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新興市場見通し:見直し買いが徐々に広がり値固めか、IPOは4社

2023/12/9 14:34 FISCO
*14:34JST 新興市場見通し:見直し買いが徐々に広がり値固めか、IPOは4社   ■相場全体の軟調地合いにひきづられ大幅続落 今週の新興市場は大幅続落。米国株式市場では高値警戒感が根強く、加えて週末に11月雇用統計発表を控えていたため、相場がやや軟調な地合いにあった。11月半ば以降、為替は円高ドル安傾向にあるが、日本銀行植田総裁が7日参院財政金融委員会で金融政策運営について「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言し、日銀のマイナス金利解除時期が早まるという見方が強まり、円高ドル安が急速に進行した。大型の輸出株下落に引きずられる形で新興市場銘柄も値を消した。今週の騰落率は、日経平均が-3.36%だったのに対し、東証グロース市場指数は-3.56%、東証グロース市場250指数は-3.69%だった。 個別では、トコジラミ対策で注目されたWASHハウス<6537>、ハッシュタグ活用エンジンが資生堂<4911>の美容サイトに導入されたことが材料視されたサイジニア<6031>、新たにAIによる動画自動生成技術を開発したグラッドキューブ<9561>などが週間騰落率値上がり上位に入った。一方、利益確定売りに押されたアマナ<2402>やヌーラボ<5033>などが週間騰落率値下がり上位となった。週間売買代金上位には今週に引き続きジーエヌアイグループ<2160>や海帆<3133>がランクインした。 ■見直し買いが徐々に広がり値固めに期待、IPOは4社 来週の新興市場は値固めか。今週は為替市場で急速な円高が進む中で、新興市場の銘柄も売られたが、来週は見直し買いが徐々に広がってくると思われる。 まず業績面では、新興市場の銘柄は情報・通信やサービス業の銘柄が多く、円高の影響は大きくない。為替市場で円の先高観が強まっている中で、新興市場の銘柄は相対的に業績懸念が小さい。またテクニカル面でも自律反発が期待される。東証グロース市場250指数の終値ベースの年初来安値は10月26日の632.29ポイントであり、また終値ベースの直近高値は11月21日の723.26ポイントである。12月8日終値は674.87ポイントとなり、この上昇の半値押しの水準となった。値ごろ感から買われやすい環境にあると思われる。なお、新興市場の株価動向に大きな影響を与える米ナスダック総合指数の12月8日の終値は2022年4月以来の高値となった。ナスダック総合指数は10月26日に直近安値を付けた後、上昇傾向が続いている。今週1週間のナスダック総合指数の上昇率は+0.69%だった。 来週の新興市場ではMBO(経営陣が参加する買収)の候補となる銘柄への物色も一手だろう。大正製薬HD<4581>やベネッセHD<9783>など知名度が高い大手企業のMBOが相次ぎ、投資家のMBO候補探しへの関心は高まっている。今週末12月8日には人材派遣大手のアウトソーシング<2427>もMBOを発表した。国内大手証券の一つは、「MBOは創業家の持ち分が多く、ステークホルダーが少ない中小型の企業のほうがやりやすい」と指摘し、新興市場からはCYBERDYNE<7779>やMTG<7806>などを候補銘柄としてあげている。なお、来週は新規株式公開(IPO)が4社予定されている。特に、新レギュレーション下で初めて仮条件上限を超えて公開価格が決定したブルーイノベーション<5597>の初値に注目したい。また、インバウンド関連が再注目となるなか、ラーメンチェーン運営の魁力屋<5891>も注目を引きそうだ。 《FA》
関連銘柄 15件
2160 東証グロース
2,953
11/27 15:30
+145(%)
時価総額 147,874百万円
中国拠点に新薬探索から臨床開発、製造・販売まで行う。中国に自社製薬工場を保有。IPF治療薬「アイスーリュイ」が主力製品。骨移植関連製品等の医療機器事業も。米国子会社中心に新規開発候補化合物の開発図る。 記:2024/08/05
2402 東証グロース
44
1/26 15:00
-4(%)
時価総額 1,697百万円
広告ビジュアル制作業界最大手。写真やCG、映像、イラストなどビジュアルを活用した広告をワンストップで提供。コンテンツ制作も展開。グループ内部リソースの有効活用などを推進し、3Q累計では営業赤字幅縮小。 記:2023/12/22
2427 東証プライム
1,749
6/5 15:00
-1(%)
時価総額 220,288百万円
製造業向け人材派遣・業務請負が柱。M&Aを活用して国内外で事業拡大。昨年12月に発表したMBOの一環として米投資ファンドのベインが1株1755円でTOB実施。今年3月にTOBが成立し、同社株は上場廃止へ。 記:2024/04/10
3133 東証グロース
687
11/27 15:30
+39(%)
時価総額 35,946百万円
居酒屋中心に飲食店舗の運営を行う。東海地盤。FCで揚げ鶏皮串の「新時代」を展開。居酒屋「えびすや」、立喰い焼肉「治郎丸」なども。23年に再生可能エネルギー事業を開始。飲食事業では事業エリアの拡大図る。 記:2024/10/03
4581 東証スタンダード
8,580
4/8 15:00
-10(%)
時価総額 730,501百万円
大衆薬大手。ドリンク剤、風邪薬、育毛剤に強み。海外開拓や医療用薬にも注力。ビオフェルミンシリーズ、リアップシリーズは売上増。24.3期3Qは増収。MBO成立で同社株は24年4月9日付けで上場廃止予定。 記:2024/03/05
4911 東証プライム
2,806
11/27 15:30
-29.5(%)
時価総額 1,122,400百万円
大手化粧品メーカー。1872年創業。SHISEIDO、エリクシール、マキアージュ等のブランドを展開。レストラン事業、美容室事業も。DOE2.5%以上目安。米州・欧州・アジアパシフィック事業に経営資源投下。 記:2024/07/05
5033 東証グロース
787
11/27 15:30
-4(%)
時価総額 5,103百万円
クラウドサービス事業を展開。プロジェクト管理ツール「Backlog」、ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」等を手掛ける。福岡県福岡市に本社。幅広い顧客基盤が強み。顧客満足度の向上等に注力。 記:2024/10/14
5597 東証グロース
712
11/27 15:30
-14(%)
時価総額 2,805百万円
ドローンを活用したプラント点検や自動巡回点検、送電線点検の点検ソリューションが主力。パイロット育成やドローンポートシステム等も。点検ソリューションでは屋内点検用ドローン、自動巡回点検用ロボットが販売拡大。 記:2024/06/25
5891 東証スタンダード
1,815
11/27 15:30
-45(%)
時価総額 10,111百万円
「京都北白川 ラーメン魁力屋」を全国でチェーン展開。特製醤油ラーメンが看板商品。「からたま屋」や「とりサブロー」などの運営も。店舗数は140店舗超。新商勢圏への出店はFC加盟店中心に出店数を増やす計画。 記:2024/06/24
6031 東証グロース
403
11/27 15:30
-8(%)
時価総額 10,382百万円
デジタルマーケティングソリューション事業を展開。CX改善サービス「ZETA CXシリーズ」などを手掛ける。旧社名はサイジニア。ZETA HASHTAGが成長中。中計では27.12期売上高36億円目標。 記:2024/10/12
6537 東証グロース
334
11/27 15:30
-12(%)
時価総額 2,313百万円
国内最大のコインランドリーチェーン「WASHハウス」をFC展開。宮崎県宮崎市に本社。遠隔監視による店舗・機器管理に強み。FC店舗数は500店舗超。アプリDL数は70万DL超。スポンサー広告事業の拡大図る。 記:2024/08/19
7779 東証グロース
188
11/27 15:30
-4(%)
時価総額 40,447百万円
世界初の装着型サイボーグ「HAL」が主力製品。筑波大学発のベンチャーとして2004年に設立。茨城県つくば市に本社。清掃ロボット、搬送ロボット等も。HAL腰タイプ介護・自立支援用は990台超が稼働中。 記:2024/09/02
7806 東証グロース
1,950
11/27 15:30
+57(%)
時価総額 78,203百万円
美容・健康機器等を手掛けるファブレスメーカー。ReFa、SIXPADなどのブランドを展開。ファインバブルシャワーヘッド等で国内メーカーシェアトップ。ヘアブラシは顧客ニーズに合わせたラインナップ展開を強化。 記:2024/08/22
9561 東証グロース
978
11/27 15:30
-26(%)
時価総額 8,039百万円
ウェブサイト解析・改善ツール、ネット広告等を手掛けるマーケティングDX事業が主力。スポーツAI予想解析メディア等のテクノロジー事業も展開。SPAIA全体の会員数は13万人超。ネット広告は営業体制を強化。 記:2024/10/13
2,592
5/16 15:00
+1(%)
時価総額 265,952百万円
通信教育講座で国内首位。老人ホームでも国内首位級。学習塾なども。昨年11月に欧州の投資ファンドと組んでMBOを行うと発表。3月にMBOの一貫として実施したTOBが成立し、同社株は5月17日付で上場廃止に。 記:2024/04/11