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サカタインクス Research Memo(6):全セグメントが増収増益

2021/10/1 16:06 FISCO
*16:06JST サカタインクス Research Memo(6):全セグメントが増収増益 ■サカタインクス<4633>の業績動向 2. セグメント別の動向 セグメント別の動向(数値は為替影響排除前)は以下のとおりである。 (1) 印刷インキ・機材(日本) 印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前年同期比2.7%増の24,439百万円、営業利益が同63.9%増の824百万円と、売上面は印刷インキが増加し、機械販売の増加も寄与して小幅ながら増収となった。パッケージ印刷用インキのうち、軟包材用グラビアインキは内食関連需要が堅調となったが、外出自粛によるレジャー関連やコンビニエンス関連の低迷、前期の巣ごもり特需の反動などで減少した。段ボールや紙器用フレキソインキは宅配需要や家飲み需要などで増加した。新聞用インキはデジタル化進展などで減少した。オフセットインキは前期の落ち込みの反動で増加した。利益面では、全体としてパッケージ関連が堅調に推移し、環境対応の機能性ニスの拡販などによる製品ミックス改善、コスト削減(出張費などの販管費抑制)なども寄与して大幅増益となった。なお日本においては原材料価格上昇が他の地域に比べて半年程度遅れる傾向があるため、第2四半期累計時点での原材料コスト上昇の影響は比較的小さかった。 (2) 印刷インキ(アジア) 印刷インキ(アジア)は、売上高が同18.0%増の18,135百万円、営業利益が同41.9%増の1,221百万円と、大幅増収増益となった。売上面は地域差があり、インドはコロナ禍で新聞販売不振などの影響を受けたが、全体としては経済活動回復を背景として、軟包材用グラビアインキを中心に数量が回復基調となった。中国ではオフセットインキやメタルインキが好調となった。利益面では、原材料・物流コスト高騰の影響を受けたが、販売数量増加、製品ミックス改善、販売価格改定、コスト削減などで吸収して大幅増益となった。 (3) 印刷インキ(米州) 印刷インキ(米州)は、売上高が同6.0%増の26,352百万円、営業利益が同11.1%増の1,646百万円となった。売上面は環境配慮型製品を中心とするパッケージ関連(フィルム用フレキソ・グラビアインキ、紙器用途UVオフセットインキ)の拡販で数量が増加した。環境負荷軽減を背景とするアルミ缶需要の高まりで缶用インキも好調となった。利益面では、原材料・物流コスト高騰の影響を受けたが、販売数量増加、製品ミックス改善、販売価格改定などで吸収した。 (4) 印刷インキ(欧州) 印刷インキ(欧州)は、売上高が同55.5%増の8,003百万円、営業利益が同47百万円(前年同期は254百万円の損失)となった。売上面は、環境配慮型製品を中心とするパッケージ関連(フィルム用フレキソ・グラビアインキ、紙器用途UVオフセットインキ、缶用インキ)の拡販効果に加えて、ドイツのRUCOの新規連結も寄与して大幅増収となった。利益面では、数量増効果に加えて、構造改革効果(生産体制再構築によるコスト削減)で営業利益が黒字転換した。 (5) 機能性材料 機能性材料は、売上高が17.6%増の6,754百万円、営業利益が177.7%増の927百万円となった。前期はコロナ禍の影響を大きく受けて落ち込んだが、ディスプレイ市場の好況や経済活動再開に伴って海外を中心に広告需要、オフィス需要が回復基調となり、インクジェットインキ、カラーフィルター用顔料分散液、トナーの販売数量が増加した。利益面では、数量増効果に加えて、欧州でのコスト体質改善、在庫評価減の一巡、諸経費抑制なども寄与した。 3. 財務の状況 2021年12月期第2四半期末の資産合計は2020年12月期末比11,018百万円増加して156,290百万円となった。売上増加に伴って売上債権やたな卸資産が増加し、設備投資に伴って土地や建設仮勘定が増加した。負債合計は同3,396百万円増加して67,246百万円となった。借入金が減少したが、仕入債務が増加した。純資産合計は同7,622百万円増加して89,043百万円となった。利益剰余金、その他の包括利益累計額が増加した。この結果、自己資本比率は53.4%で0.8ポイント上昇した。大きな課題は見当たらず、財務の健全性は良好と言えるだろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
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時価総額 84,671百万円
1896年創業の印刷インキメーカー。各種印刷インキ、粉体トナーなどの機能性材料を手掛ける。アルミ缶用インキで世界トップシェア。総還元性向50%以上目指す。パッケージ分野中心に環境配慮型製品を積極展開。 記:2024/07/01