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タクマ Research Memo(8):営業利益、経常利益は前期比減少も、受注高は引き続き堅調な需要を見込む(2)
2023/7/3 12:08
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*12:08JST タクマ Research Memo(8):営業利益、経常利益は前期比減少も、受注高は引き続き堅調な需要を見込む(2) ■今後の見通し 2. 中長期の成長戦略 2021年5月よりタクマ<
6013
>は、環境・エネルギー分野のリーディングカンパニーであり続けるため、長期ビジョン「Vision2030」を掲げた。その実現に向けたファーストステップとして、さらなる成長への布石を打つことをテーマにした第13次中期経営計画を進行中だ。 (1) 長期ビジョン「Vision2030」 同社は有益な技術・サービスをもって顧客や社会の課題を解決し、その繰り返しによって持続的に成長しながら、ESG課題に取り組むことで持続可能な社会の実現に貢献し、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとしてあり続け、10年後に経常利益200億円を目指す、2030年に向けた長期ビジョンとして「Vision2030」を掲げている。 具体的には、再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心として、顧客の事業活動や行政サービス、地域社会や新興国等における各種課題の解決へと繋がる技術やサービスを継続的に提供する事業活動を展開し、ESG課題へ取り組むことを考えている。 (2) 第13次中期経営計画 「Vision2030」の実現に向けた最初の中期経営計画として、必要な経営基盤の強化により事業戦略を展開し、3ヶ年累計で経常利益360億円を目指している。第13次中期経営計画では、第12次中期経営計画までに構築した経営基盤・事業基盤をベースに、さらなる成長への布石を打つことをテーマとしている。第13次中期経営計画の基本方針として、「経営基盤の強化により、各事業において従来のビジネスの一層の強化を図る」「将来の環境変化への対応を加速させ、これらの事業活動を通じてESG経営※を推進し、持続的成長を目指すこと」としている。持続的な成長に向け人材の採用・育成を強化するほか、CO2分離・回収、利用技術をはじめとする研究開発やデジタル技術を活用した付加価値の向上に取り組む。 ※Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を取ってつくられた言葉。定量的な財務情報に加え非財務情報であるESGの視点も重視した事業活動を展開することで、企業価値を長期的に高め、社会の持続的な成長にも貢献していくもの。 具体的には、人材やデジタル技術、パートナーシップ等、現在の事業環境から必要とされる経営基盤の強化により各事業における競争力を強化し、顧客や社会の課題を解決する事業活動を展開する方針である。 同計画は順調に進捗しており、経常利益は目標の3ヶ年累計360億円からさらなる上積みを目指す。経常利益は2022年3月期で10,647百万円、2023年3月期で14,684百万円の好業績で、2024年3月期も12,000百万円を予想しており、目標累計額360億円は超える見込みである。 同社が第13次中期経営計画においてさらなる成長への布石を打つためには、研究開発、デジタル技術、設備投資などの事業戦略に対し、経営資源を的確に配分し、着実に経営基盤を強化することが重要になる。 (3) 基本方針と進捗状況 同計画では、「人材」「パートナーシップ」「デジタル技術」「設備投資」「コンプライアンス」「研究開発」「ものづくり力」「エンジニアリング力」に注力した経営基盤の強化を掲げている。それを基に一般廃棄物処理プラント・水処理プラント・エネルギープラント・新電力事業・海外事業・新規事業・民生熱エネルギー・設備システムなどのさまざまな商品・サービスにおいて、顧客や社会の課題解決に基づく事業活動を展開している。 a) 経営基盤の強化 基本方針に基づく事業活動の結果、「人材」に関しては、同社の最大の強みである技術力の伝承や経営資源の拡大のため、人材採用・育成を強化してきた。施工部門のほか、技術部門・メンテナンス部門を中心に採用・育成を継続し、連結グループ全体の従業員は前期比102人増加の4,247人となり、単体では69人を採用した。「研究開発」に関しては、既存技術のブラッシュアップに加え、脱炭素社会の実現に向け、CCUS・カーボンリサイクル技術を中心に排ガス浄化によるCO2の農業利用、固体炭素化、バイオメタネーションなどの具体的なテーマについて研究開発を継続して進めている。「パートナーシップ」に関しては、脱炭素社会の実現に向けたオープンイノベーションビジネスプラットフォーム「C2X」プロジェクトに参画し、異業種連携によるCCUS技術の事業化を目指し、提案力・研究開発を継続して強化している。「デジタル技術」の活用に関しては、燃焼画像や運転データをもとに、今後発生する燃焼の変動を予測し必要な操作を行うAI燃焼制御システム「ICS」の開発により、プラントの省力化、高付加価値化を推進している。 b) セグメント別の進捗状況 セグメント別の進捗状況を見てみる。主力である環境・エネルギー(国内)事業においては、一般廃棄物処理プラント及びエネルギープラントに注力している。一般廃棄物処理プラントでは、多様化するニーズに応えた総合的な提案により、継続的な受注を獲得している。その結果として、EPC・O&Mを着実に受注し受注残高の長期O&M(契約期間10年以上)比率は約60%となり、EPC事業の維持・拡大に加え、ストック型ビジネスを拡大することにつながった。引き続き、技術力を軸に提案力の強化を図り、年間2~3件の更新案件の継続的な受注を目指す。またO&M提案の強化を通じ、ストック型ビジネスによる持続的成長を目指してきた結果、2024年3月期の期初時点で長期O&Mを25施設で受注し、うち19施設が運営中で、残り6施設は順次運営開始予定である。エネルギープラントでは、2012年のFIT制度開始以降、全国で78基を受注し、納入した多くの案件でメンテナンスまで受注を獲得した。なかでも長期O&Mは3件受注し収益拡大に貢献している。今後もバイオマス発電プラントを中心に継続的な受注獲得を目指す予定だ。他に水処理プラント、新電力事業でも継続的に受注を進めている。 環境・エネルギー(海外)事業においては、タイのSiam Takuma Co., Ltd.、台湾の臺田環工股份有限公司(Taiden Environtech Co., Ltd.)の2つの現地法人を中心に、各国にてプラント建設とメンテナンスサービスの実績(累計で、タイにてエネルギープラント158基、世界各国にて廃棄物処理プラント16施設)をあげている。その実績を基に受注獲得に向けた体制を整備し、2022年3月期から2023年3月期にかけて廃棄物処理プラント2件(台湾・ベトナム)、エネルギープラント1件(タイ)の合計3件の受注を獲得した。民生熱エネルギー事業においては、国内市場は成熟しているものの、当面は更新等一定の需要が継続すると見ている。高効率化・電化空調・バイオマスボイラーなどの省エネや脱炭素ニーズへの対応や海外事業により、引き続き受注規模の拡大を目指す。設備・システム事業においては、建築設備事業分野で人材確保・育成による営業力、施工能力のさらなる強化を図り、受注規模を拡大する。半導体産業用設備の分野では、デジタル化の潮流により市場は拡大しており、大学や顧客と共同でカスタマイズした商品開発を行い、競争力の向上を図る。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞) 《SI》
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タクマ
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+3(%)
時価総額 135,622百万円
ごみ処理プラントやバイオマス発電プラント、下水汚泥焼却発電プラント等の設計・施工、メンテナンス等を行う。汎用ボイラの製造・販売等も。中計では27.3期経常利益140億円目標。EPC事業の拡大等に取り組む。 記:2024/06/24
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