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シンシア Research Memo(3):コンサルタンティング事業、システム事業を加え多角化を進める(1)
2024/3/26 14:43
FISCO
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*14:43JST シンシア Research Memo(3):コンサルタンティング事業、システム事業を加え多角化を進める(1) ■シンシア<
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>の事業概要 1. 市場環境 国内コンタクトレンズの市場規模は、(一社)日本コンタクトレンズ協会の調査によれば2022年で2,824億円と前期比9.9%増加している。なお、ケア用品については300億円程度で比較的安定的に推移している。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による外出規制や在宅ワークの進展などの影響を受け、2020年の市場は前期比6.5%減と大きく落ち込んだが、2021年、2022年と回復し、コロナ禍前の2019年の水準を上回った。ここ10年間、スマホやパソコン、ゲーム機などの普及、利用時間の増加により若年層を中心に近視が増えており、コンタクトレンズ市場も緩やかに成長している。 2.コンタクトレンズ事業 (1) コンタクトレンズ事業 a) 製造・品質管理 同社は工場を持たないファブレス企業であり、製造は台湾・韓国・マレーシアの3ヶ国の現地工場と提携して製造を委託している。コンタクトレンズは高度管理医療機器であり、同社でも商品開発段階から現地工場との共同開発体制を採り、徹底的な製造管理・品質管理を行っている。製造元に対しては最低でも年1回の定期監査を行い、定められた工程どおり製造されているか、品質基準を満たしているかなど、製造現場や製造記録を厳しくチェックしている。同社は、国際規格「ISO13485 医療機器の品質マネジメントシステム」の認証を取得している。日本で製造販売業を行うに当たってこの認証取得は必須ではないが、より高いレベルでの製造管理・品質管理を行うために取得した。また、各委託先が得意とする製品を見極め、製品ごとに最適な提携工場を選択している。 同社の品質と安全に対する想いは強く、提携工場内で定められた検査を行い出荷された製品に関しても、輸入した国内でさらに、受入検査と製品検査という2段階の追加検査を行っている。コンタクトレンズの承認基準で要求されている「物理的試験」「安定性試験」「消毒剤との適合性試験」に対応できる試験検査設備を自社で保有しており、ユーザーからの問い合わせなどで届いた製品の迅速な原因究明とレポート提出も可能な体制を整えている。 b) 商品ラインナップと販売チャネル 同社の商品は、販売チャネル別にブランドマーケティングを実施している。クリアレンズにおいては、ECサイトでの販売は「L-CON」シリーズを展開している。また、「シンシア S」シリーズが好調であることから、2022年2月からは「シンシア S」と同じシリコーンハイドロゲル素材を使用した「pranair」を1日使い捨ての1ブランド投入している。子会社ジェネリックコーポレーションの展開する「みんなのコンタクト」で直販するほか、ECサイトに出店する小売店舗に卸・代理店経由で販売されている。 2019年2月から発売したクリアレンズの「シンシア S」シリーズは、業界で普及し始めた第三世代のシリコーンハイドロゲル素材を使用したレンズで、166Dk/Lと同社従来品の約12倍もの高い酸素透過率を誇る。水分を介してだけではなく、レンズそのものが酸素を通すので、長時間使用でも瞳の酸素不足を防ぐ。また、レンズが柔らかく、弾力があるため心地良い装用感があり、独自の技術によりうるおい層を作り乾燥を防ぐ。また、業界では初めて、保存液に水分を蓄える働きをするヒアルロン酸を配合している。1日使い捨て、2週間交換の2ブランドを発売している。機能性が高い反面、価格も高くなるため、消費者が眼科の処方箋を持ち込んで購入する眼鏡店やコンタクトレンズ量販店(アイシティ、(株)中央コンタクト、富士コンタクト(株)など)といった処方施設チャネルで販売している。眼科医、ユーザーから高い評価を得て、2023年12月期決算では自社ブランドの6割を同シリーズが占める(サークルレンズを含む)。2021年5月には、サークルレンズでも同素材を使用した「シンシア1day S Cleche」を発売し、好調に推移している。2023年2月には2週間交換タイプも発売した。健康意識も高まりつつあるなか、こうした高品質な製品への需要は根強い。 ドラッグストア向けブランドは2017年11月に「1day Eye Well」を発売したが、販売が低位で推移していた。そのため、新たにドラッグストアでのコンタクトレンズ販売市場を創造するため、2022年2月にドラッグストア向けにコンタクトケア商品の強い販売チャネルを持つ卸売りの大木と、同社が2022年3月発売した「2week Eye Well」の独占販売契約を締結した。その結果、2022年12月期に「Eye Well」シリーズの取扱店舗数が増加し、売上高も前期比38.9%増となった。「Eye Well」は、1日使い捨ては2ブランド、2週間交換は1ブランドを発売している。 カラーレンズにおいては、「FAIRY」シリーズをECサイトで販売している。子会社カラコンワークスの展開するEC店舗「FAIRY REPUBLIC」、子会社ジェネリックコーポレーションの展開する「みんなのコンタクト」で直販するほか、ECサイトに出店する小売店舗に卸・代理店経由で販売している。ただし、「シンシア S」シリーズのサークルレンズ「シンシア S Cleche」は、クリアレンズと同じチャネルで販売している。1日使い捨てと2週間交換タイプは2ブランド、1ヶ月交換は1ブランドを発売している。 また、同社では、「みんなでつくるカラコンプロジェクト」を立ち上げ、ユーザーの声を集めながら、ユーザーとともに様々なバリエーションのレンズを開発し、カラーコンタクトシリーズ「USER SELECT」として提供している。瞳の色が一人ひとり違うことに着目し、開発された裸眼系レンズは、瞳の色ごとになじみ具合を3段階から選べる。また、瞳の大きさの違いにも着目し、大きさに合わせて着色直径が選べるレンズも開発し、1日使い捨てで2商品、1ヶ月交換で1商品を発売している。カラーレンズは、色素の溶出により眼障害を引き起こすケースもあるが、同社のカラーレンズの製法は、コンタクトの素材と素材の間に色素(着色剤)を挟み込むサンドイッチ方式であるため、色素をレンズ内に浸透させる方式や色素をレンズにプリントする方式とは異なり、色素部分が角膜やまぶたに直接触れない方式で、安全性が高い。また、カラーバリエーションが豊富で、保存液にヒアルロン酸の約2倍の保湿力を持つうるおい成分「MPCポリマー」を配合しており、長時間使用した場合の乾燥感を軽減する。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《SO》
関連銘柄 1件
7782 東証スタンダード
シンシア
506
11/25 15:30
-8(%)
時価総額 3,472百万円
使い捨てコンタクトレンズの製造・販売を行う。シンシアワンデーSが主力商品。コンサルティング事業やシステム事業も手掛ける。シンシアワンデーSは売上順調。ユーザー等からの高評価で取り扱い店舗数が伸びる。 記:2024/06/25
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