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後場に注目すべき3つのポイント~「資金動き出す」が俄然重み増すFOMC

2020/11/5 12:48 FISCO
*12:48JST 後場に注目すべき3つのポイント~「資金動き出す」が俄然重み増すFOMC 5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は続伸、「資金動き出す」が俄然重み増すFOMC ・ドル・円は弱含み、米大統領選の行方を注視 ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位が東エレク<8035> ■日経平均は続伸、「資金動き出す」が俄然重み増すFOMC 日経平均は続伸。234.38円高の23929.61円(出来高概算5億8000万株)で前場の取引を終えている。 4日の米株式市場でNYダウは3日続伸し、367ドル高となった。大統領選は接戦ながら野党・民主党候補のバイデン前副大統領が優位となる一方、同時に行われた議会選では与党・共和党が上院の過半数の議席を確保するとの見方が広がり、民主党が主張する増税や規制強化に歯止めがかかるとの期待が高まった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は4%近い上昇となった。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで80円高からスタートすると、後述のエーザイ<4523>に買いが殺到したこともあって上げ幅を拡大。前引けにかけて一時24012.66円(317.43円高)まで上昇し、取引時間中としては1月22日以来、およそ9カ月半ぶりに24000円台を回復する場面があった。 個別では、エーザイがストップ高水準での買い気配のまま前場を折り返している。アルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」が米食品医薬品局(FDA)から高評価を受けていると伝わった。その他では、米ハイテク株高が支援材料となったソフトバンクG<9984>、バイデン氏の大統領就任で通商摩擦緩和が期待される東エレク<8035>やレーザーテック<6920>などのハイテク株が大幅に上昇。また、運用会社による株式公開買付け(TOB)実施が発表された京阪神ビ<8818>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、10月の売上推移速報を発表したファーストリテ<9983>が朝高後にマイナス転換し、トヨタ自<7203>などは小幅に下落。決算が嫌気されたリコー<7752>や三菱自<7211>は急落し、東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、医薬品、精密機器、情報・通信業などが上昇率上位。半面、鉱業、鉄鋼、保険業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の58%、対して値下がり銘柄は37%となっている。 これまでに米大統領選及び議会選の結果はまだ判明していないが、金融市場は情勢を以下のとおり捉えているようだ。(1)激戦州のミシガンやウィスコンシンをバイデン氏が制し、現職のトランプ大統領の再選は厳しくなった、(2)メーン州で共和党現職が勝利し、民主党が上院で過半数を確保することも難しくなった、(3)トランプ陣営がウィスコンシン州で集計のやり直しを主張するなど決着まで長引く可能性はあるが、最高裁まで巻き込む泥仕合となる可能性は低い。 すなわち、「バイデン大統領とともに上院・共和党、下院・民主党というねじれ議会が誕生する」というのがメインシナリオとして意識されつつある。「泥仕合にならない」との見方はやや楽観的な印象だが、そこは空前のカネあまりがなせる業だろう。当欄では従前から「売りにも買いにも傾かないニュートラルで米大統領選を迎え、『シナリオ定まれば投資資金は動く』(10月6日当欄タイトル)」と予想してきた。結果的に日経平均は23000円台で大統領選を迎え、ここにきて24000円台回復を一時回復してきており、予想どおりの展開と言える。 また、マザーズ指数も連日の大幅高となっている。マザーズ市場は通常、個人投資家の買い持ちが中心であり、米大統領選を前にその持ち高を減らす動きが強まった。日経平均が日銀による上場投資信託(ETF)買い入れや海外勢の売り持ち解消(買い戻し)に支えられたのとは異なる。米大統領選を通過し、日米株高も追い風となって投資資金の再流入余地は大きいと考えられる。 さて、通商面ではバイデン氏が穏健路線に修正する一方、過度な増税や規制強化は共和党上院が歯止めをかけるという期待のもと、日米市場ともハイテク株が一斉高となっている。一方で「ねじれ議会」の弊害に対する警戒感もにじむ。コロナ禍を受けた追加経済対策の早期実現は期待しづらくなり、代表的なところでは建機の米キャタピラーが7%を超える下落となり、東京市場でもコマツ<6301>が4%超の逆行安だ。民主党圧勝シナリオの台頭から一時0.9%近くまで上昇していた米長期金利は足元0.7%台まで反落しており、やはり大規模な財政支出実現という思惑が後退したことがわかる。もちろん長期金利低下はハイテク株にとっては後押し要因となる。 こうなると俄然重みを増すのが、4~5日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。米選挙情勢ばかりクローズアップされがちだが、欧米での新型コロナウイルス再拡大、米経済対策の成立遅れといったリスクが顕在化しつつあるなかで欧米投資家が悲観に傾いていないのは、米連邦準備理事会(FRB)を含む主要中央銀行が景気下支えに回るとの期待が強く働いているのだろう。本日発表されるFOMCの結果、そしてパウエルFRB議長の会見内容がこうした金融市場の期待に応えるものか注視したい。 後場の日経平均は米選挙情勢やFOMC結果を見極めたいとの思惑も出てきて、高値もみ合いとなりそうだ。また、本日はエーザイやテルモ<4543>、クボタ<6326>、ダイキン<6367>、シスメックス<6869>、スズキ<7269>、任天堂<7974>、三菱商<8058>などが決算発表を予定している。 ■ドル・円は弱含み、米大統領選の行方を注視 5日午前のアジア市場でドル・円は弱含み。日経平均株価や上海総合指数、米ダウ先物など主要株価指数は世界的に堅調地合いとなっているが、株高を好感した円売りは限定的。引き続き米大統領選の開票作業を見守る状況で、不透明感は根強いようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は104円22銭から104円54銭、ユーロ・ドルは1.1717ドルから1.1739ドル、ユーロ・円は122円23銭から122円62銭。 ■後場のチェック銘柄 ・アイケイ<2722>、駅探<3646>、2銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位が東エレク<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・豪・9月貿易収支(予想:+37.00億豪ドル、8月:+26.18億豪ドル←+26.43億豪ドル) <国内> 特になし <海外> ・16:00 独・9月製造業受注(前月比予想:+2.0%、8月:+4.5%) 《HH》
関連銘柄 19件
2722 東証スタンダード
385
11/26 15:30
+1(%)
時価総額 3,199百万円
生協やネット通販会社への卸売り等を行うセールスマーケティング事業が柱。テレビショッピング等のダイレクトマーケティング事業、ITソリューション事業も。27.5期売上高200億円目標。EC事業の拡充図る。 記:2024/10/24
3646 東証グロース
404
11/26 15:24
+2(%)
時価総額 2,432百万円
乗換案内サービス「駅探ドットコム」を運営。モビリティサポート事業、広告配信プラットフォーム事業が柱。M&A・インキュベーション事業も展開。駅探ドットコムは地域コンテンツを強化。CRMツールの強化も図る。 記:2024/08/23
4523 東証プライム
4,619
11/26 15:30
-34(%)
時価総額 1,369,843百万円
国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」、不眠症治療剤「デエビゴ」などが主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。アルツハイマー病治療剤「レケンビ」に積極的な成長投資実施。 記:2024/10/20
4543 東証プライム
3,096
11/26 15:30
-12(%)
時価総額 4,615,198百万円
医療機器メーカー。北里柴三郎などが発起人となり1921年に設立。血管内治療関連デバイスなどの心臓血管部門が主力。電子体温計、血糖自己測定器等も手掛ける。コスト削減のほか、設備投資で生産能力の拡大図る。 記:2024/08/26
6301 東証プライム
4,182
11/26 15:30
+22(%)
時価総額 4,072,478百万円
世界2位の総合建設機械メーカー。1921年設立。自動車産業向け大型プレスなど産業機械も。エンジンなどは国内で自社開発。海外売上比率は8割超。配当性向40%以上目安。坑内掘りハードロック事業の拡大図る。 記:2024/10/07
6326 東証プライム
1,923
11/26 15:30
-3.5(%)
時価総額 2,262,731百万円
世界シェアトップクラスの農業機械メーカー。1890年創業。建設機械「ミニバックホー」などで世界トップシェア。ダクタイル鉄管、水処理システム等も手掛ける。海外売上高比率は7割超。強固な販売網などが強み。 記:2024/08/27
6367 東証プライム
18,505
11/26 15:30
-235(%)
時価総額 5,424,075百万円
空調・冷凍機事業が主力。エアコン世界首位。フッ素化学製品等の化学事業、酸素濃縮装置の製造・販売等も。海外売上比率が高い。差別化新商品の投入、増産投資等に取り組む。26.3期営業利益5000億円目標。 記:2024/06/07
6869 東証プライム
3,194
11/26 15:30
-1(%)
時価総額 2,010,217百万円
検体検査機器・試薬メーカー。血球計数検査や血液凝固検査、尿検査分野で世界首位。臨床検査機器も手掛ける。海外売上は8割超、世界中に展開。ヘマトロジー分野の機器、保守サービスの等が伸長。手術支援ロボット拡大。 記:2024/06/30
6920 東証プライム
16,705
11/26 15:30
-970(%)
時価総額 1,575,048百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,667.5
11/26 15:30
-27(%)
時価総額 42,133,128百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7211 東証プライム
424.1
11/26 15:30
-13.4(%)
時価総額 632,029百万円
SUV・4WD技術に強みを持つ自動車メーカー。仏ルノー及び日産自動車と提携。海外売上高比率は7割超。アセアンの販売台数比率が高い。26.3期営業利益2200億円目標。アセアンで新商品の連続投入計画。 記:2024/06/17
7269 東証プライム
1,631
11/26 15:30
+2.5(%)
時価総額 3,204,240百万円
四輪車、二輪車メーカー。1909年創業。静岡県浜松市に本社。軽自動車に強み。四輪車はインドでトップシェア。船外機なども手掛ける。日本、インド、欧州が主要事業地域。インドは四輪車の累計生産が3000万台超。 記:2024/10/10
7752 東証プライム
1,724.5
11/26 15:30
+36.5(%)
時価総額 1,012,263百万円
大手複合機メーカー。1936年創業。プリンターやオフィス機器消耗品、電子黒板、ITインフラ、ヘルスケア関連システム等も。海外売上高比率は6割超。25.3期はオフィスサービス事業の堅実な成長などを見込む。 記:2024/06/18
7974 東証プライム
8,309
11/26 15:30
+110(%)
時価総額 10,790,815百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,650
11/26 15:30
-485(%)
時価総額 10,682,487百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8058 東証プライム
2,566
11/26 15:30
-70.5(%)
時価総額 10,723,360百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
8818 東証プライム
1,603
11/26 15:30
+33(%)
時価総額 78,885百万円
不動産賃貸会社。データセンタービル事業が主力。大阪都心部にデータセンタービルを保有。中規模オフィスビルの保有・賃貸、ウインズビルの賃貸等も。オフィスビルは高い稼働率維持。既存ビルは省エネ化を推進。 記:2024/08/01
9983 東証プライム
51,450
11/26 15:30
+720(%)
時価総額 16,372,470百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,844
11/26 15:30
-30(%)
時価総額 13,000,636百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17