を惹きつける施策に取り組むことでメディア全体の価値向上を図っている。 現在の主要サービスは以下の3種類である。 (1) 人力検索はてな 2001年に開始した同社の最初のサービスであり、社名の由来ともなっている。検索エンジンで解決できない疑問があるときや簡単な統計を取りたいときに有用なQ&Aサービスで、ナレッジコミュニティサービスの草分け的な存在である。 (2) はてなブックマーク 2005年に開始した国内最大級のソーシャルブックマークサービスで、気になったWebページを、感想やタグとともにオンライン上で簡単に管理できる。共有されたブックマーク先のページを見ることで、インターネット上で盛り上がっている話題を知ることができる。 (3) はてなブログ 2003年にサービスを開始した「はてなダイアリー」を進化させたブログサービスで、2013年に開始した。シンプルなデザインに執筆を助ける機能が充実しており、長い文章をじっくり書いて発信したいハイエンドブロガー向けのサービスとして定評がある。 2012年より開始した有料サービスの「はてなブログPro」は、使用可能ストレージ容量が3GB/月と無料プランの10倍となるほか、独自ドメインの設定や管理機能の強化、モバイル環境下での高速表示、画面上の広告配置を自由に設定可能(非表示も可)であるなど、本格的にブログを運営したいユーザー向けのサービスとなる。料金プランは利用期間に応じて3コース※で提供している。また、2020年よりスタートアップ企業(設立5年以内)または小規模法人(資本金5千万円以下)向けを対象に、「はてなブログBusiness」サービスの提供を開始しており、料金プランは同様に3コース※で提供している。 ※ 「はてなブログPro」は1ヶ月コース1,008円、1年コース8,434円(月額703円相当)、2年コース14,400円(同600円相当)。「はてなブログBusiness」は1ヶ月コース4,980円、1年コース41,800円(月額3,486円相当)、2年コース71,700円(同2,988円相当)。 2. コンテンツマーケティングサービス コンテンツマーケティングサービスでは、企業が顧客等に向けて伝えたい情報を発信するためのオウンドメディアの構築・運用支援サービス「はてなブログMedia」を2014年より開始している。同サービスはSaaSで提供しているため、顧客企業はサーバーの構築・保守運用が不要なほか、直感的に操作できるUI(User Interface)や複数人での編集作業が可能なことが特長だ。また、同社がUGCサービスで培ったシステム・ノウハウを生かし、費用対効果の高いオウンドメディアを構築できることが強みである。 料金プランはレギュラープラン、ライトプラン、HRプラン(採用オウンドメディア)の3コース※がある。売上高の7割弱は月額課金となるシステム利用料のほか、オウンドメディアの構築並びにコンテンツ制作料等で占められ、残りの3割強がオウンドメディアを拡散するための広告掲載料(「はてなブログ」等の同社UGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告等)で占められている。システム利用料以外は、顧客企業の予算状況によって変動し、1メディア当たりの平均売上単価で見るとレギュラープランが高く、コンテンツ制作のニーズが少ないHRプランが低くなる傾向にある。 ※ 月額システム利用料はレギュラープランが個別対応、ライトプランが11.0万円、HRプランが7.7万円となっており、レギュラープランとライトプランは別途、初期導入費用が必要となる。 「はてなブログMedia」の運用件数はサービス開始以降、順調に増加しており、2024年7月期末で142件となっている。1企業で複数の媒体を運用するケースもあり、ここ最近では働き方改革に関する情報発信や社員インタビューといった人材採用分野での活用を目的としたオウンドメディアのニーズが増大している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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時価総額 2,671百万円
マンガビューワ「GigaViewer」を中心とする受託サービスなどのテクノロジーソリューションサービスが主力。はてなブログ、はてなブックマーク等のサービスも。受託サービスが成長の柱。出版社DX支援に注力。 記:2024/10/05