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エレマテック Research Memo(1):高付加価値型ビジネスの拡大、海外有力顧客の開拓、自動車ビジネスの拡充へ

2022/12/14 15:31 FISCO
*15:31JST エレマテック Research Memo(1):高付加価値型ビジネスの拡大、海外有力顧客の開拓、自動車ビジネスの拡充へ ■要約 エレマテック<2715>は、2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した電子材料を得意とするエレクトロニクス商社だが、その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。近年は単なる部品・部材の販売だけでなく、モジュール製品やODM製品(Original Design Manufacturing:企画段階から参画し、他社ブランド製品を設計から製造まで行う)の拡販に注力している。 1. 2023年3月期第2四半期は、需要回復に加え円安効果で大幅増収増益 2023年3月期第2四半期の業績は、売上高123,167百万円(前年同期比34.4%増)、営業利益6,628百万円(同90.4%増)、経常利益6,122百万円(同79.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,164百万円(同73.7%増)となった。客先での生産回復、新規獲得案件の寄与に加え、円安効果もあり第2四半期として売上高・利益ともに過去最高を更新した。マーケット別では、3分野すべてで増収となった。Digital Electronicsではディスプレイ関連が堅調に推移し31.9%の増収、また顧客の生産回復によりAutomotiveも28.5%の増収となった。さらに主にドライブレコーダー向けに牽引されたBroad Marketも39.2%の増収となった。地域別でも、すべての地域で増収となった。懸念されていた半導体不足の影響も改善されつつあり、当上半期においては特に問題はなかった。 2. 2023年3月期は、営業利益は39.6%増へ予想を上方修正、配当は年間74円(配当性向40.1%)へ増配の予定 好調な上半期の決算を受けて2023年3月期(通期)の業績は、売上高243,500百万円(前期比21.4%増)、営業利益11,650百万円(同39.6%増)、経常利益10,950百万円(同39.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,550百万円(同40.5%増)と予想されており、期初予想(売上高225,500百万円、営業利益8,950百万円)から大幅に上方修正された。マーケット別では、Digital Electronicsは前期比20.1%増、Automotiveは同32.3%増、Broad Marketは同19.1%増が見込まれている。上半期の業績が堅調であったことから、下半期の伸び率は上半期に比べて低下すると見ており、慎重な予想となっている。ただし、需要は引き続き堅調であることに加え、対ドル円レートの前提を135.00円(前期実績112.39円)としていることから、現在の為替の水準が続けば利益が上乗せされる可能性はあると弊社では見ている。年間配当は、それまでの60円予定から74円(予想配当性向40.1%)への増配を予定している。 3. 中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中 同社は、2020年春に中期経営戦略「エレマテックNEXT」を発表した。主要戦略として「高付加価値型ビジネスの拡大」「海外有力顧客の開拓」「自動車ビジネスの拡充」を掲げている。この戦略を推進・実行していくことで、単なる量的拡大だけでなく、質的な改善を目指していく方針だ。高付加価値型ビジネスでは、完成品ODMビジネスが本格的に稼働し始めている。国内外有力顧客の開拓では、フォルダブルスマートフォン向けを強化することで、中国系、米系顧客の攻略を目指す。自動車向けでは、生産の回復に加えてEV(電気自動車)化に伴う周辺商材の拡販で売上増を計画している。 なお、中期経営戦略とは別に中期の業績計画として、同社は毎年期初に、ローリング方式による当該年度と2年後の業績予想を開示している。2023年3月期の開始に当たっては、当期業績予想とともに2025年3月期において売上高2,550億円、経常利益106億円を目指す中期予想を公表しているが、この目標は前倒しで今期(2023年3月期)にも達成される公算が強い。そのため弊社では、来期(2024年3月期)の初頭には新たな目標が設定される可能性が高いと見ている。 ■Key Points ・「高付加価値型ビジネスの拡大」「海外有力顧客の開拓」「自動車ビジネス拡充」を3本柱に収益拡大を目指す ・2023年3月期は39.6%の営業増益を予想、年間配当も74円(配当性向40.1%)へ増配を予定 ・中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中、2025年3月期の目標は前倒し達成の公算大 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《SI》
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