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SI Research Memo(2):データベース開発支援ツールはデファクトスタンダード(1)

2019/5/27 15:02 FISCO
*15:02JST SI Research Memo(2):データベース開発支援ツールはデファクトスタンダード(1) ■事業概要 システムインテグレータ<3826>は1995年設立の独立系ソフトウェア開発会社で、パッケージソフトの開発販売及び保守サービスのほか、クラウドサービス(SaaS)での提供も行っている。新製品に関しては基本的にクラウドサービス型での事業展開を指向している。現在の主力製品は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」や統合型プロジェクト管理ツール「OBPM」のほか、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」等がある。事業セグメントに関しては、Object Browser事業、EC・オムニチャネル事業、ERP事業のほか、新規事業をその他として区分開示している。 2019年2月期の売上構成比で見ると、ERP事業が全体の63.6%と過半を占めており、残りをObject Browser事業、EC・オムニチャネル事業で2分する格好となっているが、営業利益(その他事業を除く)で見るとObject Browser事業が49.7%と最も高く、次いでERP事業が30.2%、EC・オムニチャネル事業が20.1%となっている。Object Browser事業のセグメント利益率は45.8%と高収益事業となっているが、これは競合先がほとんどなく市場シェアが高位安定していることが主因となっている。なお、月額課金収入や保守サポート収入等のストック型の売上比率は全体で23.9%とここ数年で上昇しており、収益基盤の強化も進んでいる。各事業の内容は以下のとおり。 1. Object Browser事業 Object Browser事業ではデータベース開発支援ツール「SI Object Browser」やデータベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」(以下、「SI Object Browser」シリーズ)のほか、統合型プロジェクト管理ツール「OBPM」、2013年6月にリリースしたアプリケーション設計支援ツール「SI Object Browser Designer(以下、OBDZ)」等のソフトウェア製品の開発販売を行っている。また、「OBPM」や「OBDZ」についてはパッケージ販売、クラウドサービスの両方に対応している。 売上構成比は「SI Object Browser」シリーズが4割強、「OBPM」が6割弱となっており、「OBPM」の比率が年々上昇傾向にある。「SI Object Browser」シリーズについては1997年の発売以来1.7万社に導入され、国内ではデファクトスタンダードとなっている。現在は売上高の30%弱が保守サポート等のストック型収入となっており、毎年安定した売上が見込めるほか販売費用もほとんどかからないため、売上総利益率は約90%と高収益製品となっている。 一方、「OBPM」は開発プロジェクトの進捗状況を統合管理(スケジュール、コスト、要員、品質、採算等の管理)することで、不採算プロジェクトの発生を未然に抑止し、開発部門の生産性向上を支援するツールとなる。国内で唯一、PMBOK※に準拠しており2008年の発売以降、2019年2月時点の導入社数は170社超となり、年率2ケタ台の成長が続いている。導入企業の多くは中堅規模のIT企業となる。大手は自社開発品を使用し、中小企業ではExcelなど市販ソフトを使って管理しているケースが大半のためだ。ただ、認知度向上や品質の高さなどから大企業でも導入を検討するところが出てきたほか、製造業やエンジニアリング業からの引き合いも増え始めている。このため2017年2月期より大手企業の部門導入向けに機能を限定したライト版、製造業向けにエンジニアリング版の販売をクラウドサービスで開始した。市販品での競合品はほとんどないこと、売上高の約50%超が月額課金等のストック型収入で占められることなどから安定した成長が続いており、売上総利益率も65%前後と高い。広告費や導入サポート費用等がかかるため、「SI Object Browser」シリーズと比較すると営業利益率はやや低くなる。 ※PMBOK(Project Management Body of Knowledge)・・・プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたもの。1987年にアメリカの非営利団体PMIが「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」というガイドブックで発表してから徐々に知られるようになり、現在はプロジェクトマネジメントの世界標準として世界各国に浸透している。 「OBDZ」はソフトウェア開発の上流工程である基本設計・詳細設計をシステム化し、合理化・標準化することで設計工程における生産性及び品質向上を支援するツールで、ソフトウェア開発分野におけるCADとも言える製品となる(特許取得済み)。従来は、エンジニアがExcelやWordで個々に設計書を作成していたため、仕様変更が発生した場合などのメンテナンス、変更管理が難しく、開発遅延の原因になるといった課題があったが、こうした設計書をデータベースで統合管理し、標準化及び合理化するシステムとなる。このため用途としては、基幹業務システム等の大規模なウォーターフォール型※のシステム開発に向いている製品と言える。2013年のリリース以降、機能改良の途上段階ではあるものの、導入社数が38社に達している。 ※ウォーターフォール型とは、システム開発を「基本計画」「外部設計」「内部設計」「プログラム設計」「プログラミング」「テスト」という工程に分けて順に段階を経て行う開発手法を指す。前の工程には戻らない前提のため、下流から上流へは戻らない水の流れに例えてウォーターフォールと呼ばれている。 2. EC・オムニチャネル事業 EC・オムニチャネル事業では、日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」を主力製品として販売している。「SI Web Shopping」の特徴は、大規模ECサイトに強いということにある。具体的には、売上金額が数百億円規模となる大量のトランザクション処理に対応可能なスケーラビリティと、高いセキュリティ機能を有しており、スマートフォン等のモバイル対応機能や、英語、中国語など多言語への対応も行っている。1996年の発売以降1,100社以上のECサイトを構築しており(アクティブ稼働数は1割弱)、豊富な開発ノウハウや高い技術力が同社の強みとなっている。 ECサイト構築パッケージ業界でのポジションは、大規模事業者向けに限定すれば同社と、ソフトクリエイトホールディングス<3371>の子会社である(株)ecbeing、(株)コマース21の3社でほぼ寡占状態となっていたが、ここ最近はSIerとの競合も増えてきている。最近の傾向としてECサイト構築パッケージに他の業務システムとの連携機能を付加するといったニーズが増えてきているためで、1件当たりの受注単価も従来は数千万円規模だったものが100百万円を超える案件が増えるなど大型化が進んでいる。2019年2月期におけるストック型売上比率は14.9%と同社の中では相対的に低く、開発案件の状況によって期間収益率も変動する傾向にある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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