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サカタインクス Research Memo(7):2021年12月期通期連結業績予想は上方修正して増収増益幅拡大

2021/10/1 16:07 FISCO
*16:07JST サカタインクス Research Memo(7):2021年12月期通期連結業績予想は上方修正して増収増益幅拡大 ■今後の見通し 1. 2021年12月期通期連結業績予想の概要 サカタインクス<4633>の2021年12月期通期連結業績予想は2021年8月に上方修正を公表し、売上高が2020年12月期比10.8%増の179,000百万円、営業利益が同24.8%増の9,000百万円、経常利益が同32.2%増の10,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同38.4%増の7,300百万円としている。想定為替レート(USドル)は下期109.00円、通期108.00円(2020年12月期通期は106.82円)としている。 日本及びアジアの印刷インキはコロナ禍の影響により販売数量が期初予想を下回る見込みだが、欧米のパッケージ用インキ及び機能性材料が堅調に推移し、販売価格改定、製品ミックス改善、コスト改善、為替の円安なども寄与して、期初予想に比べて増収増益幅が拡大する見込みだ。特に欧州の収益体質改善や機能性材料の回復が期初予想を上回る。 営業利益の2020年12月期との比較での要因別増減額の見込みは、増益要因が印刷インキの数量増で33.0億円、印刷インキの単価上昇(製品ミックス改善、価格改定)で33.7億円、機能性材料の増収で10.3億円、機材の増収で1.3億円、その他の増収で1.8億円、為替影響で0.8億円、減益要因が印刷インキのコスト上昇(原材料価格上昇、その他コスト要因)で63.0億円、調整額で0.3億円としている。 なお、第2四半期累計の超過達成額(売上高6,276百万円、営業利益1,845百万円、経常利益2,052百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,439百万円)に対して、通期予想の上方修正幅は売上高9,000百万円、営業利益1,000百万円、経常利益1,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益900百万円としている。各利益の上方修正幅が第2四半期累計の超過達成額を下回ることから、下期の各利益は下方修正した形になる。これは、原油・ナフサ価格の上昇、世界的なコンテナ不足と海上輸送費の高騰、各国での環境規制強化による対策コストの上昇などで、下期に期初予想を上回る原材料・物流コストの高騰が見込まれるためとしている。価格改定も期初予想以上に進捗するが、コスト高騰影響が価格改定効果を上回る見込みだ。 ただし原材料・物流コスト高騰に対応して、すでに上期に価格改定をリリースし、需要家との交渉を進めている。コロナ禍の影響が和らいで世界的に需要が回復基調であり、数量増効果、製品ミックス改善効果、価格改定効果、コスト削減効果などで通期会社予想に再上振れ余地があると弊社では見ている。 2. セグメント別の計画 修正後の2021年12月期通期セグメント別売上高と営業利益の計画は以下のとおりである。 (1) 印刷インキ・機材(日本) 印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前期比3.8%増の49,893百万円、営業利益が同58.1%増の1,554百万円としている。期初予想に比べて売上高、営業利益とも下方修正した。コロナ禍の影響により販売数量が期初予想を下回る見込みとして、利益面ではコスト高騰などの影響も考慮した。ただし前期比では数量増、製品ミックス改善、販売価格改定、コスト削減などで増収・大幅増益予想としている。 (2) 印刷インキ(アジア) 印刷インキ(アジア)は、売上高が同15.2%増の37,540百万円、営業利益が同4.9%増の2,570百万円としている。期初予想に比べて売上高を上方修正、営業利益を下方修正した。売上面は、コロナ禍の影響により販売数量が期初予想を下回るが、販売価格改定、為替の円安効果などが寄与する。利益面は原材料・物流コスト高騰などの影響を考慮した。期初予想に比べて営業増益幅が縮小するが、前期比では増収増益予想である。 (3) 印刷インキ(米州) 印刷インキ(米州)は、売上高が同6.4%増の52,685百万円、営業利益が同8.9%減の2,691百万円としている。期初予想に比べて売上高を上方修正、営業利益を下方修正した。売上面は環境配慮型製品を中心とするパッケージ関連の拡販で好調だが、利益面は原材料・物流コストの高騰や投資・経費の増加などの影響を考慮した。 (4) 印刷インキ(欧州) 印刷インキ(欧州)は、売上高が同57.0%増の15,962百万円、営業利益が3百万円(2020年12月期は432百万円の損失)としている。売上高、営業利益とも上方修正した。売上面は、環境配慮型製品を中心とするパッケージ関連の拡販が進展し、ドイツのRUCOの新規連結も寄与する。利益面では、数量増効果に加えて、構造改革効果(生産体制再構築によるコスト削減)で黒字転換を見込んでいる。 (5) 機能性材料 機能性材料は、売上高が同13.9%増の13,492百万円、営業利益が同229.9%増の1,587百万円としている。売上高、営業利益とも上方修正した。2020年12月期はコロナ禍の影響を大きく受けて落ち込んだが、経済活動再開に伴って海外を中心に需要が回復基調であり、インクジェットインキやトナーなどの数量が回復し、在庫評価損の一巡や欧州での固定費削減も寄与して大幅増益予想としている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
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1896年創業の印刷インキメーカー。各種印刷インキ、粉体トナーなどの機能性材料を手掛ける。アルミ缶用インキで世界トップシェア。総還元性向50%以上目指す。パッケージ分野中心に環境配慮型製品を積極展開。 記:2024/07/01