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アウトソシング Research Memo(1):2019年12月期の業績は計画未達ながら増収増益を確保

2020/4/23 15:31 FISCO
*15:31JST アウトソシング Research Memo(1):2019年12月期の業績は計画未達ながら増収増益を確保 ■要約 アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」や、メーカーの研究開発部門及びIT、土木建築系企業向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍施設向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。M&Aを始め、独自スキームの構築による人材獲得に優位性を有しており、海外を含めた人材提供数及び管理人数は約10万人に上る(技術・製造系では国内業界最大の規模)。景気変動の影響を受けない事業構造への変革や今後の環境変化等を見据え、拡大するエンジニアニーズへの対応や公共関連サービスの強化、米軍施設向け事業の拡充など、グローバル規模で事業を拡大してきた。今後は、環境変化に合わせ、ビジネスモデルの抜本的な変革及び新たなビジネス機会の獲得にも取り組む方針である。 2019年12月期の業績(IFRS)は、売上収益が前期比16.0%増の361,249百万円、営業利益が同6.2%増の15,501百万円と期初計画を下回ったものの、引き続き増収増益(過去最高業績)を実現した。売上収益はすべての事業が伸長。特に、国内においては、「国内技術系アウトソーシング」がKENスクール等を活用した技術者採用が奏功したほか、「国内サービス系アウトソーシング」も国内米軍施設向けが好調に推移。海外においては、公務サービスの民間委託ニーズの拡大などにより「海外技術系」が大きく拡大した。ただ、売上収益が計画を下回ったのは、「国内製造系アウトソーシング」が米中貿易摩擦の影響を受けたこと、「国内技術系アウトソーシング」において外国人技術者のマッチングに時間を要したこと、「海外製造系及びサービス系」において派遣法改正の影響等によりドイツでの落ち込みが大きかったことなどが理由である。利益面でも、営業収益の下振れに連動して各段階利益で計画未達となったが、これまで進めてきた業績平準化の戦略が奏功して増益を確保した。 同社は、新たな中期経営計画を1年前倒しで策定した。世界各国で急速に進行する環境変化への迅速な対応を図るとともに、新たに発生したビジネス機会を同社成長に取り込むことが目的である。特に、1)海外就労者サポートサービスの拡大、2)エンジニアとテクノロジーを融合した「派遣2.0」モデルの推進、3)米軍施設向け及び政府公共系ビジネスの更なる拡大、4)グローバル人材流動化ネットワークの確立、5)プラットフォームビジネスの構築により、ビジネスモデルの更なる進化や抜本的な変革にも取り組む計画である。最終年度となる2024年12月期の業績目標として、売上収益8,200億円(5年間の平均成長率17.8%)、営業利益650億円(同33.2%)を掲げている。 新中計の初年度となる2020年12月期の業績予想(IFRS)について同社は、売上収益を前期比16.3%増の420,000百万円、営業利益を同35.5%増の21,000百万円と増収増益を見込んでいる。引き続き、すべての事業が伸長する見通しである。堅調な外部環境(エンジニアニーズの拡大等)や内部施策(KENスクールの活用及び業界淘汰の獲得等)により「国内技術系アウトソーシング」が大きく拡大するとともに、「国内サービス系アウトソーシング」についても米軍施設向けが好調を維持。また、「海外製造系及びサービス系」については、グローバル規模での人材流動化スキームの進展やドイツの立ち直りなどが業績の伸びをけん引する想定となっている。利益面でも、新中計の達成に向けた先行費用が見込まれるものの、増収により吸収することで大幅な増益を実現し、営業利益率も改善する見通しである。 ■Key Points ・2019年12月期の業績は計画未達ながら増収増益(過去最高業績)を実現 ・米中貿易摩擦の影響などを一部で受けたものの、これまで進めてきた業績平準化の戦略が奏功 ・新中期経営計画「VISION2024」を1年前倒しで策定。環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革にも取り組む ・新中計初年度となる2020年12月期の業績予想についても、新中計の達成に向けた先行費用をこなしながら増収増益を見込む (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《ST》
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製造業向け人材派遣・業務請負が柱。M&Aを活用して国内外で事業拡大。昨年12月に発表したMBOの一環として米投資ファンドのベインが1株1755円でTOB実施。今年3月にTOBが成立し、同社株は上場廃止へ。 記:2024/04/10